岩本麻奈 (参政党)

2025年11月28日・第219回国会 参議院 デジタル社会の形成及び人工知能の活用等に関する特別委員会 第3号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 113 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 132 発言)

特に、やはり政治や選挙に関する客観的で正確な情報の確保というのは、民主主義の根幹を成すものだと思われます。デジタル行政をつかさどる皆さんにとっても、優先度の高い大切な問題であるということを指摘しておきます。

最後に、これは質問ではなく問題提起として一言申し上げます。

私は、厚生労働委員会の議論を通じて強い危機感を持ちました。それは、統一電子カルテの重要性が国民も現場の医師も行政も十分に教育されていない、共有されていない、ここが本質的なボトルネックです。

さらに、医療の基礎データであるカルテが制度上たった五年で保存期間が終わる、つまり消えていくという事実にも驚きました。AI、AIといいながら、学習の土台であるデータが継続的に残らない、つながらない。これでは医療の安全性も、研究も、政策評価も前に進みません。

今必要なのは、単なる電子化だけではなく、データを命のために生かす設計です。ビッグデータの意味は、DNA解析の歴史を振り返れば分かります。ばらばらの情報が集まり、比較され、統計で検証されて初めて新しい知見や創薬の土台になる。日本が創薬で強くなると掲げるのであれば、標準化され、長期に残り、解析できるデータ基盤を国家戦略として整えることが不可欠だと思います。

そして、一番の問題は、日本が、なぜそれが必要かを問う哲学と、その土台となる統計学、確率の教育に弱いことです。不確実性の中で意思決定する力が弱いままAIだけ導入しても、使いこなせない、怖いからやめる、事故が起きたら隠すという反応になりかねません。デジタル庁に統計学や推論のプロフェッショナルがどのぐらいいらっしゃるのか私は分かりませんが、失われたこの三十年の一因として、予測して外れたら検証する統計的な思考と政策評価の力が国家全体として弱かったからではないかと問題提起したいと思います。

物づくりが日本の基盤であることは否定しません。しかし、二十一世紀の基盤は、工場や建物といった見える基盤と、データクラウド、AIといった見えない基盤がワンセットで成り立っております。日本は、この見えない基盤の設計を後回しにしてきたからこそ、今、世界からデジタルで遅れている。そのことを改めて強く指摘して、本日の発言を終わります。

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