小西洋之 (立憲民主党)

2025年4月2日・第217回国会 参議院 憲法審査会 第1号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 40 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 42 発言)

緊急集会について意見します。

我が会派は、これまで任期延長改憲の理由である緊急集会、平時の制度、七十日間限定、二院制の例外の主張について、戦後議会で確立し、二〇一四年六月の本審査会附帯決議に明記の法令解釈のルール、当該法令の規定の文言、趣旨等に即しつつ、立案者の意図や立案の背景となる社会情勢等を考慮し、論理的に確定されるべきものを満たすのか、その論証の文書提出を求めてまいりました。いまだ提出はありません。

一方、衆議院では、この法令解釈のルールが関知されることもなく、去る三月二十七日の衆議院憲法審では、当方の指摘を受けて、衆議院法制局が、参議院憲法審では何度も議論されてきた緊急集会の立法事実の根幹、災害対処等に関するGHQとの交渉記録三ページ余りを初めて追加し、また、一見学説紹介のように見える、平時の制度にすぎないとの意見もありとの不可解な記述を削除するなどに至りました。

なお、この度、衆法、衆院では、五十四条一項の四十、三十日の規定が二項以下の緊急集会の開催期限を法的に制限するという連関構造説なるものが唱えられています。

しかし、これについては、五十四条一項の四十、三十は、比較法的にも解散時の内閣の居座り排除の規定、GHQとの議論でのナショナルエマージェンシーという深刻な国家緊急事態をも想定した立法事実、そして、条文技術的に現行の五十四条二項、三項に置かれたという立法経緯等に照らし、連関構造説なるものは法令解釈とは言えない暴論と考えます。このことは、長谷部、土井両教授も本審査会で明確に解釈論として無理があると答弁くださいました。

また、憲法制定議会の金森担当大臣の答弁においては、緊急集会は、全体の改選期がある衆議院を定めた我が国の二院制において、国会制度の趣旨を徹底して実行する、すなわち衆議院不在の不便を補う合理的な制度として創設されたことが明確に説明されています。要するに、緊急集会は、両院同時活動が論理必然的に不可能な場合のある我が国の二院制の機能を補う、つまり二院制を補完するための制度であり、二院制の例外制度ではありません。衆参改憲派の主張は本末転倒極まりないものと言うほかありません。

なお、二十七日の衆議院憲法審では、金森大臣のこの説明答弁の中での解散後の七十日は国会を開けない状況になるとの箇所を七十日間限定説の根拠としていますが、そうした解釈は金森大臣が丁寧に論じる二院制の補完機能という緊急集会の根本趣旨に反する典型的な言語道断の切取り解釈です。

法令解釈のルールに基づくあるべき解釈論としては、金森大臣の、どんなに精緻な憲法を定めても、口実を付け込まれ、破壊されるおそれが絶無とは断言し難いとの戦前の反省に基づく緊急集会採用の根本趣旨、さらには、国会と国民の表裏一体化を確保する観点からは不便が起きることはやむを得ないと明確に衆議院議員の任期延長を憲法の制度設計として否定していること、さらには、五十四条三項が有する地上最大の政治的パワーともいうべき一刻も早い総選挙を実施させる復元力、レジリエンスとその後の衆議院の厳格な同意制度からは、七十日限定説を法令解釈と認める余地は全くあり得ません。

緊急集会について、法の支配、立憲主義、憲法の基本原理に基づく議論を求めつつ、先ほどの佐藤筆頭幹事の良識の府の参議院の矜持あふれる緊急集会の意見表明に深い敬意を表しつつ、私の意見とさせていただきます。

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