自由民主党の松島みどりです。
自由民主党・無所属の会を代表して、ただいま議題となりました下請代金支払遅延等防止法及び下請中小企業振興法の一部を改正する法律案について質問いたします。(拍手)
私は、従業員が十人足らずの町工場が集まる東京下町の議員として、二〇〇〇年の初当選以来、下請いじめは許さない、これを信条としてまいりました。
今回の法改正は、画期的なものだと評価いたします。今後、分かりやすい言葉で広報すること、そして違反した業者に対して効果のある適切な対応を取ることが必要であります。
これらの法案は、製造業だけでなく、運送業、警備業、ビルメンテナンス、清掃会社、そしてシステムエンジニアやプログラマーなど、元請である大手が同業の中小・小規模事業者に仕事を回すことが多いサービス業にも当てはまります。また、アニメや漫画の制作、テレビ番組やショービジネスにおける撮影、照明、音響、舞台装置、小道具といった芸術文化の分野にも関わっています。さらに、中小企業、小規模事業のほか、個人事業主やフリーランスも保護の対象になります。事業者の従業員も含めれば、何千万人という国民が関係し、賃金の引上げにつながる法律であります。
最大の改正点は、手形の廃止だと思います。
私は、経済産業副大臣を務めた二〇一三年以来、製品やサービスの代金支払いが何か月も先になる約束手形の廃止を目指してまいりました。そのかいあって、政府は、二〇二一年に、二六年までに廃止との方針を決め、今回の改正案では、手形の廃止がやっと明記されました。非常に感慨深いものがあります。十年ほど前は、中小・小規模製造業の社長さんたちでさえ、長年の慣習だから手形廃止なんて無理だよと、そのように諦めていたのですから。
約束手形は、資金不足の中、戦後、大企業の設備投資を優先するため、中小の取引先に負担を強いる形、泣かせる形で生まれてきた商慣習であります。
公正取引委員会は、昭和四十一年、繊維業では九十日を超える期間の手形を、その他の業種では百二十日を超える手形を下請法違反と定めました。言い換えれば、下請法が、そこまでは支払いを先延ばしてよいというお墨つきを与え、その後、資金不足が解消された後も、平成、令和に至るまで六十年近くの間、それが続いたのです。昨年十一月、やっと、期間が六十日を超える手形を下請法違反として行政指導することになりました。
紙の手形については、この法改正とは関係なく、金融機関が既に取扱廃止を決めています。しかし、依然として、電子記録債権といった電子の手形は残ることになります。改正法案は分かりづらい表現ですが、簡単に言うと、電子記録債権の場合も、当月末締め、翌月末までの支払いとして、六十日以内のできるだけ早い時期に一〇〇%現金化するということでよろしいでしょうか。
また、金融機関の振り込み手数料を受注者に負担させるという問題があります。すなわち、代金から振り込み手数料を差し引いた金額しか振り込んでくれないケースが多々あると、下請事業者の方々から嘆きの声を聞きます。この法律改正を機に、運用基準を改め、振り込み手数料は発注者が負担すると規定すべきだと考えます。
以上、伊東大臣に伺います。
また、改正案では、資本金による区分だけでなく、従業員が三百人を超える発注者も規制対象に加わります。しかし、その対象以外の、例えば従業員五十人の製造業が、社長を含め五、六人でやっているような小規模事業者に対し、この法案で禁じられている内容の下請いじめをするケースも広く見られます。
こうした中小企業同士の取引に対し、どのような政策を講じていくのか、武藤経済産業大臣に伺います。
ここ数年、物流の危機が叫ばれています。
改正案では、荷主と運送事業者の取引が新たに法律の対象となることを評価いたします。
ドライバーが、荷物を受け取るとき、さらに配達先で何時間も待たされたり、契約では運送業務だけなのに、行った先の店での陳列やラベル貼りまでさせられる事例もあります。
国土交通省は、一昨年夏から、貨物自動車運送事業法に基づき、トラック・物流Gメンを発足させましたが、今回、公正取引委員会が所管する改正下請法の対象に荷主と運送事業者の関係が加わったこと、また、所管大臣の指導権限が強化されたことで、どのように効果が上がるのか、中野国土交通大臣に伺います。
今、トランプ政権の関税措置により、日本経済は大きな局面に、大変な局面にあります。打撃を受ける大手メーカーのしわ寄せが、取引先の中小・小規模製造業にまで、あるいは運送業などにまで不当に及ぶことがないよう、そして、大企業と中小・小規模事業の賃金格差がこれ以上広がることのないよう、武藤大臣に御見解を伺います。
ところで、今回の改正案でも、発注者として対象にしているのは民間企業だけです。中小・小規模事業者からは、官公需、特に自治体との取引について苦情を聞くことがしばしばあります。公募入札で一旦価格が決まると、その後、最低賃金が引き上げられて人件費が上がっても、また原材料費が上がっても、落札価格は変更されないことが一般的です。人件費比率の高いビルメンテナンスや清掃業、警備業、また、紙など材料費がかさむ印刷業を中心に、多くの受注企業は苦しんでいます。
自治体が発注した際の価格転嫁について、村上総務大臣に対策を質問します。
