法制審議会の部会の部会長を務められた酒巻教授の「刑事訴訟法」、この教科書には、当人が作成し、既に存在する不利益な内容が記載された書面を提出するよう法的に義務付けられる場合には、(例、罰則付文書提出命令)、文書提出行為が義務付けられる結果、提出行為により、当人が当該不利益文書の存在を認識し、これを所持していたこと自体を外部に伝達する作用を有することがあり得るので、その場合は供述の強要になると思われると記載されています。
この酒巻教授の見解に立てば、電磁的記録の提出も文書提出行為と違わないのですから、電磁的記録の提供が供述の意味を持つ場合があると、それはそれでよろしいですよね。これ、何度も何かこう、森本局長がこれをあたかも否定するような答弁をされているので、この点、局長で結構なんですけれども、もうそれはそのとおりだということでよろしいですよね。
34
鈴木馨祐(自民)法務大臣
今御指摘の欧州データ保護会議、これが平成三十年の十二月に作成をした意見ということでありますけれども、その中で、我が国の刑事手続について、刑事手続において情報主体が裁判及び押収品に関連する文書に記録をされた個人情報に関する消去の権利を享受をしていないと理解をしているといった、そういった指摘があったということ、これについては承知をしております。
しかしながら、私どもといたしましては、現行法上、そうした消去の規定等が設けられていないということについては、捜査の機密保持あるいは適切な刑事裁判の確保等の観点から正当性を有すると私どもとしては考えております。
例…
この発言のページ
35
打越さく良(立憲)
それ、捜査当局自らが適切適切とつぶやいているのではなくて、第三者機関が適切だとお墨付きを与えるかどうかがやっぱり十分性認定にも関わってくるわけですよね。
次に、この四番についてですけど、これちょっと、今までの森本局長の答弁も踏まえて、ちょっと細かく分けて聞いていきたいと思いますけど、そもそも、憲法三十八条一項で禁止されているのが供述の強要に限定されるとしても、河津参考人からは抵触が生じる場合があると指摘されていました。
改めて、念のため大臣に伺いたいんですけれども、被疑者は、自己に不利益な電磁的記録が存在し、これを所持していることについて供述を強要さ…
この発言のページ
36
鈴木馨祐(自民)法務大臣
そこについては、まさに憲法三十八条第一項の何人も自己に不利益な供述を強要されないとの規定、まさにそれ、自己は、刑事上の責任を問われるおそれがある事項についての供述を意味するとされております。
御指摘の点、自己に不利益な、これ電磁的記録のことでもそうだと思いますけれども、電磁的記録が存在し、これを所持をしていることについての供述、そういった意味で、これが自己に不利益な供述ということに該当する場合については、当然これを強要されない権利、これを有していると考えております。
この発言のページ
- (上の発言)
37
打越さく良(立憲)
法制審議会の部会の部会長を務められた酒巻教授の「刑事訴訟法」、この教科書には、当人が作成し、既に存在する不利益な内容が記載された書面を提出するよう法的に義務付けられる場合には、(例、罰則付文書提出命令)、文書提出行為が義務付けられる結果、提出行為により、当人が当該不利益文書の存在を認識し、これを所持していたこと自体を外部に伝達する作用を有することがあり得るので、その場合は供述の強要になると思われると記載されています。
この酒巻教授の見解に立てば、電磁的記録の提出も文書提出行為と違わないのですから、電磁的記録の提供が供述の意味を持つ場合があると、それはそれでよろしいですよね。これ、何度も何かこう、森本局長がこれをあたかも否定するような答弁をされているので、この点、局長で結構なんですけれども、もうそれはそのとおりだということでよろしいですよね。
38森森本宏法務省刑事局長
お答えいたします。
私どもとしては、供述が強要される場合が自己負罪拒否特権との関係で問題になるということでございまして、事例によるのかもしれませんけれども、じゃ、供述していないものが供述の強要に当たるのかという聞かれ方をすれば、基本的にそれは供述の強要には当たらないという立場でこれまで一貫して答弁を申し上げているつもりでございます。
この発言のページ
39
打越さく良(立憲)
端的に聞きますね。局長にですけれども、電磁的記録の提供が供述の意味を持つ場合もあり得ると、それでよろしいですね。
この発言のページ
40森森本宏法務省刑事局長
電磁的記録提供命令につきましては、条文上、電磁的記録を提供することを命ずる命令と規定しているとおり、既に存在している電磁的記録の提供を命ずるものにとどまりますので、供述を求めるものではなくて、一般的に、供述を強制されているとの誤解を被処分者に生じさせるものでもないというふうに考えております。
この発言のページ