森本真治 (立憲民主党)

2025年6月12日・第217回国会 参議院 厚生労働委員会 第21号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 249 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 255 発言)

私は、ただいま可決されました社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する等の法律案に対し、自由民主党、立憲民主・社民・無所属及び公明党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。

案文を朗読いたします。

社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する等の法律案に対する附帯決議(案)

政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。

一、企業規模要件の撤廃などの適用拡大に伴う経過措置として実施する、事業主が労使折半を超えて社会保険料を負担し、労使折半を超えて負担した社会保険料を制度的に支援する特例措置が円滑に行われるよう、必要な措置を講ずること。とりわけ、この特例措置が、事業主及び保険者に多大な事務負担を課すものとならないよう、システム改修等を含めた事務負担の軽減に配慮すること。また、被用者保険の適用拡大により保険料負担が増加する中小企業及び小規模企業者に対しては、政府が実施する各種の支援措置の十分な周知に努めること。

二、被用者保険の適用拡大により被用者保険に加入することとなる標準報酬月額の比較的低い短時間労働者の中には、国民年金の第一号被保険者から第二号被保険者になることで社会保険料の被保険者負担が軽減する者がいることから、被用者保険制度内で財源を賄うこととしている被用者保険の適用拡大に伴う経過措置として行われる事業主支援を一律に行うことは合理性に問題があるのではないかとの指摘があることを考慮しつつ、第一号被保険者の中には、就業調整をすることで被用者保険の加入を回避しようとする者や国民年金保険料の免除制度利用者など被用者保険に加入することに伴い社会保険料負担が増加する者もいることなどを踏まえ、支援を受ける中小企業及び小規模企業者の実務的な課題も整理しながら、支援の対象となる第二号被保険者の範囲について整理すること。

三、短時間労働者への被用者保険の適用拡大について、企業規模要件の撤廃を待つことなく早期に任意の適用を進めるための方策について検討を加え、必要な措置を講ずるよう努めること。また、国民健康保険制度の在り方等に留意するとともに、雇用保険の加入要件が令和十年十月から週十時間以上になることなどを踏まえ、労働時間要件の週十時間以上への引下げ等、更なる短時間労働者の被用者保険への適用拡大について検討を加え、必要な措置を講ずること。

四、遺族厚生年金の見直しについては、見直しの対象者や給付への影響等の具体的内容に加えて、配慮が必要な者には有期給付の原則五年間の支給期間経過後に継続給付が行われること等について、国民への分かりやすい周知・広報を行い、不安の解消に努めること。

五、子どもの権利やジェンダー平等の観点から社会通念上妥当性を欠くことのないよう、遺族年金制度の見直しを引き続き検討すること。

六、障害年金の判定に際しては、恣意的な判定がなされないように透明性を確保するための検討を行い必要な措置を講ずること。併せて、「精神の障害に係る等級判定ガイドライン」を踏まえ、就労継続支援B型事業所又は障害者雇用で働く者等について、就労していても、その状況等を考慮し、二級などの可能性がないかを検討した上で等級を判断すること。また、障害年金制度については、医学モデルのみならず社会モデルも踏まえて、機能障害のみならず、日常生活の状況等を把握した上で障害等級の認定を行うこと。

七、低所得者及び中堅所得者の高齢期における所得の確保を図るための方策を検討し、その結果に基づいて必要な措置を講ずること。また、高額所得による老齢基礎年金の国庫負担相当分の支給停止について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずること。

八、老齢基礎年金と老齢厚生年金の給付水準の調整を同時に終了するために必要な措置及び当該措置により老齢基礎年金と老齢厚生年金の合計額が減少する者への影響を緩和するために必要な措置を講ずるに当たっては、その安定した財源を確保するための方策について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずること。

九、次期財政検証では、四十年を超えた厚生年金被保険者期間の基礎年金における取扱いを含め、基礎年金の四十年から四十五年への拠出期間の延長について、その実施に伴う安定した財源の確保も含めて速やかに検討し、その結果を踏まえ必要な措置を講ずること。

十、第三号被保険者制度の在り方の見直しについては、国民的な議論に資するような実情に関する調査研究を行うこととし、調査研究に当たっては、現行制度に関わる当事者の意見を聴取するよう努めること。

十一、年金制度改革は五年に一度の財政検証後に遅滞なく行うことを検討すること。

十二、次期財政検証に当たっては、今回の財政検証の前提は楽観的過ぎるとの指摘を踏まえ、出生率、経済成長、女性の社会進出などについてより厳しい前提で検証を行い、その結果を踏まえ必要な措置を検討するとともに、令和二年法改正時の附帯決議で指摘があったように、全要素生産性上昇率や実質賃金上昇率の長期の前提について足下の状況を踏まえ、現実的かつ多様な経済前提の下での結果を示すこと。

十三、次期年金制度改正に向けては、年金制度が国民生活に深く関わるものであるという認識の下、広く国民的な議論を喚起するような進め方について工夫すること。

十四、年金制度の基本的な仕組みや本法の趣旨及び内容について、国民への分かりやすい周知・広報を行うとともに、学校教育段階での年金制度を含むワークルール教育の推進について取組の強化を行うこと。

十五、日本国内にある約百八十か国・地域の外国公館(大使館・領事館など)で働く日本採用の労働者の多くが長年にわたって被用者保険に加入していない状況を踏まえ、被用者保険の適用について、本件に係る昭和三十年厚生省通知の見直しや、被用者保険を強制適用にすることも含めて検討し、その結果に基づき、関係省庁等との調整を行った上で速やかに必要な措置を講ずること。

右決議する。

以上でございます。

何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

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