古庄玄知 (自由民主党)

2025年3月13日・第217回国会 参議院 法務委員会 第2号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 6 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 176 発言)

資料を、資料一の方を御覧いただきたいんですが、まず、今大臣がおっしゃられた憲法三十一条というのをそこに書いています。その下に自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律、その中で危険運転致死傷罪というところがありまして、その二号で、制御することが困難な高速度で自動車を走行させた場合には、危険運転致死傷罪ということで一年以上の懲役というふうになっておりますし、七号で、赤信号又はこれに相当する信号を殊更に無視し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する場合、これも一年以上の懲役ということになっています。これについては後ほど質問します。

今度、その下の出入国管理及び難民認定法、これはこの法務委員会でもかなり問題になったところですけれども、永住者の在留資格の取消しに関しまして、永住者の在留資格をもって在留する者が、この法律に規定する義務を遵守せず、又は故意に公租公課の支払をしないことということで、故意にという解釈をめぐってかなりこの法務委員会で問題になって、法務大臣の方が、ガイドラインを作るのでそっちの方で分かるようにしますからと、そういう御意見でした。

この前、法務省の方に聞いたら、今ガイドラインを作っている途中であると、要はまだできていないということでしたので、是非この辺り、判断する人間によって右に行ったり左に行ったり、そういうぶれることがないようなガイドラインを作っていただければというふうに思っております。

次に、先ほどの自動車運転により人を死傷させる行為等の処罰の法律というものの、これについて若干説明させていただきたいんですが、法律が曖昧だと非常に困るという例がこの案件だと思います。

これ、大分県で発生した事故で、十九歳の少年が大分県の長い直線である道路を百九十四キロ、制限速度六十キロのところを百九十四キロで突っ走っていて、対向車が右折するときにそれにぶつかって対向車が亡くなったと、こういう案件です。

当初、検察官の方は、これは危険運転じゃなくて過失運転であると。過失運転になれば七年以下の懲役なんですね。危険運転なら二十年以下の懲役、一年以上二十年以下ということになるので、重さが大体三倍ぐらい違うと、こういう案件でした。それを聞いた遺族が、余りにもそれはひどいんじゃないかということで署名活動をやって、二万八千通の署名が集まって、それを検察庁に提出したら、検察庁の方が、まあ心を動かしたんでしょう、主位的訴因を危険運転に変えて、予備的訴因で過失運転という二本立てで起訴し直したと、こういう案件です。

現在、大分地裁でこの前判決が出まして、危険運転に該当するということで有罪判決が出ましたが、被告人の方は、これは危険運転じゃなくて過失運転だと、この制御することが困難な、制御することが困難な高速度ということを検察官側は立証できていないと、だから、過失運転であれば認めるけれども、危険運転であれば認めないということで控訴して、今福岡高等裁判所で裁判をやっている途中です。

これ、裁判の当事者とすれば、検察官、それから被害者側の遺族、それから被告人、その弁護人、それと裁判官、五者が関与してくるんですが、この条文が曖昧なので、当初の検事は過失運転という軽い方で起訴したんですね。これが納得できぬと遺族の方はなりました。今度、弁護人側は、これは立証ができていないじゃないかと、制御することが困難というふうに言えるのか言えないのか、立証ができていないんじゃないかということで争っています。

私、被告人も、あっ、遺族は当然、過失運転だと軽過ぎると、こういう気持ちですね。私、当初、被告人も本当に争うつもりかなと思っていたら、実は、被告人は、自分がやったことは悪いことなので早く決めてもらいたいというのが被告人のどうも本心みたいなんですね。俺は悪いことやってないというのではなくて、悪いことはやった、その罪は償いたい、だけど、どっちかよく分からぬから早く決めてもらいたいというのが被告人の意思のようです。これ、担当の弁護人から聞きましたので、これは間違いないと思いますね。ただ、弁護人とすれば、こういう曖昧な条文で、はい、分かりました、じゃ、主位的訴因である危険運転致死罪を認めますなんということは言えないので今争っていると、そういう状況です。

私、弁護人にどうして憲法違反で争わぬのかと実は言ったんですけど、まあそこまでは余り話を大きくしたくないということで憲法違反の主張はしていないみたいなんですが、いずれにしても、みんながこれで困っていると、被害者だけじゃなくて被告人まで困っている、罪は償いたいんだけど、どっちで償っていいかよく分からぬと。ということなので、これは法律の条文が曖昧なゆえにこういうふうなみんなが困ると、そういう事態を引き起こすのがこの曖昧な法律を作った結果だろうというふうに思っております。

おかげさまで、法務省の方としてこの法律の改正の方に今動いていただいているというふうに聞いておりますので、この今改正がどの程度進んでいるのか、また、どういう方向で改正しようというその方向性というか、それについて法務大臣の方から御教示いただければと思います。

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