天畠大輔 (れいわ新選組)

2025年5月29日・第217回国会 参議院 厚生労働委員会 第16号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 242 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 267 発言)

代読します。

御答弁いただいた法律の趣旨に照らせば、本件は合理的配慮の提供義務を怠っており、建設的対話の重要性を現場が理解していなかったことは明白です。

ここで分かることは三点です。

一点目は、SNSでの反応が示すように、障害者への合理的配慮は社会に浸透しているとは言い難く、いまだにわがままとか特別扱いだと捉える人がたくさんいることです。

私もよく映画館に行きますが、車椅子席は前方に配置されていることが多く、スクリーンを長時間見上げるのは首への負担が大きいです。なので、席に移乗できるのであれば、自分の好きな席で見たいと思うのは、わがままではなく、当たり前の願いだと思います。

二点目は、たとえ合理的配慮の内容について対応が難しいケースでも、代替案の提示など合意できる一致点を探る建設的対話が法令上求められているわけですが、その意識がいまだ醸成されていないことです。

昨年四月八日付けの朝日新聞の記事によれば、この方が問題の映画館を利用したのは四回目で、過去三回は同じ合理的配慮を受けられたそうです。仮にそのとき対応が難しかったとしても、その理由の丁寧な説明や代替案の提示などの対話がまず先であり、利用の拒否は明らかな差別です。

三点目は、内閣府が先ほど答弁で触れていた、過重な負担が合理的配慮を断る言い訳に使われる懸念があることです。

これは記事の中で日本障害者協議会の藤井克徳代表も言及されています。この事例では、スタッフの時間がないという理由で利用を断ったわけですが、その後の話合いで劇場内のスロープ設置や車椅子スペースの増設につながったそうです。ここでも建設的対話の重要性が分かるかと思います。対話なしに過重な負担だから断るということが不当にカスハラ扱いすることにも発展しかねないと考えます。このような状況において、障害者差別解消法で合理的配慮の提供が義務付けられているから問題ない、大丈夫だと自信を持って言えるでしょうか。

障害当事者団体のDPI日本会議は、昨年十一月にカスハラ対策の法制化に当たっての要望書を厚生労働大臣宛てに提出しています。社会的障壁の除去を求めること等はカスタマーハラスメント行為に当たらないと明記すること、合理的配慮の提供義務の遵守については合理的配慮の具体例を列記して周知することなどを求めています。

やはり、カスハラ対策を進める上で、正当な権利要求との線引きを明確化することが極めて重要です。この法文からそのメッセージが明確には読み取れません。大臣、障害者の権利要求が萎縮しないよう、差別が生まれないよう国がしっかり指針を示していく重要性を認識されているか、明確にお答えください。

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