内野宗揮法務省大臣官房審議官

2025年5月22日・第217回国会 参議院 国土交通委員会 第15号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 191 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 217 発言)

お答え申し上げます。

お尋ねは、分譲事業者と買主であります区分所有者との間の売買契約の契約不適合責任に基づく損害賠償請求権を念頭に置かれているものと理解しております。

この損害賠償請求権は、売主である分譲事業者と買主である区分所有者との間の契約関係により、買主が取得する損害賠償請求権でありまして、区分所有権や共有部分に係る持分権とは別個の債権であります。

このような区分所有権等とは別個の財産権である損害賠償請求権について、区分所有権等の譲渡に伴い、区分所有者の意思にかかわらずに、その処分や移転を一律に強制する特別な規律を設けることは、財産権の保障等との観点から、その必要性、合理性について特に慎重な検討が必要であると考えております。

また、仮にそのような規律を設けるといたしますと、例えば、共用部分に瑕疵があった場合、ひとまず管理組合において修繕を行うこともあると考えられますところ、修繕費用を負担した旧区分所有者から現区分所有者に当該損害賠償請求権が移転をしてしまい、修繕費用を負担した旧区分所有者が損害賠償金からの回収ができないという不合理な事態が生じかねないと考えられるところであります。

そのため、本改正法案では、区分所有権の譲渡がされた場合に、その譲渡人が有していた共用部分に係る損害賠償請求権を譲受人に当然に移転させる規律を設けることとはしておりません。

他方で、委員の御指摘は、現区分所有者におきまして建物の修繕費用をしっかりと確保しようと、こういう趣旨であるというふうに理解しております。

そのような観点からは、あらかじめ規約や集会の決議において、共用部分について生じた損害賠償金について、個別的受領を制限し、共用部分の修繕に用いるとしてその使途を定めておくことで、旧区分所有者の損害賠償金を建物の修繕に充てることも可能であると考えております。

法務省としては、各マンションの実情に応じて対応していただけるよう、国土交通省との緊密な連携を図りながら、標準管理規約について損害賠償金の使途の制限等の定めを含むものに速やかに改定をし、その周知徹底を図るなどしてまいりたいと考えているところでございます。

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