礒崎哲史議員の御質問にお答えします。
これまでの価格転嫁対策に対する評価と課題についてお尋ねがありました。
二〇一六年に政府全体での取引適正化政策パッケージを取りまとめて以降、設置当初の八十名から三百三十名体制に増員をした下請Gメンによる取引実態把握、年二回の価格交渉促進月間の実施、交渉や転嫁の状況の社名公表や経営トップに対する事業所管大臣名での指導、助言、各業界へのハイレベルでの取引適正化要請など、様々な施策を粘り強く取り組んでまいりました。
これらの結果として、昨年九月時点の価格転嫁率は、若干ながら改善しておりますけれども、四九・七%で、まだまだ道半ばであります。特に、サプライチェーンの深い層になるほど価格転嫁率が下がる傾向が確認されており、こうした事業者への価格転嫁の浸透が今後の重要な課題と認識しているところであります。
事業所管大臣へ指導、助言権限を付与する効果についてお尋ねをいただきました。
下請法の執行強化のためには、各業界の取引実態に精通した各事業所管省庁による取組も重要であります。
このため、本改正案では、例えばトラック・物流Gメンが荷主等への実態調査の場において下請法の観点からも指導を行うなど、事業所管大臣がそれぞれの任務を果たす際に、所管する事業者へ直接指導、助言できる旨を盛り込みました。これにより、幅広い業界の事業者に対し、より迅速に適正取引を促す効果が期待されます。
次に、関係省庁間での情報の共有、活用と、その効果についてお尋ねがありました。
本改正案では、各省庁が所管する各業界について持つ専門的な知見を取引適正化に活用できるよう、関係省庁間の情報共有、活用に関する規定を盛り込みました。
例えば、各省庁が各業界の事業者への調査、ヒアリング等で得た取引の実態、現場情報について、中小企業庁や公正取引委員会が情報共有を受け、下請法の観点から更に詳細な調査、執行を行うことが想定されます。これにより、各省庁が得た幅広い業界、多くの事業者からの取引情報が効果的に下請法の執行に活用され、一層の取引適正化につながる効果が期待をされます。
次に、大々的な実態調査についてお尋ねがありました。
これまで公正取引委員会と中小企業庁は、毎年それぞれ約三十万の事業者に対して下請法違反がないか書面調査を実施しています。また、年二回の価格交渉促進月間の後にも約三十万社へアンケート調査を行い、秘密の保護を伝えて回答を促すなど、より多くの実態把握に努めているところであります。
さらに、本改正法案では、下請法違反を、事務、失礼、事業所管省庁へ申告した受注者に対する発注者の報復措置を禁止することで、受注者が安心して各省にも報告できるようにします。
約三百三十六万もの中小企業への大々的な実態把握は容易ではありませんけれども、これらの取組を更に周知徹底し、少しでも多くの事業者から御回答をいただくことで、より効果的に取引実態を把握してまいります。
本法案以外の一層の価格転嫁対策についてお尋ねがありました。
議員御指摘のとおり、労働などの価値が価格に適切に反映される経済を実現するためには、本法案以外にも様々な価格転嫁対策を講じていくことが極めて重要であると思います。
このため、政府としては、他のコストに比べ転嫁しにくい労務費についての交渉、転嫁を促す労務費指針を政府を挙げて幅広い業界へ周知徹底をし、実態把握に努めてまいります。
さらに、価格交渉、転嫁を定期的に行う取引慣行の定着を目指す年二回の価格交渉促進月間を着実に実施するとともに、価格転嫁を阻害する商慣習を見直すよう、各業界に対するハイレベルでの要請や自主行動計画への反映、その実行など、様々な対策を今後とも粘り強く講じてまいります。
以上でございます。(拍手)
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17
関口昌一議長
礒崎哲史君。
〔礒崎哲史君登壇、拍手〕
この発言のページ
18
礒崎哲史(国民)
国民民主党・新緑風会の礒崎哲史です。
下請代金支払遅延等防止法及び下請中小企業振興法の一部を改正する法律案について、会派を代表し、質問いたします。
一九九〇年代後半以降、いわゆるデフレ経済が続く中、労働者の平均賃金は上がらず、日本の国際競争力も低下の一途をたどりました。こうした状況を打開すべく、二〇一三年、いわゆるアベノミクス三本の矢が放たれましたが、賃金上昇は起こりませんでした。金融政策、財政政策、成長産業政策の三つは政府が重要視すべき経済政策の基本的要素であり、思い切った金融緩和政策を講じたにもかかわらず、賃金上昇の道筋をつくれなかった点において…
この発言のページ
19
伊東良孝(自民)内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策・消費者及び食品安全・地方創生・アイヌ施策)
礒崎哲史議員にお答えいたします。
一点目は、運送委託の追加の理由についてお尋ねがありました。
平成十五年の改正では、発荷主による運送委託につきましては、優越的地位の濫用行為が行われやすいと言える再委託などの構造にある取引ではなく、発荷主が自ら用いる役務の委託であるとして、この法律の対象とはせず、独占禁止法に基づく物流特殊指定を策定し、問題行為に対応していくことといたしました。
他方で、公正取引委員会がその遵守状況を継続的に調査してきた結果、近年、問題につながるおそれがあるとして注意喚起の対象となった発荷主は毎年六百名前後で高止まりしており、依然とし…
この発言のページ
- (上の発言)
20
武藤容治(自民)経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)
