茶谷栄治でございます。
本日は、所信を述べる機会をいただきまして、誠にありがとうございます。厚く御礼を申し上げます。
まず、公正取引委員会委員長の任務についての認識を述べさせていただきます。
公正取引委員会が所管しております独占禁止法は、公正かつ自由な競争を促進し、事業者の創意を発揮させ、事業活動を盛んにし、雇用及び国民実所得の水準を高めて、もって一般消費者の利益を確保するとともに、国民経済の民主的で健全な発展を促進することを目的としております。
公正取引委員会の任務はこの目的を達成することであり、そのトップである委員長には、ほかにも増して、国民全体の奉仕者である国家公務員としての強い自覚を持ち、国民の皆様や関係各方面の御意見を伺いつつ、公正中立に職務を遂行していくことが求められていると考えております。
次に、取り組むべき施策の基本的な方向についての考えを申し述べたいと思います。
グローバル化やデジタル化など、進展など、我が国を取り巻く経済社会が急速に変化する中で、我が国は、人口減少、少子高齢化という大きな課題を抱えています。また、日本経済が、長きにわたったコストカット型経済から、デフレに後戻りせず、賃上げと投資が牽引する成長型経済に移行するとともに、構造的な、継続的な賃上げを実現するためには、企業の生産性を引き上げ、付加価値を高めることが喫緊の課題であると認識しております。
こうした中、公正かつ自由な競争を促進し、活発なイノベーションを引き出す環境をつくることで、我が国経済の活性化を図り、消費者の利益を確保していくことが極めて重要であると考えております。また、公正な競争が担保された市場の機能を通じて適正な分配が行われ、成長と分配の好循環、これを実現するためにも、競争政策の果たす役割は大きいものがあると考えております。そして、公正かつ自由な競争を確保する公正取引委員会の役割は、我が国経済の成長、発展と社会の活力を維持する上で極めて重要なものであると認識しております。
具体的な施策としまして、五点申し上げたいと思います。
まず第一に、厳正かつ的確な独占禁止法の執行を行っていくことが重要であると考えております。独占禁止法が禁じる競争制限的な行為に厳正に対処していくことは、経済の活性化、消費者の利益に資するものであります。したがいまして、国民生活に密接に関連する商品、サービスの価格カルテル事件や入札談合事件などに厳正に対処していくとともに、合併等の企業結合事案につきましては、迅速かつ的確な審査を進めていく必要があると考えております。
第二に、中小企業にとって事業環境が厳しい中、公正な取引環境を確保する観点から、中小企業に不当な不利益を与える優越的地位の濫用や、不当廉売などの不公正な取引方法や下請法違反行為などに厳正かつ積極的に対処するとともに、違反行為を未然に防止していくための施策を実施していくことが重要であると考えております。
特に、中小企業を含め持続的、構造的な賃上げを実現するためには、労働生産性の向上とともに、取引の適正化を通じた労務費などコスト上昇分の円滑な価格転嫁が不可欠であると認識しております。公正取引委員会は、一昨年の十一月に、内閣官房とともに労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針を公表して以降、その周知徹底やフォローアップに取り組んでいると承知しています。引き続き、関係省庁と緊密に連携し、この指針の周知徹底を進めるとともに、優越的地位の濫用や下請法違反行為に対しては厳正に対処していく必要があると考えております。
また、昨年十一月に、フリーランス・事業者間取引適正化等法が施行されました。フリーランスに係る取引の適正化が図られるよう、同法の普及啓発及び迅速かつ適切な法執行を行っていく必要があると考えております。
第三に、日本経済が引き続き成長を維持し、社会の活力を保っていくためには、デジタル経済の進展、グリーン社会の実現など、経済社会の変化に的確に対応して競争環境を整備し、イノベーションを引き出していくことが重要であると考えております。
デジタル分野につきましては、実態把握を引き続き行い、独占禁止法上の問題点や競争政策上の考え方の整理を行っていくほか、デジタルプラットフォーム事業者による反競争的な行為には厳正に対処していく必要があると考えております。また、本年十二月までに全面施行されるスマホソフトウェア競争促進法については、円滑に施行されるよう着実な準備を行った上で、実効的な法運用を行っていくことが求められていると認識しております。
さらに、デジタル以外の分野につきましても、公正取引委員会は、事業者のGXに向けた取組を競争政策サイドから後押しするためにグリーンガイドラインを公表するなど、積極的に対応していると承知しています。引き続き、様々な経済社会の動きやビジネスの実態を捉えながら、各種提言、ガイドラインの策定等を行うことで競争環境を整備していく必要があると考えます。
