電磁的記録提供命令と憲法三十八条第一項の自己負罪拒否特権との関係につきましては、委員御指摘のとおり、法制審議会の部会でも議論が行われました。
そこでは、弁護士である委員から、電磁的記録提供命令によって、被疑者、被告人に対し、パスワードが設定されたスマートフォンに保存されている電磁的記録の提供を命ずることは、実質的にパスワードの供述を強要することと変わらず、自己負罪拒否特権と抵触するのではないかとの趣旨の御意見が示された一方で、刑事法の研究者である幹事からは、電磁的記録提供命令が、既に存在している電磁的記録の提供の、済みません、既に存在している電磁的記録の提供を強要したにとどまる場合には、たとえその内容が不利益なものであったとしても、不利益な内容が既に記載されている被疑者、被告人の日記帳を差し押さえる場合と同様に、憲法三十八条第一項の問題を生じさせるものではないと考えるとの御趣旨の意見や、電磁的記録提供命令はあくまで電磁的記録を提供させることを目的とするものであり、パスワード、パスコード自体を捜査機関に提供することが求められるものではないとの御意見が示されるなどしたものと承知しております。
その上で、電磁的記録提供命令を含む要綱につきましては、同部会の第十五回会議において採決が行われ、出席委員十人中、ただいま申し上げました弁護士の委員一名を除く九名の賛成により可決されており、同部会においては、電磁的記録提供命令が自己負罪拒否特権に抵触するものではないことが多数の委員における共通の認識であったものと法務省としては理解しております。
私どもといたしましても、電磁的提供命令は、既に存在している電磁的記録の提供を命ずるものにとどまるものであって、供述を強要するものではないことから、自己負罪拒否特権と抵触するものではないと法務省としては考えております。
179
古庄玄知(自民)
じゃ、今度、刑事デジタルの関係でお伺いしたいと思いますが、先ほどから、今回の刑訴法の改正についていろいろ問題があるということで指摘されておりますが、まず、令状主義との関係でお伺いしたいと思います。
令状主義というのは、裁判官が慎重に判断してその令状を発付して、それに基づいて強制執行を捜査機関が行うというのが令状主義でありますし、憲法三十三条とか三十五条に書かれておりますが、今回のその令状を提示する場面においては、どうやって提示するのかというのも含めて、令状という概念に入るのかどうか、それと令状主義というこの考え方に照らして妥当なのかどうか、これについて…
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180森森本宏法務省刑事局長
お答えいたします。
まず、本法律案においては、令状を電磁的記録で発付することを可能としております。また、本法律案が改正法として施行した後は令状をオンラインでも請求できるようになることを想定しておりまして、その電子化された令状というものにつきましては、タブレット端末等に表示してそれを提示し、執行することができるようになることとされておりまして、そういう形での運用を考えております。
他方、本法律案において、捜査機関が令状をオンラインで請求する場合や裁判官が令状を電磁的記録で発付する場合でありましても、その請求や発付については従来の要件を維持することとして…
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181
古庄玄知(自民)
それともう一つ、憲法三十八条一項との関係も指摘されているんですけれども、例えば、パスワードを捜査機関に教えなきゃならぬとか自分の不利益な内容が含まれている場合に憲法違反になるんじゃないかとか、そういう指摘がいろいろあるんですけれども、法制審議会の議論の中でその辺りについてはどのような意見が出て、法務省とすればそれは大丈夫だというふうにどういう根拠で考えているのか、それについて教えてください。
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- (上の発言)
182森森本宏法務省刑事局長
電磁的記録提供命令と憲法三十八条第一項の自己負罪拒否特権との関係につきましては、委員御指摘のとおり、法制審議会の部会でも議論が行われました。
そこでは、弁護士である委員から、電磁的記録提供命令によって、被疑者、被告人に対し、パスワードが設定されたスマートフォンに保存されている電磁的記録の提供を命ずることは、実質的にパスワードの供述を強要することと変わらず、自己負罪拒否特権と抵触するのではないかとの趣旨の御意見が示された一方で、刑事法の研究者である幹事からは、電磁的記録提供命令が、既に存在している電磁的記録の提供の、済みません、既に存在している電磁的記録の提供を強要したにとどまる場合には、たとえその内容が不利益なものであったとしても、不利益な内容が既に記載されている被疑者、被告人の日記帳を差し押さえる場合と同様に、憲法三十八条第一項の問題を生じさせるものではないと考えるとの御趣旨の意見や、電磁的記録提供命令はあくまで電磁的記録を提供させることを目的とするものであり、パスワード、パスコード自体を捜査機関に提供することが求められるものではないとの御意見が示されるなどしたものと承知しております。
その上で、電磁的記録提供命令を含む要綱につきましては、同部会の第十五回会議において採決が行われ、出席委員十人中、ただいま申し上げました弁護士の委員一名を除く九名の賛成により可決されており、同部会においては、電磁的記録提供命令が自己負罪拒否特権に抵触するものではないことが多数の委員における共通の認識であったものと法務省としては理解しております。
私どもといたしましても、電磁的提供命令は、既に存在している電磁的記録の提供を命ずるものにとどまるものであって、供述を強要するものではないことから、自己負罪拒否特権と抵触するものではないと法務省としては考えております。
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古庄玄知(自民)
次に用意していたのが弁護人とのオンラインの接見を用意していたんですが、もう大体今まで何度も出ていますので、これについては省略させてもらいます。
次に行きますが、改正法の五十四条二項はオンライン申立てができると規定しておりますね。これに対して改正法の五十四条三の一項は、検察官及び弁護士である弁護人はオンラインでしなければならないというふうに義務付けておりますが、これを義務付けた理由はどういったことなんでしょうか。
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184森森本宏法務省刑事局長
お答えいたします。
現行法の下では、検察官又は弁護人が裁判所に対してする申立て等の多くは、法令上書面によることを要求されているものを、ごめんなさい、失礼しました、法令上書面によることを要求されていないものを含め、書面を提出する方法により行われており、このようにして提出された書面は訴訟記録として裁判所において管理されているところでございます。
もっとも、刑事手続において情報通信技術を活用し、手続の円滑化、迅速化を図る観点からは、書類を紙媒体で作成、管理、発受することに伴う種々の負担やコストをできる限り削減し、事務を効率化するため、書類をできる限り電磁的…
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185
古庄玄知(自民)
同じ条文で、令状請求と略式命令の場合をその五十四条の三、一項から除外していますが、その理由と、それと裁判所の規則で定める申立てということも書かれていますけれども、これは具体的にどういうのを指すのか、その辺り御教示ください。
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