私は、日本共産党を代表し、石破首相の施政方針演説に対して質問いたします。(拍手)
まず、昨年の臨時国会からの宿題、政治改革です。
総理、自民党の裏金は終わったことなのでしょうか。与党過半数割れの最大の要因は、裏金への国民の審判です。ところが、総理の施政方針演説に一言もなかったのはなぜですか。
この間、政治倫理審査会が相次いで行われましたが、自民党議員の弁明は、事務局や秘書がやったことという開き直りに終始し、安倍派会計責任者の裁判での証言とも矛盾したままです。世論調査を見ても、事実は明らかになっていない、真相究明すべきというのが多くの国民の思いです。
総理、裏金づくりがいつから誰の指示で始まったのか、何も明らかにならないまま幕引きすることは許されないと考えますが、いかがですか。関係者の証人喚問による真相解明を強く求めます。
しんぶん赤旗日曜版のスクープが契機となり、都議会自民党の裏金に捜査が入り、会計担当職員が立件されました。日本共産党都議団が入手した自民党の内部文書には、二〇一九年の政治資金パーティーについて、都議会議員一人当たり百枚のパーティー券を配付、納入は五十枚分、百万円と書いてあります。あらかじめキックバックがシステム化されていたのではありませんか。また、都連所属衆参議員四十六名、一人三十枚配付とあり、東京選出の自民党国会議員がどう対応したのか、都議会自民党の違法行為を知らなかったのかなど、新たな疑惑も浮上しています。
都議会自民党の裏金についても徹底的に調査し、裏金の全容を明らかにすることなしに国民の信頼回復はあり得ません。総理、お答えください。
政治改革の根幹は、企業・団体献金の全面禁止です。そもそも、企業献金は本質的に賄賂性を持つと我が党は繰り返し示してきました。
日本経団連は、二〇〇四年度から、自民党の野党時代を除いて今日まで、政策要望と一体に自民党の政策評価を事細かに行い、企業献金のあっせん、呼びかけを行ってきました。例えば、法人税の実効税率引下げ、租税負担と社会保障負担を合わせた企業の公的負担を抑制する、これと併せて消費税の引上げを検証すること。この要望は二〇〇四年度から繰り返し行われ、自民党がどこまで応えているか、毎年評価し、自民党への企業献金が行われてきたのです。
法人実効税率は、四〇・八七%から、今や二九・七四%にまで引き下げられました。消費税は五%から一〇%へと引き上げられ、社会保障予算は必要額が削減され、医療、介護の国民負担が大幅に増えました。まさに消費税増税と一体で、租税負担と社会保障負担を合わせた企業の公的負担を抑制する政策が、国民の反対の声を聞かず、日本経団連の要望のとおりに進められた、これが事実ではありませんか。
今や、国民多数が企業献金禁止を求めています。それでもまだ自民党だけが企業献金にしがみつくのですか。それは、国民の声よりも財界、大企業の声を聞くと宣言するに等しいではありませんか。答弁を求めます。
総選挙での民意に応え、今国会で企業・団体献金全面禁止を必ず実現しようではありませんか。全ての政党会派の皆さんに呼びかけるものです。
お米も白菜やキャベツも驚くほどの値上げで、毎日の買物に行くのが怖い、こうした声が町の中にあふれています。今の暮らしの苦しさの根底には、失われた三十年が続いているという大問題があります。三十年間賃金が上がらず、年金は目減りし、消費税と医療、介護の負担が繰り返し増やされ、大学や専門学校の学費負担が重くのしかかり、そこに物価高騰が襲ってきた。全ては自民党政治が引き起こした人災です。この暮らしの困難を打開するには、シングルイシューの部分的改良ではとても足りず、暮らしに関わる政策全体の転換が求められていると考えますが、総理、いかがですか。
日本共産党は、暮らしの困難を打開し、安心とゆとりのために五つの改革を提案します。
第一は、大幅賃上げと労働時間の短縮を一体に進める改革です。
総理は、大幅賃上げが実現したと繰り返しますが、長期にわたり実質賃金が大きく落ち込んだ上、足下でも実質賃金がマイナス傾向から脱していないという事実を直視すべきではありませんか。まずはアベノミクス以降のマイナス分を取り戻す、年三十三万円以上の賃上げを最低限の目標として、正真正銘の大幅賃上げを政府の方針とすべきと考えますが、いかがですか。
大企業の史上最高の利益が賃上げにも取引企業の単価引上げにも回らずに、ただただ内部留保が膨張を続ける。総理、このゆがみを正すことが大幅賃上げに不可欠ではありませんか。内部留保の一部に時限的に課税して、中小企業の賃上げへの直接支援に充てるなど、たまり過ぎた内部留保を賃上げに回すなどの仕組みを政治の責任でつくることこそ必要ではありませんか。
大幅賃上げと一体で労働時間を短縮する、つまり、収入も自分の時間も増える働き方へ改革してこそ、本当に豊かな暮らしと言えます。総理、現在の長時間労働が働く人の健康を壊し、子育てにも大きな困難をもたらしているという認識はありますか。残業規制の強化で長時間労働をなくすとともに、労働時間短縮へと進んでこそ、ジェンダー平等が実現すると考えますが、総理の認識をお聞きします。
第二は、不公正な税制を抜本的に正す改革です。
毎日の生活のための最低限の費用には課税しない、この生計費非課税の原則に立つことが、暮らしの応援にも、公正な税制のためにも必要ではありませんか。明確にお答えください。