今、企業社会の在り方について、働かせ過ぎやハラスメントなど、かつて当たり前のようになされてきたことにメスが入れられています。今回の下請法改正によって、取引構造においても強い立場、弱い立場という関係性をなくし、中小・小規模事業の従業員や個人事業主、フリーランスの人たちの収入が増えることを心より望みます。
ありがとうございました。(拍手)
〔国務大臣伊東良孝君登壇〕
14
額賀福志郎議長
この際、内閣提出、下請代金支払遅延等防止法及び下請中小企業振興法の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。国務大臣伊東良孝君。
〔国務大臣伊東良孝君登壇〕
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伊東良孝(自民)内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策・消費者及び食品安全・地方創生・アイヌ施策)
下請代金支払遅延等防止法及び下請中小企業振興法の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
我が国の雇用の七割を占める中小企業が物価上昇に負けない賃上げの原資を確保できるようにするため、サプライチェーン全体で適切な価格転嫁を定着させることが必要不可欠です。事業者間の対等な関係を推進して中小企業の取引の適正化を図るためには、協議を適切に行わない代金額の決定の禁止、規制及び支援の対象となる事業者の範囲の拡大等の措置を講ずる必要があるため、この法律案を提出した次第です。
次に、この法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。
第…
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16
額賀福志郎議長
ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。松島みどり君。
〔松島みどり君登壇〕
この発言のページ
- (上の発言)
17
松島みどり(自民)
自由民主党の松島みどりです。
自由民主党・無所属の会を代表して、ただいま議題となりました下請代金支払遅延等防止法及び下請中小企業振興法の一部を改正する法律案について質問いたします。(拍手)
私は、従業員が十人足らずの町工場が集まる東京下町の議員として、二〇〇〇年の初当選以来、下請いじめは許さない、これを信条としてまいりました。
今回の法改正は、画期的なものだと評価いたします。今後、分かりやすい言葉で広報すること、そして違反した業者に対して効果のある適切な対応を取ることが必要であります。
これらの法案は、製造業だけでなく、運送業、警備業、ビルメンテナンス、清掃会社、そしてシステムエンジニアやプログラマーなど、元請である大手が同業の中小・小規模事業者に仕事を回すことが多いサービス業にも当てはまります。また、アニメや漫画の制作、テレビ番組やショービジネスにおける撮影、照明、音響、舞台装置、小道具といった芸術文化の分野にも関わっています。さらに、中小企業、小規模事業のほか、個人事業主やフリーランスも保護の対象になります。事業者の従業員も含めれば、何千万人という国民が関係し、賃金の引上げにつながる法律であります。
最大の改正点は、手形の廃止だと思います。
私は、経済産業副大臣を務めた二〇一三年以来、製品やサービスの代金支払いが何か月も先になる約束手形の廃止を目指してまいりました。そのかいあって、政府は、二〇二一年に、二六年までに廃止との方針を決め、今回の改正案では、手形の廃止がやっと明記されました。非常に感慨深いものがあります。十年ほど前は、中小・小規模製造業の社長さんたちでさえ、長年の慣習だから手形廃止なんて無理だよと、そのように諦めていたのですから。
約束手形は、資金不足の中、戦後、大企業の設備投資を優先するため、中小の取引先に負担を強いる形、泣かせる形で生まれてきた商慣習であります。
公正取引委員会は、昭和四十一年、繊維業では九十日を超える期間の手形を、その他の業種では百二十日を超える手形を下請法違反と定めました。言い換えれば、下請法が、そこまでは支払いを先延ばしてよいというお墨つきを与え、その後、資金不足が解消された後も、平成、令和に至るまで六十年近くの間、それが続いたのです。昨年十一月、やっと、期間が六十日を超える手形を下請法違反として行政指導することになりました。
紙の手形については、この法改正とは関係なく、金融機関が既に取扱廃止を決めています。しかし、依然として、電子記録債権といった電子の手形は残ることになります。改正法案は分かりづらい表現ですが、簡単に言うと、電子記録債権の場合も、当月末締め、翌月末までの支払いとして、六十日以内のできるだけ早い時期に一〇〇%現金化するということでよろしいでしょうか。
また、金融機関の振り込み手数料を受注者に負担させるという問題があります。すなわち、代金から振り込み手数料を差し引いた金額しか振り込んでくれないケースが多々あると、下請事業者の方々から嘆きの声を聞きます。この法律改正を機に、運用基準を改め、振り込み手数料は発注者が負担すると規定すべきだと考えます。
以上、伊東大臣に伺います。
