自由民主党の石田昌宏です。
会派を代表して、国民年金法等の改正案について質問いたします。
高齢者は六十五歳からと言われていますが、日本では法律上の明確な定義はありません。一般に六十五歳以上を高齢者と呼ぶのは、一九五〇年代に国連が六十五歳以上の割合が七%を超える社会を高齢化社会とするという基準を設けたことに由来します。ちなみに、この頃の日本人の男女合わせた平均寿命は六十四歳でした。その後、平均寿命は大きく伸びましたが、この六十五歳という基準は変わっていません。
法律では、六十五歳という年齢は年金の支給開始年齢や介護保険の給付の年齢で使われていますが、これは開始の年齢であり、高齢者を示すものではありません。
人は年を重ねるほど体力や気力、社会生活、所得など、一人一人の違いは広がっていきます。社会保障政策を議論するに当たり、高齢者とはそもそも誰なのか、改めて考え直すべきだと思います。
さて、年金は、経験を重ねた人々の生活を支えるために最も長期的に安定が求められる社会保障制度です。そのために、その議論も長期的な変化を見据えたものであるべきで、日本人の大幅な長寿化や人口の減少を正確に反映しなければなりません。
昭和三十六年に我が国が国民皆年金を実現してから、来年は六十五年になります。この間の寿命と人口の変化がどれくらいの年金制度に反映されてきたのか、福岡厚生大臣にまず確認したいと思います。
この上で、今回の年金制度の見直しについて質問いたします。
急速に進行する少子高齢化を見据えて、財源の範囲内で給付費を賄うことができるよう、年金額の価値を自動調整する仕組みであるマクロ経済スライドは二〇〇四年改正により導入されています。そして、今後、デフレ経済が続いた過去三十年と同じような経済状況が続くとすると、スライドの調整が終了するのは、厚生年金の報酬比例部分は二〇二六年度である一方、基礎年金では二〇五七年になることで、基礎年金の所得代替率は現在よりも三割程度低下します。いわゆる年金の一階部分に当たる基礎年金の所得代替率の低下は、年金受給者全体に影響を与えます。
そこで、衆議院での修正により、二〇二九年の財政検証で経済成長等の想定を見極めた上で、基礎年金の給付水準が大きく下がることがないよう、厚生年金と基礎年金のスライドの調整を同時に終了させ、基礎年金の底上げを図ることができるプログラム規定が盛り込まれました。さらに、スライドの同時終了で一時的に基礎年金と厚生年金を合計した支給額が本来のそれよりも下がる受給者には、その緩和のための措置を講ずることも規定されました。
とはいえ、まずは基礎年金の給付水準が大きく下がることがないよう、約三十年続いたデフレ経済から完全に脱却し、賃上げを起点とした成長型経済を実現させることこそが石破内閣の最重要課題であると考えますが、その決意を総理にお伺いします。
その上で、衆議院での修正により、経済が好調に推移しなかった場合の措置が発動されたとしても、一時的に支給額が本来よりも下がる受給者にはその緩和のための措置が加えられたことで、全体として、就職氷河期世代を始めとする将来世代にも足下の受給世代にも配慮し、年金水準の確保を図る内容となったとされていますが、石破総理の受け止めをお聞かせいただきたいと思います。
今回の改正案では、被用者保険の適用拡大や在職老齢年金制度の見直し、遺族年金の見直し、厚生年金保険等、標準報酬月額の上限の段階的な引上げなども盛り込まれています。
いずれも、社会経済の変化、働き方やライフスタイル、家族構成等の多様化などを踏まえた年金制度の機能強化や高齢期における生活の安定のために必要な政策だと考えますが、国民の皆様には年金制度は難解と思われており、制度への信頼も高まりません。
そこで、総理に、政府全体で、あらゆる世代に対して年金制度の丁寧かつ分かりやすい説明をもっともっと講じ、制度に対する国民の理解を深めていただきたい。このことについてお考えをお伺いし、私の質問を終わります。
ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣石破茂君登壇、拍手〕
2
関口昌一議長
御異議ないと認めます。福岡資麿厚生労働大臣。
〔国務大臣福岡資麿君登壇、拍手〕
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3
福岡資麿(自民)厚生労働大臣
ただいま議題となりました社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する等の法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。
我が国においては、健康寿命が延伸し、単身世帯や共働き世帯が増加するとともに、高齢者や女性の就業の更なる進展や持続的な賃上げの継続が見込まれます。こうした社会経済の変化を踏まえ、年金制度において、ライフスタイル等の多様化を反映し、働き方に中立的な制度を構築するとともに、高齢者の生活の基盤の強化のための所得保障及び再分配機能の強化を行うため、この法律案を提出しました。
以下、この法律案の内容につきまし…
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4
関口昌一議長
ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。石田昌宏君。
〔石田昌宏君登壇、拍手〕
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- (上の発言)
5
石田昌宏(自民)
自由民主党の石田昌宏です。
会派を代表して、国民年金法等の改正案について質問いたします。
