斎藤嘉隆 (立憲民主党)

2025年6月10日・第217回国会 参議院 文教科学委員会 第13号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 91 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 101 発言)

立憲民主党の斎藤嘉隆です。

会派を代表して、衆議院で修正をされたこの給特法等改正案に賛成の立場から討論をいたします。

ある中学校では、八時十五分から勤務を開始し、十六時四十五分に勤務が終了します。子供が下校した後、十六時から平日の部活動に取り組んで、十六時四十五分を超えると勤務が終了し、以降は教員による自発的行為となります。同じように子供がいて、指導する状況は何も変わってない。校務であるにもかかわらず、なぜか取扱いの形態が変わります。部活が終わり職員室に戻り、テストの採点や明日の授業の準備を行う、これも勤務ではありません。命令もない中で教員が勝手に行っている校務と言えます。これが今の学校現場の状況です。

勤務の内外を包括的に捉えるという給特法の在り方は、制定から五十年以上が経過し、現場の状況と法そのものの乖離が大きくなり過ぎた感がします。何が勤務で、何が校務で、何が業務で、何が自発的行為なのか、当の教員たちが理解すらできていないんです。私学や国立大学法人で特措法が適用されない中で勤務管理が行われている現状を鑑みれば、現場の実態から給特法を抜本的に見直すことができない現状は課題解決の先送りにすぎません。

本改正は新たな改正への道筋です。月当たりの時間外在校等時間の削減に向けた環境整備を徹底的に進めつつ、給特法そのものの在り方についての議論を更に深めていかなければなりません。

二〇二二年度の教員勤務実態調査では、教員の在校等時間は、一日、小学校で十時間四十五分、中学校で十一時間一分。六年前の調査と比べ、それぞれ三十分程度減少しています。この結果を得て、働き方改革が一定効果を上げているとされていますが、本当にそうなんでしょうか。

二〇二二年の十月、十一月といえば、まだコロナ感染症が五類分類される前で、学校はまさにコロナ対策の真っただ中でした。学校行事や部活動実施が大幅に制限され、生徒指導などに時間を要することも難しい状況でした。会議なども対面で長時間行うことは避けられて、いや応なく働き方改革が進んだ時期でもありました。二二年調査が二〇一六年調査よりも在校等時間が減るのは当たり前です。むしろ、コロナ感染症の影響から脱した今の勤務状況がどうなのか。二〇二二年の非常時の数値ではなくて、通常時の学校教育の今の実態を把握すべきです。

二〇二二年度調査あるいは二〇一六年調査との変容を精緻に把握するためには同様の調査が必要ですが、文科省はその実施に積極的ではありません。なぜ調査を避けるのか。不都合な調査結果が出ることを避けたいのか。いぶかしがる声も少なくありません。改めて、実態を精緻に把握する必要性を申し述べておきたいと思います。

最後になります。

繰り返しになりますが、今回の改正は抜本的改正に向けたステップです。前回の改正時も同様にこのことを申し上げました。しかし、当時の大臣の答弁も局長の答弁も、今となれば多くが今回の改正に生かされたとは言えない、そういう状況だと思います。今回賛成をさせていただく理由は、あくまでも次の抜本的見直しに向けたステップであるということ、そして教員をめぐって一定の処遇が改善が図られたと、この点をもって賛成をしたいというふうに思います。

以上です。

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