また、改正案では、資本金による区分だけでなく、従業員が三百人を超える発注者も規制対象に加わります。しかし、その対象以外の、例えば従業員五十人の製造業が、社長を含め五、六人でやっているような小規模事業者に対し、この法案で禁じられている内容の下請いじめをするケースも広く見られます。
こうした中小企業同士の取引に対し、どのような政策を講じていくのか、武藤経済産業大臣に伺います。
ここ数年、物流の危機が叫ばれています。
改正案では、荷主と運送事業者の取引が新たに法律の対象となることを評価いたします。
ドライバーが、荷物を受け取るとき、さらに配達先で何時間も待たされたり、契約では運送業務だけなのに、行った先の店での陳列やラベル貼りまでさせられる事例もあります。
国土交通省は、一昨年夏から、貨物自動車運送事業法に基づき、トラック・物流Gメンを発足させましたが、今回、公正取引委員会が所管する改正下請法の対象に荷主と運送事業者の関係が加わったこと、また、所管大臣の指導権限が強化されたことで、どのように効果が上がるのか、中野国土交通大臣に伺います。
今、トランプ政権の関税措置により、日本経済は大きな局面に、大変な局面にあります。打撃を受ける大手メーカーのしわ寄せが、取引先の中小・小規模製造業にまで、あるいは運送業などにまで不当に及ぶことがないよう、そして、大企業と中小・小規模事業の賃金格差がこれ以上広がることのないよう、武藤大臣に御見解を伺います。
ところで、今回の改正案でも、発注者として対象にしているのは民間企業だけです。中小・小規模事業者からは、官公需、特に自治体との取引について苦情を聞くことがしばしばあります。公募入札で一旦価格が決まると、その後、最低賃金が引き上げられて人件費が上がっても、また原材料費が上がっても、落札価格は変更されないことが一般的です。人件費比率の高いビルメンテナンスや清掃業、警備業、また、紙など材料費がかさむ印刷業を中心に、多くの受注企業は苦しんでいます。
自治体が発注した際の価格転嫁について、村上総務大臣に対策を質問します。
今、企業社会の在り方について、働かせ過ぎやハラスメントなど、かつて当たり前のようになされてきたことにメスが入れられています。今回の下請法改正によって、取引構造においても強い立場、弱い立場という関係性をなくし、中小・小規模事業の従業員や個人事業主、フリーランスの人たちの収入が増えることを心より望みます。
ありがとうございました。(拍手)
〔国務大臣伊東良孝君登壇〕
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伊東良孝(自民)内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策・消費者及び食品安全・地方創生・アイヌ施策)
松島みどり議員にお答えをいたします。
一点目、電子記録債権についてお尋ねがありました。
現行の下請法では、発注者に対し、発注した物品を受け取った日から六十日以内のできる限り短い期間内で代金の支払い期日を定める義務を課しております。
改正法案では、代金の支払い手段として、紙で交付する手形を禁止するとともに、お尋ねの電子記録債権などについても、定められた支払い期日までに代金の満額の現金と引き換えることが困難なものは使用を禁止することといたしております。
二点目に、振り込み手数料の負担についてお尋ねがありました。
公正取引委員会及び中小企業庁が開催し…
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武藤容治(自民)経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)
松島みどり議員の御質問に答えさせていただきます。
中小企業同士の取引適正化についてお尋ねがありました。
構造的賃上げの実現には、下請法の対象外となる中小企業同士の取引も含めて、サプライチェーン全体での取引適正化が必要不可欠です。
取引上の地位の優越関係が認められれば中小企業同士の取引についても適用される独占禁止法の優越的地位の濫用規制や、中小企業同士の取引も対象となり得る下請振興法の振興基準などの活用を通じて、取引適正化を定着させてまいります。
また、サプライチェーンの深い層まで取引適正化を浸透させるため、価格交渉促進月間に基づく調査、発注事業者…
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中野洋昌(公明)国土交通大臣
松島みどり議員から、下請法の改正によるトラック・物流Gメンの効果に関する認識についてお尋ねがありました。
国土交通省では、トラック法に基づき、トラック・物流Gメンによる荷主等の違反原因行為への是正指導を行うなど、適正な運賃を収受できる環境の整備を進めているところであります。
今般の下請法改正法案におきましては、荷主からの運送の発注行為も下請法の対象とした上で、協議に応じず一方的に価格を決めることの禁止、国土交通大臣等に対する指導助言権限の付与等の規定が盛り込まれております。また、トラック・物流Gメンへの情報提供者も、報復措置の禁止により保護されること…
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