今御指摘の労働債権についての様々な議論、これまでも行われてきたと承知をしております。
その中で、現行で申し上げると、民法の三百六条における一般の先取特権であったりとか、あるいは、破産法の中でも様々この財団債権の関係で一定の優先的な地位、これが与えられている状況であるとは認識をしております。
その一方で、今の御指摘はその破産法全体、倒産法制全体での労働債権の優先順位をどう引き上げていくかという話、更に引き上げるべきではないかという御趣旨だと思いますが、その場合、やはり幾つかの課題があるとは思っていまして、例えば抵当権等の約定担保権を設定する際に、これに優先する債権はどの程度発生をするのか、それを予測することがやはり困難になるということで、担保取引、この安定性を害するおそれがあるということ、あるいは抵当権や質権等の不動産に設定できる担保権と労働債権との関係、これを全面的に見直す必要が生じてきますので実務に対する重大な影響が生じる、そういった課題がある、これは事実だと思います。
そういった意味で慎重な検討は必要だと思っておりますが、この法制審の担保法制部会においても、倒産法制における労働債権の優先順位、債権の倒産手続における優劣関係全般に関わる問題として倒産法制の見直しの中で検討すべき、これは先ほど御指摘をいただきました山本先生の御意見ということも含めて、そういった御意見があったことも事実であります。
私どもといたしましては、こうした御意見を受け止めながら、まずは倒産局面における各債権者の債権の満足の状況等の実態調査、これを行っていくということを考えておりまして、そういったことの結果、この実態ということも踏まえてどのようなことが必要なのか、そういったことを適切に検討していきたいと考えているところでございます。
105
仁比聡平(共産)
結構そういう場合が間々あるというか、多いのではないかとも思われるわけですよね。
もう一点、そうやって組み入れるというのは、破産財団全体に組み入れるので、直ちに労働債権に充当されるわけではないわけです。
特に、多額の租税債権の滞納分あるいは社会保険料の未払分というのがこの労働債権、未払賃金と競合するという場合が多くありまして、結果、そういう場合は額で案分配当されるんですね。それが破産法のルールになっているんですけれども、そうすると、労働債権にはほんの僅かしか充当されないと。
これ、優先といいながら、有名無実ではないか、著しく保護に欠けるではないかとい…
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106竹竹内努法務省民事局長
お答えいたします。
破産手続におきましては、労働債権のうち、その開始前三か月間の給料の請求権等は財団債権として扱われ、財団債権となる租税債権とは同順位として扱われます。その上で、破産財団が財団債権の総額を弁済するのに足りないことが明らかになった場合には、委員御指摘のとおり、財団債権の額の割合に応じて案分して弁済をされることになります。
しかしながら、組入れ制度が設けられたことにより、これが存在しなかった従来に比較をいたしますと、破産財団が増殖することになりますので、労働債権の弁済額もこれによって増加することになってまいります。
したがいまして、組入…
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107
仁比聡平(共産)
お聞きいただいているとおり、本来なら、賃金あるいは退職金というのは、これは使用者の資力不安が生じた場合でも優先的に支払われているべきものなんだと思うんですよ。ところが、現実にそうならないということになっていて、倒産の制度の中でも、今申し上げていることが確実にされていく法制度というのがもう強く求められていると思います。
その下で、三枚目に、昨年十月十五日の担保法制部会の議事録から、山本和彦委員、倒産法制の大家だと思いますけれども、御発言を引用させていただきました。
村上委員、竹村参考人も言われた労働債権の保護というのは極めて重要な課題だと。村上さんとい…
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- (上の発言)
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鈴木馨祐(自民)法務大臣
今御指摘の労働債権についての様々な議論、これまでも行われてきたと承知をしております。
その中で、現行で申し上げると、民法の三百六条における一般の先取特権であったりとか、あるいは、破産法の中でも様々この財団債権の関係で一定の優先的な地位、これが与えられている状況であるとは認識をしております。
その一方で、今の御指摘はその破産法全体、倒産法制全体での労働債権の優先順位をどう引き上げていくかという話、更に引き上げるべきではないかという御趣旨だと思いますが、その場合、やはり幾つかの課題があるとは思っていまして、例えば抵当権等の約定担保権を設定する際に、これに優先する債権はどの程度発生をするのか、それを予測することがやはり困難になるということで、担保取引、この安定性を害するおそれがあるということ、あるいは抵当権や質権等の不動産に設定できる担保権と労働債権との関係、これを全面的に見直す必要が生じてきますので実務に対する重大な影響が生じる、そういった課題がある、これは事実だと思います。
そういった意味で慎重な検討は必要だと思っておりますが、この法制審の担保法制部会においても、倒産法制における労働債権の優先順位、債権の倒産手続における優劣関係全般に関わる問題として倒産法制の見直しの中で検討すべき、これは先ほど御指摘をいただきました山本先生の御意見ということも含めて、そういった御意見があったことも事実であります。
私どもといたしましては、こうした御意見を受け止めながら、まずは倒産局面における各債権者の債権の満足の状況等の実態調査、これを行っていくということを考えておりまして、そういったことの結果、この実態ということも踏まえてどのようなことが必要なのか、そういったことを適切に検討していきたいと考えているところでございます。
109
仁比聡平(共産)
よろしくお願いしたいと思うんですね。
弁護士の中で、例えば日本労働弁護団からは、優越的一般先取特権という考え方、つまり、労働債権の一定の範囲について、担保対象の財産に限定を掛けるということをしながら優先するということにして、金融機関の予測可能性も確保するというような制度設計もかねてから提案をした議論があっているところで、そこで、ちょっと残る時間、一問だけになりますが、厚労省にお尋ねしたいと思うんですけれども、今申し上げている議論について、二十五年前、二〇〇〇年に、当時の労働省で労働債権の保護に関する研究会の報告書というのが発表されていて、お手元に資料を…
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110
若松謙維(公明)
答弁、簡潔にお願いします。
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111田田中仁志厚生労働省大臣官房審議官
はい。
お答えいたします。
御指摘の研究会報告書におきましては、イギリスやフランス等の諸外国の労働債権の保護に関する取組についても調査されておりまして、労働債権保護の在り方について広範な観点からの議論が必要とされておるところでございます。
ただ、その後、最新の状況を必ずしもアップデートしていないと、こういう状況でございますので、労働債権保護に関して各国においてどのような取組が行われているか的確に把握するということは非常に重要なことでございますので、引き続きどのような対応が必要かということについては検討してまいりたいと思います。
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