藤本武士消費者庁政策立案総括審議官

2025年6月2日・第217回国会 参議院 消費者問題に関する特別委員会 第8号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 53 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 163 発言)

お答えいたします。

一般論としまして、経済活動の過度な萎縮を防止する観点から、犯罪の構成要件は明確で、また、対象となる行為は罰則に値するものでなければならないと考えております。

我が国では、メンバーシップ型雇用が一般的で、配置転換については、適材適所の配置や人材育成等の観点から、事業者の広い裁量の下、頻繁に行われており、必ずしも不利益な取扱いとは言えないと認識しております。また、配置転換の不利益性は個人の主観や事情に依存する部分が大きく、罰則の対象とすることは困難であると考えております。

加えまして、民事訴訟におきましては、自己に有利な法律効果の発生要件となる事実について立証責任を負うことが原則とされており、立証責任の転換はその例外を設けるものであると認識をしております。

我が国では、事業者の広い裁量の下、人事異動が頻繁に行われており、公益通報とは無関係に、業務上の必要性から配置転換が行われることも多いと認識をしております。こうした中、公益通報者に対して配置転換が行われた場合には、公益通報を理由とするものと推定する規定を設け、事業者に立証責任を転換することは適切ではないのではないかと考えているところであります。

一方で、現行法におきましても、配置転換や嫌がらせを含め、通報を理由とした不利益取扱いは禁止をされており、消費者庁としましても、こうした行為はあってはならないと考えております。

消費者庁では、内閣府告示であります法定指針を改正し、不利益な配置転換や嫌がらせが禁止される行為に含まれ得ることを明示をして、これを事業者に周知徹底することを予定しております。こうした措置によりまして、公益通報を理由とする不利益取扱いの違法性の高さが事業者に十分に認識され、民事裁判で参照されることなどによりまして、配置転換や嫌がらせも含めた不利益取扱いの抑止が期待をされると考えているところであります。

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