今、最後の方で日銀総裁からは、日銀の財務の内容によって金融政策の遂行が妨げられることはないというような答弁がありました。これに関して、パネルの三を見ていただきたいと思います。
これは、昨年の暮れ、日銀が異次元金融緩和以来続いてきた超低金利と国債の大量保有を見直して金融政策を正常化していった場合、日銀の収益と自己資本にどのような影響が及ぶかという試算を出したわけです。
私はこれを見て、二つのことがちょっと欠けていると思いました。一つは、試算の前提である国債保有の減額のペースが遅いということ、もう一つは、試算の前提として、年間一兆円を上回るETFの分配金を、今後もずっと入ってくるということを当てにしている。この二つが問題だと思って、そうしたことをちゃんと加味した上の試算というものを出し直してほしいとお願いしたところ、このパネルの三が出てきたわけです。
ちょっと御説明しますと、ブルーの面積というか図形の部分が、ブルーのシャドーがかかっている部分が元々日銀が出したものです。これを見ていただくと、収益的には一時落ち込むんですが、右側の自己資本、ゼロという横のラインがありますけれども、御覧になっていただけると分かるとおり、ゼロを下回ることはないんですね。ということはどういうことか。すなわち、債務超過になることはないという試算になっています。
ところが、私が出し直してもらった試算、これが赤の実線や点線の部分です。下の方に行っている線を見ると、債務超過、一番最悪のときで六兆円程度の債務超過になる。これはETFを処分した、その結果です。処分したというか、売り切るというわけではなくて、配当金をずっと日銀がもらい続ける、そういう前提をなくすると、これだけの債務超過になるわけです。
やはり、それを考えると、ETFはずっと持ち続けてしまうのではないかと思うのですが、先ほど城井委員からも説明があったとおり、我々は、ETFは本来、日銀が異次元金融緩和を終えたならば速やかに政府なりに移管して、国民のために還元すべきものだというふうに考えております。
先ほど日銀総裁がおっしゃったように、ちゃんと、日銀の財務内容とかを勘案せずに、金融政策を正常化していくというのであれば、速やかにETFは政府に移管して、国民のために使うというようなことを考えるべきだと思うんですが、この点いかがでしょうか。
207
石破茂(自民)内閣総理大臣
金融政策は為替の誘導を目的とはいたしておりません。そのことは階委員よく御案内のとおりでございます。
私どもとして、日銀とよく協調、連携をしながらやってまいりますが、安定的なという枕言葉がつきますが、物価上昇は必要なものだと思っております。物価が安くてうれしいなということが一時的にはございましても、それがあのデフレという恐ろしいものが長期化したということの反省は、私どもは持たねばならないと思います。
この発言のページ
208
階猛(立憲)
私どもも、別にデフレをよしとするわけではありません、プラス領域でいいと思っております。ただ、その上で、先ほど来申し上げている円安による物価の行き過ぎ、これは何とかしなくちゃいけないんだという思いで質問していました。
日銀総裁からは、私もよく、重々承知しておりますけれども、金融政策は為替を意識するものではないという御答弁があったり、また、為替の水準が物価に影響を及ぼすというようなお話もありました。それはそうなんですけれども、これから、円安を止めようと思えば、日銀が金融政策を正常化していくということが必要になってくると思います。
ただ、この金融政策を正常…
この発言のページ
209植植田和男日本銀行総裁
私どもは、先行きの政策運営について、経済、物価の私どもの見通しが実現していくとしますと、それに応じて引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和度合いを調整していくという考え方は明確に示してきております。こうした日本銀行の考え方は、マーケットにもしっかりと伝わっていると考えております。
私どもの政策の目的はあくまでも物価の安定でありまして、これが、政府による財政資金の調達支援や日本銀行の財務への配慮のために、必要な政策の遂行が妨げられることはないと考えております。
この発言のページ
- (上の発言)
210
階猛(立憲)
今、最後の方で日銀総裁からは、日銀の財務の内容によって金融政策の遂行が妨げられることはないというような答弁がありました。これに関して、パネルの三を見ていただきたいと思います。
これは、昨年の暮れ、日銀が異次元金融緩和以来続いてきた超低金利と国債の大量保有を見直して金融政策を正常化していった場合、日銀の収益と自己資本にどのような影響が及ぶかという試算を出したわけです。
私はこれを見て、二つのことがちょっと欠けていると思いました。一つは、試算の前提である国債保有の減額のペースが遅いということ、もう一つは、試算の前提として、年間一兆円を上回るETFの分配金を、今後もずっと入ってくるということを当てにしている。この二つが問題だと思って、そうしたことをちゃんと加味した上の試算というものを出し直してほしいとお願いしたところ、このパネルの三が出てきたわけです。
ちょっと御説明しますと、ブルーの面積というか図形の部分が、ブルーのシャドーがかかっている部分が元々日銀が出したものです。これを見ていただくと、収益的には一時落ち込むんですが、右側の自己資本、ゼロという横のラインがありますけれども、御覧になっていただけると分かるとおり、ゼロを下回ることはないんですね。ということはどういうことか。すなわち、債務超過になることはないという試算になっています。
ところが、私が出し直してもらった試算、これが赤の実線や点線の部分です。下の方に行っている線を見ると、債務超過、一番最悪のときで六兆円程度の債務超過になる。これはETFを処分した、その結果です。処分したというか、売り切るというわけではなくて、配当金をずっと日銀がもらい続ける、そういう前提をなくすると、これだけの債務超過になるわけです。
やはり、それを考えると、ETFはずっと持ち続けてしまうのではないかと思うのですが、先ほど城井委員からも説明があったとおり、我々は、ETFは本来、日銀が異次元金融緩和を終えたならば速やかに政府なりに移管して、国民のために還元すべきものだというふうに考えております。
先ほど日銀総裁がおっしゃったように、ちゃんと、日銀の財務内容とかを勘案せずに、金融政策を正常化していくというのであれば、速やかにETFは政府に移管して、国民のために使うというようなことを考えるべきだと思うんですが、この点いかがでしょうか。
211植植田和男日本銀行総裁
委員が想定されましたような厳しいケースを念頭に置き、さらに、ETFの分配金を日本銀行は受け取らないという場合には、その分、日本銀行の収益は下振れ、場合によっては自己資本がマイナスになるというケースもあり得るという計算結果でございます。
ただ、申し上げたいのは、その場合でも、時間がたてば自己資本は元に戻ってくるという姿であるということと、自己資本がマイナスの間でも正常なオペレーション、金融政策のオペレーションは続けることができる。
ただし、中央銀行の財務リスクに注目が当たって金融政策をめぐる無用の混乱が生じる場合には、そのことが日本銀行に対する信認の低…
この発言のページ
212
階猛(立憲)
ETFは持ち続けるんですか、そうすると。そこだけ、結論をお願いします。
この発言のページ
213植植田和男日本銀行総裁
私ども保有のETFについてどうするかについては、以前より申し上げてございますように、時間をかけてその方法を決めたいというふうに考えているところでございます。
この発言のページ