本村伸子 (日本共産党)

2025年3月4日・第217回国会 衆議院 本会議 第7号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 68 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 73 発言)

私は、日本共産党を代表して、委員会で修正された所得税法等の一部を改定する法律案に反対の討論を行います。(拍手)

反対の理由の第一は、税制のゆがみを生み出している大企業優遇税制に一切メスを入れていないからです。

安倍政権で四回も行われた大企業の法人税率の引下げや、研究開発減税、連結、通算納税などの優遇税制による減税効果は、二〇二三年度に過去最高の十一・一兆円にまで膨れ上がりました。大企業の利益が増加するに従って、減税額も巨大なものとなっています。

例えば、研究開発減税は、二〇二三年度に九千億円を超え、大企業にその恩恵の九割以上が集中しています。しかも、研究開発費を減らしても減税が受けられる、政策減税の目的を失った、まさに大企業へのばらまき減税そのものです。その下で、過去最高の利益を記録する大企業は、配当金や役員報酬を増やし、内部留保を積み上げています。

与党税制改正大綱は、安倍政権下の法人税減税によって企業収益を拡大したものの、国内投資の拡大や賃上げにつながらず、現預金等が積み上がり続けたと厳しく指摘します。そうであれば、なぜ大企業の法人税率を引き上げないのでしょうか。

政府税調は、租税特別措置について、廃止を含めゼロベースで見直すことを要求しましたが、本法案には全く反映されていません。

このような不公平税制は早急に正すべきです。研究開発減税や連結、通算納税制度などを廃止、縮減し、大企業に応分の負担を求める税制改革が必要です。

第二は、消費税の減税に踏み出していないからです。

今国会の我が党の議員の質疑で、収入階級別の税負担割合を推計すると、中間所得層以下の世帯では、所得税よりも消費税の負担の方が圧倒的に重く、収入八百万円以下の世帯ではほぼ同じ税負担率となり、累進性が失われていることを明らかにしました。能力に応じて税を負担する応能負担原則は崩れています。

ここ数年のお米や野菜などの食料品、燃料費などの物価高騰が国民生活を直撃し、暮らしを追い詰めています。生活必需品の価格が上がるたびに消費税の負担が増えるという二重の負担増に、国民、住民の皆さんは苦しんでいます。今こそ、物価高騰から暮らしを守るため、逆進性が強い消費税の減税に踏み出すべきです。

同時に、一億円以上の所得がある富裕層の所得税の負担率が軽くなる一億円の壁問題は是正するべきです。富裕層にも応分の負担を求め、税制の応能負担の原則を取り戻す抜本改正に取り組むことが必要です。

与党の修正案は、維新の会との合意により、所得税の課税ラインを百六十万円にして、基礎控除の引上げ幅を年収により五段階とする措置を導入するものです。減税額だけを焦点にしたびほう策です。

複数の基礎控除が交じることで、収入ごとに最低生活費が異なることになります。収入から最低生活費を除いた所得に課税するという、所得税の仕組みの公平性を土台から崩すものです。所得税の原理原則を損ないかねない修正案には賛成できません。

第三に、戦争国家づくりの軍拡増税を押しつけるものだからです。

二〇二二年十二月に策定した安保三文書に基づき、五年間で四十三兆円もの大軍拡を推し進めようとしています。その財源確保のため、防衛法人特別税を新設して、法人税額に税率四%の付加税を課し、たばこ税増税と合わせて約一兆円の増税を盛り込んでいます。

憲法違反の敵基地攻撃能力を持ち、南西諸島の基地強化など、大軍拡と日米同盟の強化を進めるため、国民、住民に増税を強いることは断じて許されません。

以上、討論といたします。(拍手)

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