礒崎哲史議員の御質問にお答えします。
これまでの価格転嫁対策に対する評価と課題についてお尋ねがありました。
二〇一六年に政府全体での取引適正化政策パッケージを取りまとめて以降、設置当初の八十名から三百三十名体制に増員をした下請Gメンによる取引実態把握、年二回の価格交渉促進月間の実施、交渉や転嫁の状況の社名公表や経営トップに対する事業所管大臣名での指導、助言、各業界へのハイレベルでの取引適正化要請など、様々な施策を粘り強く取り組んでまいりました。
これらの結果として、昨年九月時点の価格転嫁率は、若干ながら改善しておりますけれども、四九・七%で、まだまだ道半ばであります。特に、サプライチェーンの深い層になるほど価格転嫁率が下がる傾向が確認されており、こうした事業者への価格転嫁の浸透が今後の重要な課題と認識しているところであります。
事業所管大臣へ指導、助言権限を付与する効果についてお尋ねをいただきました。
下請法の執行強化のためには、各業界の取引実態に精通した各事業所管省庁による取組も重要であります。
このため、本改正案では、例えばトラック・物流Gメンが荷主等への実態調査の場において下請法の観点からも指導を行うなど、事業所管大臣がそれぞれの任務を果たす際に、所管する事業者へ直接指導、助言できる旨を盛り込みました。これにより、幅広い業界の事業者に対し、より迅速に適正取引を促す効果が期待されます。
次に、関係省庁間での情報の共有、活用と、その効果についてお尋ねがありました。
本改正案では、各省庁が所管する各業界について持つ専門的な知見を取引適正化に活用できるよう、関係省庁間の情報共有、活用に関する規定を盛り込みました。
例えば、各省庁が各業界の事業者への調査、ヒアリング等で得た取引の実態、現場情報について、中小企業庁や公正取引委員会が情報共有を受け、下請法の観点から更に詳細な調査、執行を行うことが想定されます。これにより、各省庁が得た幅広い業界、多くの事業者からの取引情報が効果的に下請法の執行に活用され、一層の取引適正化につながる効果が期待をされます。
次に、大々的な実態調査についてお尋ねがありました。
これまで公正取引委員会と中小企業庁は、毎年それぞれ約三十万の事業者に対して下請法違反がないか書面調査を実施しています。また、年二回の価格交渉促進月間の後にも約三十万社へアンケート調査を行い、秘密の保護を伝えて回答を促すなど、より多くの実態把握に努めているところであります。
さらに、本改正法案では、下請法違反を、事務、失礼、事業所管省庁へ申告した受注者に対する発注者の報復措置を禁止することで、受注者が安心して各省にも報告できるようにします。
約三百三十六万もの中小企業への大々的な実態把握は容易ではありませんけれども、これらの取組を更に周知徹底し、少しでも多くの事業者から御回答をいただくことで、より効果的に取引実態を把握してまいります。
本法案以外の一層の価格転嫁対策についてお尋ねがありました。
議員御指摘のとおり、労働などの価値が価格に適切に反映される経済を実現するためには、本法案以外にも様々な価格転嫁対策を講じていくことが極めて重要であると思います。
このため、政府としては、他のコストに比べ転嫁しにくい労務費についての交渉、転嫁を促す労務費指針を政府を挙げて幅広い業界へ周知徹底をし、実態把握に努めてまいります。
さらに、価格交渉、転嫁を定期的に行う取引慣行の定着を目指す年二回の価格交渉促進月間を着実に実施するとともに、価格転嫁を阻害する商慣習を見直すよう、各業界に対するハイレベルでの要請や自主行動計画への反映、その実行など、様々な対策を今後とも粘り強く講じてまいります。
以上でございます。(拍手)
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21
関口昌一議長
岩渕友君。
〔岩渕友君登壇、拍手〕
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22
岩渕友(共産)
私は、日本共産党を代表し、下請代金法及び下請振興法改正案について質問します。
トランプ関税による影響と不安が広がっています。五月三日、トランプ政権は、自動車関税に加え、自動車部品に対して二五%の追加関税を課す措置を発動しました。自動車部品は自動車に次いで輸出額が大きいことに加え、裾野が広く、サプライチェーンには幅広い事業者が関わっています。
衆議院の審議で武藤経済産業大臣は、取引適正化の取組に影響を与えないようにすることが重要だとして、自動車業界各社のトップに、雇用維持や賃上げの原資の確保のため、直接の取引先の更に先まで価格転嫁が可能となるような価格…
この発言のページ
23
武藤容治(自民)経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)
岩渕友議員の御質問にお答えさせていただきます。
米国の関税措置による取引先へのしわ寄せへの対策についてお尋ねがありました。
関税措置が発動される中でも取引適正化の取組に影響を与えないことが重要であります。
そのため、先月、私自身が自動車業界各社のトップと面会をし、関税措置の影響が中堅・中小メーカーに及ばぬよう、適正取引の確保を直接要請したところです。各社からは、サプライチェーン全体での適正な価格転嫁を通じ、成長、雇用、分配に積極的に取り組む旨の発言がありました。
さらに、各社はこれまで、深い取引階層のサプライヤーも対象のセミナーを全国各地で開催を…
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