伊藤孝江 (公明党)

2025年3月12日・第217回国会 参議院 議院運営委員会 第7号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 55 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 72 発言)

公明党の伊藤孝江です。茶谷参考人、どうかよろしくお願いいたします。

まず、公正取引委員会の取組のうち、適正な価格転嫁の実現という点で、特に建設業界に関するものについて御所見等お伺いしたいと思います。

昨年三月、岸田総理が、建設業界との意見交換会で、五%上回る賃上げの協力を求めました。これに併せて、総理は、賃上げの実効性を確保するための施策として、昨年、多重下請構造になっている建設業界の各段階において適切に支払うべき労務費が確保されるように、標準労務費という新たな概念を盛り込んだ建設業法等の改正を行っております。ただ、この改正法は来年一月からの施行のため、今年一年間は標準労務費が適用されず、従来の相場観で労務費が据え置かれ、賃金の引上げにつながらない可能性があります。

また、来年から施行されても、建設業における専門職が多岐にわたり、一度に全職種に標準労務費を設定できないため、当分の間、多くの職種で標準労務費が示されない状態が続くことで、賃上げが進まないということも予想がされます。ただ、これでは岸田総理が協力を要請した五%の賃上げというのがおぼつかないという状況です。

公正取引委員会ホームページの独禁法QアンドAには、労務費等のコスト上昇分の取引価格への反映の必要性について、価格の交渉の場において明示的に協議することなく取引価格を据え置くこと、また、価格転嫁をしない理由を書面、電子メール等で取引の相手方に回答することなく取引価格を据え置くことは、優越的地位の濫用として問題となるおそれがあるとの説明がなされております。

これは非常に重要な指摘だと思いますけれども、実際の建設業の現場で協議することなく取引価格を据え置かれることもこれまでは当たり前という状況でもあったでしょうし、また、取引価格の引上げをできない理由を書面やメールで回答するということもまずないというのが現実かと思います。これでは、建設業では優越的地位の濫用とみなされるような行為が日常的に行われているのではないかとも考えられます。

そこで、まず一点目、参考人にお伺いをいたします。

参考人におかれては、まず、このような建設業界の実態を強く認識をしていただきたいと思いますけれども、そもそも優越的地位の濫用という点で、独禁法の目指す理想と現実との乖離について、参考人御自身の御認識はいかがでしょうか。

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