第四に、国際的な連携の推進も重要です。デジタル経済が進展する中で、ビッグテックを始め、事業者の活動は国境を越えてグローバルに広がっており、企業結合、反競争的な活動への対応など、デジタル市場における競争上の懸念に対処するため、競争法の執行と競争政策の推進の両面において、海外競争当局と国際的な連携協力をする必要が一層高まっていると認識しております。
最後に、これまで述べました具体的な施策を着実に実施し、公正取引委員会に期待される役割を的確に果たしていくためにも、質、量の両面から公正取引委員会の体制強化を図っていく必要があると考えております。
両院の御同意をいただくことができまして、公正取引委員会委員長に任ぜられました暁には、その職責をしっかりと認識し、国権の最高機関である国会における御議論を始め、様々な御意見に耳を傾けながら、公正取引委員会の使命を達成すべく、他の委員とともに力を尽くしてまいる所存でございますので、よろしく御指導賜りますようお願い申し上げます。
以上、私の所信を述べさせていただきました。
本日は、このような機会を与えていただき、誠にありがとうございます。
11
牧野たかお(自民)
ただいまから議院運営委員会を再開いたします。
まず、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
公正取引委員会委員長の任命同意に関する件のため、本日の委員会に参考人として公正取引委員会委員長候補者・みずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社理事長茶谷栄治君の出席を求め、所信を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言のページ
12
牧野たかお(自民)
御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────
この発言のページ
13
牧野たかお(自民)
次に、公正取引委員会委員長の任命同意に関する件を議題といたします。
候補者から所信を聴取いたします。茶谷栄治君。
この発言のページ
- (上の発言)
14茶茶谷栄治公正取引委員会委員長候補者/みずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社理事長
茶谷栄治でございます。
本日は、所信を述べる機会をいただきまして、誠にありがとうございます。厚く御礼を申し上げます。
まず、公正取引委員会委員長の任務についての認識を述べさせていただきます。
公正取引委員会が所管しております独占禁止法は、公正かつ自由な競争を促進し、事業者の創意を発揮させ、事業活動を盛んにし、雇用及び国民実所得の水準を高めて、もって一般消費者の利益を確保するとともに、国民経済の民主的で健全な発展を促進することを目的としております。
公正取引委員会の任務はこの目的を達成することであり、そのトップである委員長には、ほかにも増して、国民全体の奉仕者である国家公務員としての強い自覚を持ち、国民の皆様や関係各方面の御意見を伺いつつ、公正中立に職務を遂行していくことが求められていると考えております。
次に、取り組むべき施策の基本的な方向についての考えを申し述べたいと思います。
グローバル化やデジタル化など、進展など、我が国を取り巻く経済社会が急速に変化する中で、我が国は、人口減少、少子高齢化という大きな課題を抱えています。また、日本経済が、長きにわたったコストカット型経済から、デフレに後戻りせず、賃上げと投資が牽引する成長型経済に移行するとともに、構造的な、継続的な賃上げを実現するためには、企業の生産性を引き上げ、付加価値を高めることが喫緊の課題であると認識しております。
こうした中、公正かつ自由な競争を促進し、活発なイノベーションを引き出す環境をつくることで、我が国経済の活性化を図り、消費者の利益を確保していくことが極めて重要であると考えております。また、公正な競争が担保された市場の機能を通じて適正な分配が行われ、成長と分配の好循環、これを実現するためにも、競争政策の果たす役割は大きいものがあると考えております。そして、公正かつ自由な競争を確保する公正取引委員会の役割は、我が国経済の成長、発展と社会の活力を維持する上で極めて重要なものであると認識しております。
具体的な施策としまして、五点申し上げたいと思います。
まず第一に、厳正かつ的確な独占禁止法の執行を行っていくことが重要であると考えております。独占禁止法が禁じる競争制限的な行為に厳正に対処していくことは、経済の活性化、消費者の利益に資するものであります。したがいまして、国民生活に密接に関連する商品、サービスの価格カルテル事件や入札談合事件などに厳正に対処していくとともに、合併等の企業結合事案につきましては、迅速かつ的確な審査を進めていく必要があると考えております。
第二に、中小企業にとって事業環境が厳しい中、公正な取引環境を確保する観点から、中小企業に不当な不利益を与える優越的地位の濫用や、不当廉売などの不公正な取引方法や下請法違反行為などに厳正かつ積極的に対処するとともに、違反行為を未然に防止していくための施策を実施していくことが重要であると考えております。