高齢者は六十五歳からと言われていますが、日本では法律上の明確な定義はありません。一般に六十五歳以上を高齢者と呼ぶのは、一九五〇年代に国連が六十五歳以上の割合が七%を超える社会を高齢化社会とするという基準を設けたことに由来します。ちなみに、この頃の日本人の男女合わせた平均寿命は六十四歳でした。その後、平均寿命は大きく伸びましたが、この六十五歳という基準は変わっていません。
法律では、六十五歳という年齢は年金の支給開始年齢や介護保険の給付の年齢で使われていますが、これは開始の年齢であり、高齢者を示すものではありません。
人は年を重ねるほど体力や気力、社会生活、所得など、一人一人の違いは広がっていきます。社会保障政策を議論するに当たり、高齢者とはそもそも誰なのか、改めて考え直すべきだと思います。
さて、年金は、経験を重ねた人々の生活を支えるために最も長期的に安定が求められる社会保障制度です。そのために、その議論も長期的な変化を見据えたものであるべきで、日本人の大幅な長寿化や人口の減少を正確に反映しなければなりません。
昭和三十六年に我が国が国民皆年金を実現してから、来年は六十五年になります。この間の寿命と人口の変化がどれくらいの年金制度に反映されてきたのか、福岡厚生大臣にまず確認したいと思います。
この上で、今回の年金制度の見直しについて質問いたします。
急速に進行する少子高齢化を見据えて、財源の範囲内で給付費を賄うことができるよう、年金額の価値を自動調整する仕組みであるマクロ経済スライドは二〇〇四年改正により導入されています。そして、今後、デフレ経済が続いた過去三十年と同じような経済状況が続くとすると、スライドの調整が終了するのは、厚生年金の報酬比例部分は二〇二六年度である一方、基礎年金では二〇五七年になることで、基礎年金の所得代替率は現在よりも三割程度低下します。いわゆる年金の一階部分に当たる基礎年金の所得代替率の低下は、年金受給者全体に影響を与えます。
そこで、衆議院での修正により、二〇二九年の財政検証で経済成長等の想定を見極めた上で、基礎年金の給付水準が大きく下がることがないよう、厚生年金と基礎年金のスライドの調整を同時に終了させ、基礎年金の底上げを図ることができるプログラム規定が盛り込まれました。さらに、スライドの同時終了で一時的に基礎年金と厚生年金を合計した支給額が本来のそれよりも下がる受給者には、その緩和のための措置を講ずることも規定されました。
とはいえ、まずは基礎年金の給付水準が大きく下がることがないよう、約三十年続いたデフレ経済から完全に脱却し、賃上げを起点とした成長型経済を実現させることこそが石破内閣の最重要課題であると考えますが、その決意を総理にお伺いします。
その上で、衆議院での修正により、経済が好調に推移しなかった場合の措置が発動されたとしても、一時的に支給額が本来よりも下がる受給者にはその緩和のための措置が加えられたことで、全体として、就職氷河期世代を始めとする将来世代にも足下の受給世代にも配慮し、年金水準の確保を図る内容となったとされていますが、石破総理の受け止めをお聞かせいただきたいと思います。
今回の改正案では、被用者保険の適用拡大や在職老齢年金制度の見直し、遺族年金の見直し、厚生年金保険等、標準報酬月額の上限の段階的な引上げなども盛り込まれています。
いずれも、社会経済の変化、働き方やライフスタイル、家族構成等の多様化などを踏まえた年金制度の機能強化や高齢期における生活の安定のために必要な政策だと考えますが、国民の皆様には年金制度は難解と思われており、制度への信頼も高まりません。
そこで、総理に、政府全体で、あらゆる世代に対して年金制度の丁寧かつ分かりやすい説明をもっともっと講じ、制度に対する国民の理解を深めていただきたい。このことについてお考えをお伺いし、私の質問を終わります。
ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣石破茂君登壇、拍手〕
6
石破茂(自民)内閣総理大臣
石田昌宏議員の御質問にお答えをいたします。
成長型経済についてのお尋ねをいただきました。
過去三十年間、低物価、低賃金、低成長というデフレの悪循環にありましたが、ようやく、六百兆円超の名目GDP、三十三年ぶりの高い水準の賃上げなど、明るい兆しが現れております。
石田議員御指摘のとおり、賃上げこそが成長戦略の要との認識の下、引き続き、コストカット型経済から高付加価値創出型経済へと移行することで、国民の皆様の所得と経済全体の生産性の向上を図り、成長型経済の実現に取り組んでまいります。
衆議院における修正についてのお尋ねをいただきました。
衆議院で盛…
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7
福岡資麿(自民)厚生労働大臣
石田昌宏議員の御質問にお答えいたします。
寿命や人口の変化の年金制度への反映についてお尋ねがありました。
我が国の公的年金制度は、これまで、寿命の延びや人口の変化を始めとする社会経済状況に合わせ、五年に一度の財政再計算を踏まえ、保険料や厚生年金の支給開始年齢の段階的な引上げなど、順次、給付と負担のバランスの見直しに取り組んでまいりました。
さらに、平成十六年の年金制度改正では、将来の現役世代の負担が過重なものとならないよう、保険料の上限を固定した上で、その収入の範囲内で給付を行うマクロ経済スライドの導入により、将来にわたって持続可能な制度とし、現在…
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8
関口昌一議長
森本真治君。
〔森本真治君登壇、拍手〕
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