浅倉むつ子早稲田大学名誉教授

2025年2月5日・第217回国会 参議院 国民生活・経済及び地方に関する調査会 第1号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 100 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 105 発言)

ありがとうございます。

ちょっと、とても難しい問題をいろいろ御指摘になったと思います。

一点目のジョブ型賃金というのは、実は私は賃金の専門家ではなくて、昭和女子大学の森ます美先生たちが職務評価賃金を実施されたので、その職務評価と、それから私たち法律家が一緒になって研究をしたのが本になって出版されておりますので、賃金の専門家ではないので申し訳ないんですけれども。

ただ、たとえ職務給が、産別の職務給制度が貫徹しているヨーロッパ諸国でも、年功を評価して、勤続年数が高い人に対してはその手当を多少高くするということは実は行われているというふうに聞いていますので、必ずしもその全ての職務給が年功を無視するような形で実施されているわけではないので、賃金の支払い方には様々があるというふうに思っております。ですので、何というんでしょうか、ジョブ型賃金だと全て年功を否定するかのように受け止めるのはちょっと間違いかなというふうに思っております。

それから、二点目の東京都の、東京都等の公契約条例ですけれども、恐らく、この公契約条例がその最低賃金を多少引き上げるような形で機能していくというのは、公的な機関に課せられた一つのあるべき姿を実現していくというやり方ではないかと思うので、これが、それを、民間の賃金レベルをむしろ主導していくという形で公契約条例というのは利用されていくものであって、それは一つの役割かなというふうに思っております。

それから、三点目におっしゃった時間短縮の問題ですけれど、恐らく生活時間の問題で、あれでしょうか、私が言っていることをおっしゃってくださったのかなというふうに思うんですが、生活時間問題というのは、生活時間というのは実は、ほかの方は御存じないかもしれないんですけれども、「かえせ 生活時間」というキャンペーンを実は何年か前からやっております。

それは何かというと、労働時間の短縮というと二十四時間のうちの何が奪われるかということをより、ごめんなさい、生活時間という言葉を使うと労働時間の短縮というのがよりビビッドに労働者の頭の中に入るんじゃないか、労働組合の頭の中に入るんじゃないか、そう思って、つまり、二十四時間のうち時間短縮をすると何が増えるかというと、生活時間が増えるだろうということで、非常に、生活時間の重要性というのを少し強調する意味で、労働時間短縮というよりは生活時間を取り戻そうという訴えをした方が大変世の中に映える、影響すると思ってそういう言葉を使っております。

そこで、先ほど例えばインターバルの御議論も出ましたけれど、例えば二十四時間の中のインターバル十一時間、それを差し引くと十三時間しかありませんよね。その企業関連時間が十三時間ということは、八時間、実労働八時間、それから休憩時間一時間、そして通勤時間二時間となると、残りは二時間しかなくて、一日の労働時間はもう二時間しかないと。だから、残業はもう一日単位で二時間にすべきだというようなことを実は私たちも言いたいためにインターバルとか生活時間ということを強調しておりますので、もっともっと日本の働いている人たち自身に生活時間を大事だということを強調していただきたいと思って生活時間という言葉を使っております。

それにはやはりいろんな活動があるので、公共的な意味すらあると、生活時間の中には、そんなことを言っておりまして、以上でございます。

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