舩後靖彦 (れいわ新選組)

2025年3月13日・第217回国会 参議院 文教科学委員会 第2号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 159 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 203 発言)

次に、インクルーシブ教育についてお伺いいたします。

今回、大臣所信の中で、特別支援教育の充実が消えて、発達障害、医療的ケア、心身の健康課題、貧困や虐待などの困難、へき地等居住環境に伴う課題を抱える子供たちやその保護者、夜間中学での学びを必要としている方々など、多様な背景、困難を有する当事者の声を聞き、一人一人が安心、安全に学ぶことのできる学びの場を提供という表現になっています。

インクルーシブ教育とは、障害だけでなく様々な課題を抱えた多様な子供たちが同じ教室で一緒に学ぶこと、共に学べるよう学校の在り方を変えることと考えます。その意味で、今回の多様な背景、困難を有する当事者の声を聞きの部分に大いに賛同いたします。

しかし、こうした多様な子供たちをそれぞれに合った多様な学びの場に分けていくのではなく、まずは地域の学校で多様な子供を受け入れ、誰一人取り残さず、安心、安全に学べるように環境整備をすべきではないでしょうか。理想主義で言っているのではありません。不登校を生み出し、障害のある子供を排除した今の学校、教室をそのままにして、多様な場を用意してそちらにお任せ、通常学級に適応できる子供だけいればいいという教育環境は誰にとっても過酷で居心地の良くない場となってしまうという危機感からです。

文科省は、障害のある子供とない子供が共に過ごすための条件整備と、一人一人の教育的ニーズに応じて通常学級、通級、特別支援学級、特別支援学校といった連続性のある多様な学びの場の整備、この二つを両輪として取り組むとしています。しかし、両輪が永遠に並行するままでは困ります。多様な学びの場に分けるインクルーシブ教育システムを障害のある子もない子も共に学ぶインクルーシブ教育へと近づけ、将来的にフルインクルーシブ教育を目指すべきと考えます。

そのために、障害のある子供の就学先決定についてお伺いします。

所信の中で、多様な背景、困難を有する当事者の声を聞きとありました。しかし、障害のある子供は、本人、保護者の希望に反して、就学支援委員会の総合的判断で特別支援学校と決められることがあります。また、地域の通常学校に就学しても相談が継続させられ、特別支援学級、学校への転籍を求められることもあります。

脳性麻痺のお子さんが小学校就学に当たり、小学校ではヘルパーが見付からず、親の付添いが必要、支援が必要なら特別支援学校へと言われました。また、小学校の通常学級で六年間学んできたダウン症のお子さんが中学校に進むに当たり、支援が必要なら特別支援学級へと言われました。

合理的配慮として支援員が必要な場合、公教育で付けるのは義務であり、特別支援学校、学級でないと付けられないというのは差別です。確かに学校における人手不足が深刻化していますが、環境整備は設置者の義務であり、その不備を当事者や保護者に押し付けることはあってはならないと考えます。

障害者権利委員会は、日本への総括所見の中で、全ての障害のある子供のための普通学校へのアクセシビリティーを保障し、普通学校が障害児の就学を拒否できないことを明確にする就学拒否禁止の条項及び政策を立てること、全ての障害のある子供に対してインクルーシブ教育を確保するために合理的配慮を保障することを勧告しています。

教育委員会が本人、保護者の希望に反して分けた学びの場に措置するのであれば、合理的配慮を尽くしても学習権を保障できないことの説明責任を課すべきと考えます。大臣、いかがですか。

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