森本宏法務省刑事局長

2025年4月24日・第217回国会 参議院 法務委員会 第6号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 182 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 284 発言)

電磁的記録提供命令と憲法三十八条第一項の自己負罪拒否特権との関係につきましては、委員御指摘のとおり、法制審議会の部会でも議論が行われました。

そこでは、弁護士である委員から、電磁的記録提供命令によって、被疑者、被告人に対し、パスワードが設定されたスマートフォンに保存されている電磁的記録の提供を命ずることは、実質的にパスワードの供述を強要することと変わらず、自己負罪拒否特権と抵触するのではないかとの趣旨の御意見が示された一方で、刑事法の研究者である幹事からは、電磁的記録提供命令が、既に存在している電磁的記録の提供の、済みません、既に存在している電磁的記録の提供を強要したにとどまる場合には、たとえその内容が不利益なものであったとしても、不利益な内容が既に記載されている被疑者、被告人の日記帳を差し押さえる場合と同様に、憲法三十八条第一項の問題を生じさせるものではないと考えるとの御趣旨の意見や、電磁的記録提供命令はあくまで電磁的記録を提供させることを目的とするものであり、パスワード、パスコード自体を捜査機関に提供することが求められるものではないとの御意見が示されるなどしたものと承知しております。

その上で、電磁的記録提供命令を含む要綱につきましては、同部会の第十五回会議において採決が行われ、出席委員十人中、ただいま申し上げました弁護士の委員一名を除く九名の賛成により可決されており、同部会においては、電磁的記録提供命令が自己負罪拒否特権に抵触するものではないことが多数の委員における共通の認識であったものと法務省としては理解しております。

私どもといたしましても、電磁的提供命令は、既に存在している電磁的記録の提供を命ずるものにとどまるものであって、供述を強要するものではないことから、自己負罪拒否特権と抵触するものではないと法務省としては考えております。

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