後藤翔太 (参政党)

2025年12月4日・第219回国会 参議院 文教科学委員会 第4号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 70 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 96 発言)

参政党の後藤翔太でございます。本日もよろしくお願いいたします。

今回は、科学技術分野についてお伺いしたく存じます。

先日、大阪大学の坂口先生、京都大学の北川先生がノーベル賞を受賞されました。誠におめでたく存じます。

ただ、その誇らしい話題がある一方で、我が国の科学技術を取り巻く環境の厳しさが様々な場面で指摘されています。科学技術政策は、理研やJAXAのような公的研究機関や大学といった社会組織、制度への資金援助が主な手段であるというふうな特徴があります。研究を行うのはあくまで研究者であるため、誤解を恐れずに言えば、政治、行政ができることは主として資金の確保であり、その資金配分のコントロールです。よって、今回は科学技術政策の大部分を占めるファンディング、資金調達、資金配分の要素に焦点を当てて御質問したいと思います。

そこで、今回、私は、納税者の一人として、言わば投資家の視点に立ち、政府の皆様をファンドマネジャーに見立てて質疑を進めさせていただきたいと思っております。

さて、十一月十八日に文部科学省の有識者会議が科学の再興に向けての提言を公開いたしました。これを取りまとめる過程で、第四回有識者会議において委員から次のようなコメントがなされたようです。我が国における科学への投資が世界主要国と比べ相対的に縮小した中で、科学は投資されるべき分野であるということを社会全体に向けて改めて強く発信し、理解を得る必要がある。そのためには、行政、研究機関、企業、社会を始めとする様々なステークホルダーが相互に対話することや、社会的な理解や支持を得るために社会に何を約束するかを示し、それを社会と共有することが必要となる。

私は、科学は投資される分野であるという、この部分には賛同します。しかし、社会に何を約束するかを示すことが必要となるというこのコメントは、科学技術研究への資金を集め、また投資を促す上でマイナスの影響を与える可能性をはらんでいるのではないかというふうに考えました。特に基礎研究への投資を促進する観点からはなおさらです。

このコメントからは、科学への投資を促すためには研究を社会の分かりやすい成果や利益と結び付けなければならないという意図がうかがえます。私もそうですが、多くの人は、研究者ではなくビジネスパーソンになります。その結果、多くの人が科学技術に対しての期待やイメージをするものは、産業利用、要するに便利な発明となり、それは基礎研究というより応用研究の分野と親和性が高くなります。

基礎研究という言葉は、昨日の高市総理の答弁でもあったように、イノベーション、産業、それを生み出す基礎研究という形でセットで使われているように思います。しかし、それにより、我々のような一般人からすると、基礎研究という言葉は、イノベーションや経済産業発展のための土台としてイメージ、連想されやすいと思います。

もちろん、基礎研究は土台であり、イノベーションの源泉であることも間違いありませんが、基礎研究は、短期的な経済利益を生むために存在しているのではなく、直接的な産業や経済利益につながらなかったとしても、知の総和を広げていくため、つまり人類の知的資産を蓄積し、新しい概念を増やしていくために存在します。基礎研究は基礎研究の時点で価値を有しているのです。

先日、ノーベル賞を受賞した坂口先生がおっしゃっていた基礎研究への支援が必要という言葉には、そのような意味も込められているというふうに私は考えました。

よって、研究開発のアウトプットや出口を強調するコメントは、逆に言うと、産業や経済的利益につながらないことには投資しにくいといった価値観が醸成され、基礎研究への理解、共感を損なうおそれがあるのではないかというふうに思うのです。

ここで大臣にお伺いしたいと思います。

基礎研究が基礎研究として、むしろ基礎研究であるがゆえに投資されるべきであるという社会的な理解、共感を醸成するために、政府としてどのようにお取組をすべきとお考えでしょうか、お聞かせください。

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