特に、中小企業を含め持続的、構造的な賃上げを実現するためには、労働生産性の向上とともに、取引の適正化を通じた労務費などコスト上昇分の円滑な価格転嫁が不可欠であると認識しております。公正取引委員会は、一昨年の十一月に、内閣官房とともに労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針を公表して以降、その周知徹底やフォローアップに取り組んでいると承知しています。引き続き、関係省庁と緊密に連携し、この指針の周知徹底を進めるとともに、優越的地位の濫用や下請法違反行為に対しては厳正に対処していく必要があると考えております。
また、昨年十一月に、フリーランス・事業者間取引適正化等法が施行されました。フリーランスに係る取引の適正化が図られるよう、同法の普及啓発及び迅速かつ適切な法執行を行っていく必要があると考えております。
第三に、日本経済が引き続き成長を維持し、社会の活力を保っていくためには、デジタル経済の進展、グリーン社会の実現など、経済社会の変化に的確に対応して競争環境を整備し、イノベーションを引き出していくことが重要であると考えております。
デジタル分野につきましては、実態把握を引き続き行い、独占禁止法上の問題点や競争政策上の考え方の整理を行っていくほか、デジタルプラットフォーム事業者による反競争的な行為には厳正に対処していく必要があると考えております。また、本年十二月までに全面施行されるスマホソフトウェア競争促進法については、円滑に施行されるよう着実な準備を行った上で、実効的な法運用を行っていくことが求められていると認識しております。
さらに、デジタル以外の分野につきましても、公正取引委員会は、事業者のGXに向けた取組を競争政策サイドから後押しするためにグリーンガイドラインを公表するなど、積極的に対応していると承知しています。引き続き、様々な経済社会の動きやビジネスの実態を捉えながら、各種提言、ガイドラインの策定等を行うことで競争環境を整備していく必要があると考えます。
第四に、国際的な連携の推進も重要です。デジタル経済が進展する中で、ビッグテックを始め、事業者の活動は国境を越えてグローバルに広がっており、企業結合、反競争的な活動への対応など、デジタル市場における競争上の懸念に対処するため、競争法の執行と競争政策の推進の両面において、海外競争当局と国際的な連携協力をする必要が一層高まっていると認識しております。
最後に、これまで述べました具体的な施策を着実に実施し、公正取引委員会に期待される役割を的確に果たしていくためにも、質、量の両面から公正取引委員会の体制強化を図っていく必要があると考えております。
両院の御同意をいただくことができまして、公正取引委員会委員長に任ぜられました暁には、その職責をしっかりと認識し、国権の最高機関である国会における御議論を始め、様々な御意見に耳を傾けながら、公正取引委員会の使命を達成すべく、他の委員とともに力を尽くしてまいる所存でございますので、よろしく御指導賜りますようお願い申し上げます。
以上、私の所信を述べさせていただきました。
本日は、このような機会を与えていただき、誠にありがとうございます。
15
牧野たかお(自民)
以上で候補者の所信の聴取は終了いたしました。
これより候補者に対する質疑を行います。
質疑を希望される方は、挙手の上、委員長の指名を受けてから御発言いただくようお願いいたします。
なお、質疑及び答弁の際は着席のままで結構でございます。
それでは、質疑のある方は順次御発言を願います。
この発言のページ
16
石橋通宏(立憲)
立憲民主・社民・無所属の石橋です。
茶谷参考人、今日は所信陳述ありがとうございました。
早速質問に入らせていただきたいと思うのですが、今所信で述べていただいた様々な課題、おっしゃるとおりだと思います。公正取引委員会の極めて重要な役割、我が国における健全な競争政策、独占の禁止、濫用の防止、こういったことが、これ、ひいて目的は、法の一条にも記載されておりますけれども、結局、国民の雇用の安定、さらには所得の向上、それがやっぱり国民生活を豊かにすることがまさにその目的であるはずです。
とすれば、裏返せば、極めて残念ながらですけれども、よく我々失われた三十年…
この発言のページ
17茶茶谷栄治公正取引委員会委員長候補者/みずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社理事長
まさに公正取引委員会の目的、独禁法の目的というのは、先生おっしゃったとおり、第一条に書かれております。
日本というのは元々自由経済の社会ですので、その需給の調整というのは市場のメカニズムに委ねて、そこで決まってくる需給を受けて事業者が価格をどうするかという、そこは自由な判断に基本的には任せると。そういうことを一応前提とした上で、その事業者の自由な決定というのを阻害する行為があればこれに厳正に対処していくと。これが公正取引委員会の一義的な職責だと思いますし、これ自体はもう、公正取引委員会、昭和二十二年に創設されて以来、それぞれの職員の方というのは熱心に職…
この発言のページ