そうですね、いろいろなメリットがあるというところは私も十分理解をしております。
しかし、御存じのとおり、デジタル教育先進国と言われた諸外国でも、デジタル教育を見直すといったような事態が各国で発生しているということも報道されております。
高い教育水準で知られているフィンランドでは、早くから教育のデジタル化に取り組んできましたけれども、国際学習到達度調査においてかつて世界トップクラスを誇った読解力の順位というのが低下傾向にあるということや、児童生徒の集中力の散漫、スクリーンタイムの増加による健康への影響などということが課題として認識されるようになりました。このような状況を受けて、デジタル一辺倒ではなく、紙の教科書やノートによる手書きの重要性を見直すという動きが強まっています。デジタルツールは、情報収集であったり表現、個別学習など得意な分野で活用しつつ、深い思考や読解には紙媒体が適しているといったような考え方です。デジタルとアナログのそれぞれの長所を生かすハイブリッド型の学びを模索しているそうです。
また、スウェーデンでは、二〇一〇年代から国を挙げて教育のデジタル化を推進していましたが、幾つかの深刻な事態が浮き彫りになりました。やはり国際学力調査で子供の読解力というのが低下しました。著名な脳科学の専門家からは、デジタル画面での学習は集中力が続かず、記憶が定着しにくいといったような科学的な知見というのが示されましたこともあり、二〇二三年に学校担当大臣は、デジタル教育一辺倒から、低年齢の子供にはまず書く、読むといった基礎を紙の教科書で学ばせることが重要だということを判断して、政策を変更しております。
何のためにデジタル化するのか、これは学ぶ子供たちのためなのかという教育の本質的な問いが改めて投げかけられているのではないかと思います。
こういった諸外国の最近の動向というのを、文科省、どのように分析して、その受け止めをされているのか、お答えください。
125
あべ俊子(自民)文部科学大臣
宮口委員にお答えさせていただきます。
このデジタル教科書に関してでございますけど、現在、小学校の五年生から中学校三年生を対象にいたしまして、おおむね全ての学校に英語を、また五五%の学校に算数と数学を配付しているところでございます。
中教審のワーキンググループにおきましては、今後、新しい教科書が使用開始されるまでの当面の間でございますが、英語と算数と数学以外の教科、また学年につきましても、実証研究などで拡大していくべきではないかという御意見が出されているものと承知をしているところでございます。
また、仮に新しい学習指導要領の検討が前回と同じスケジュー…
この発言のページ
126
宮口治子政府参考人など
それでは、デジタル教科書を導入することのメリットというのをどのように考えているかをお聞かせください。
この発言のページ
127
あべ俊子(自民)文部科学大臣
宮口委員にお答えさせていただきます。
デジタル教科書に関してでございますけれども、令和三年度以降の実証実験の観点含めまして、小中学校の英語と算数、数学を中心に広く提供しているところでございます。
こうした中で行われました一万人以上の児童生徒を対象にいたしました大規模調査によりますと、デジタル教科書をいつも使う児童生徒の方が、使っていない児童生徒と比べまして、授業の内容がよく分かっている、課題解決に向けて自分で考え自分から取り組んでいる、学級の友達との間で話し合う活動を通じて自分の考えを深めたり広げたりすることができているという回答の割合が高いといった…
この発言のページ
- (上の発言)
128
宮口治子政府参考人など
そうですね、いろいろなメリットがあるというところは私も十分理解をしております。
しかし、御存じのとおり、デジタル教育先進国と言われた諸外国でも、デジタル教育を見直すといったような事態が各国で発生しているということも報道されております。
高い教育水準で知られているフィンランドでは、早くから教育のデジタル化に取り組んできましたけれども、国際学習到達度調査においてかつて世界トップクラスを誇った読解力の順位というのが低下傾向にあるということや、児童生徒の集中力の散漫、スクリーンタイムの増加による健康への影響などということが課題として認識されるようになりました。このような状況を受けて、デジタル一辺倒ではなく、紙の教科書やノートによる手書きの重要性を見直すという動きが強まっています。デジタルツールは、情報収集であったり表現、個別学習など得意な分野で活用しつつ、深い思考や読解には紙媒体が適しているといったような考え方です。デジタルとアナログのそれぞれの長所を生かすハイブリッド型の学びを模索しているそうです。
また、スウェーデンでは、二〇一〇年代から国を挙げて教育のデジタル化を推進していましたが、幾つかの深刻な事態が浮き彫りになりました。やはり国際学力調査で子供の読解力というのが低下しました。著名な脳科学の専門家からは、デジタル画面での学習は集中力が続かず、記憶が定着しにくいといったような科学的な知見というのが示されましたこともあり、二〇二三年に学校担当大臣は、デジタル教育一辺倒から、低年齢の子供にはまず書く、読むといった基礎を紙の教科書で学ばせることが重要だということを判断して、政策を変更しております。
何のためにデジタル化するのか、これは学ぶ子供たちのためなのかという教育の本質的な問いが改めて投げかけられているのではないかと思います。
こういった諸外国の最近の動向というのを、文科省、どのように分析して、その受け止めをされているのか、お答えください。
129望望月禎文部科学省初等中等教育局長
海外の事例についてのお尋ねでございます。
私どもも網羅的に把握をしているわけではございませんけれども、今、宮口委員の方から御指摘があった例えばスウェーデンにつきましては、二〇一〇年頃からデジタル教育を進めてございますけれども、直近ではデジタル化の見直しが行われたと承知してございます。一方、そもそも、従来、教科書の質保証に関する仕組みもなかったと、スウェーデンではですね、我が国とは状況が異なることも考慮する必要があると考えてございます。
スウェーデンにつきましては、デジタル教育の推進以降も、国際学力調査のTIMSSでは過去三回とも成績が向上したり、PI…
この発言のページ
130
宮口治子政府参考人など
なるほど、分かりました。
では、また、デジタル教科書の導入に際して、家庭の経済状況によって、家庭でのインターネットの環境、あるいは保護者のITの活用能力の差によって学校外での学習機会の格差というのが生じているというようなデメリットが指摘する声もあります。
先日、自然体験活動推進議員連盟の会合で、直近一年間で、学校外の体験が何もない子供の割合は、世帯別年収の六百万円以上と比較して、三百万円未満では二・六倍の格差があるというふうに聞きました。
子供がやってみたいと言った体験をさせてあげられなかった理由としては、保護者の経済的な理由と保護者の時間的な理由…
この発言のページ
131
あべ俊子(自民)文部科学大臣
宮口委員にお答えさせていただきます。
子供たちの誰もが、家庭の経済事情に関わらず質の高い教育を受けられるチャンスが平等に得られ、個性や能力を最大限伸ばせるようにするということはまさに大切だというふうに思っておりまして、一人一人が持つ可能性、これを最大限引き出すための教育の質の向上に取り組むことはもとより、幼児期から高等教育段階まで切れ目のないこの教育費の負担軽減と貧困による教育格差解消のための教員定数の加配の措置、またスクールソーシャルワーカーの配置などの学校をプラットフォームとした子供の貧困対策、小中高生への学習支援の充実、高校中退者等に対する学習相…
この発言のページ