課税最低限の引上げは当然ですが、百三万円に届かない三千万人には何の恩恵もありません。最も困っている人に届く政策として、消費税こそ廃止を目指し直ちに減税し、インボイスを廃止すべきです。大企業の法人税をアベノミクス以前の税率に戻し、大企業、富裕層への税優遇を正せば十四・六兆円の税収が見込まれ、消費税五%への引下げは十分に可能です。これこそ、公正な税制により暮らしを応援する確かな改革ではありませんか。答弁を求めます。
第三は、全ての世代を支える社会保障への改革です。
物価が上がれば増える年金への改革、医療、介護の基盤崩壊を止める、ケア労働者の抜本的な処遇改善を求めます。現役世代の負担軽減といって、年金、医療、介護の制度改悪を繰り返せば、現役世代にも負担と不安を広げることになります。事実、来年度予算案では、高額療養費の負担上限を引き上げて保険料負担の抑制につなげるとしていますが、がん患者など重症患者に負担増をもたらすことが、どうして社会保障への負担の解消につながるのでしょうか。直ちに撤回することを求めます。
今対立しているのは、高齢者と現役世代では決してありません。企業献金をてこに、企業の税と社会保障の負担軽減を求めてきた財界、大企業、それに唯々諾々と従ってきた自民党政治と国民こそが対立しているのではありませんか。税と社会保障の応分の負担を大企業に求め、医療、介護、年金への公的支出を増やしてこそ、全ての世代にとって安心の社会保障を実現できると考えますが、総理、いかがですか。
特に、訪問介護を始め介護の基盤崩壊は、人口の少ない地域ほど深刻です。総理、地方創生というのなら、直ちに訪問介護の基本報酬を引き上げるとともに、介護保険に対する国の負担割合を増やすべきではありませんか。
第四は、学費、教育費負担ゼロへの改革です。
国公私立大学の四割が来年度の授業料値上げを実施あるいは検討中、日経新聞の報道に衝撃が走っています。総理、今でも大学の学費は、学生と保護者にとって重い負担であり、子育て世代の強い不安となっている、このことを認めますか。
驚いたのは、来年度予算案で国立大学運営費交付金を据え置いていることです。国立、私立共に、経常経費への交付金、補助金は長期にわたって削減され、そこに物価高騰が襲いかかっているのです。これでは学費値上げを促進するに等しいではありませんか。
来年度の大学授業料値上げを止めるために一千億円の緊急助成、そして、OECDで最低水準の教育予算を抜本的に増額し、値下げ、学費ゼロへと向かうべきではありませんか。学校給食の無償化、高校の学費ゼロを含め教育費負担ゼロへ、また、教員の長時間労働を解決する大幅増員へ、教育予算の思い切った拡充を求めるものです。
第五に、食料の安定供給、持続可能な農業への転換です。
総理、三八%にまで落ち込んだ食料自給率の目標をどうするのですか。まず、五〇%への引上げを目標として、その達成へ責任ある政策を示すべきではありませんか。
これまでの大規模化一本やりでは、農家、農地の急速な減少も酪農家の廃業も止めることはできません。家族的経営を含め、全ての農業、酪農、畜産の従事者の所得を増やす政策に転換する、これは地方創生にとっても、国民への食料安定供給にとっても喫緊の課題だと考えますが、いかがですか。
日本共産党は、以上述べた暮らしの全体を応援する政策を財源とともに提案しています。大企業、富裕層への応分の負担によって税収を確保し、大軍拡の中止、大企業の利益最優先の事業の見直しにより、消費税減税、社会保障、教育など恒常的な予算を確保する。災害、物価高騰対策など、一時的に国民のために必要な場合には国債発行を行う。これらで四十兆円規模の財源を暮らしに充てることが可能です。
政策は財源の裏づけと一体で議論する、これは国民に対する責任だと私たちは考えますが、総理の認識をお示しください。
この点で、来年度予算案はどうでしょうか。軍事費は八・七兆円、補正予算を含め、この三年間、毎年一兆円を超えて増え続ける。総理、一体、財源をどうするのですか。庶民増税、暮らしの予算の切捨て、国債の大量増発しかなくなるのではありませんか。
その中身も、米軍と一体に外国を攻撃するための長射程ミサイルの実戦配備など、戦争の準備そのものです。総理は、戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面していると繰り返し述べていますが、長射程ミサイルを大量に配備すれば戦争の心配はなくなるのでしょうか。むしろ、軍事対軍事の悪循環をエスカレートさせるのではありませんか。ASEANと協力して、東アジアの全ての国を包摂する対話、外交によって戦争の心配のない東アジアを構築する、日本共産党の東アジア平和提言について、総理の見解をお聞かせください。
来年度予算案は、個別の半導体企業に補正と合わせて一・三兆円もの公費を投入するなど、大企業への大盤振る舞いも目に余ります。能登の災害に対して被災者生活再建支援金の増額も対象拡大もやらない、中小企業への賃上げ直接支援もやらない、しかし、個別大企業には惜しみなく資金を投じる。余りにもゆがんだ予算案ではありませんか。
日本共産党は、大軍拡と大企業への放漫財政に切り込み、暮らしを積極的に応援する財政へと予算案の抜本的組替えを求めて奮闘することを表明するものです。
戦後八十年、日米同盟でよいのか。三点お聞きしたい。
一つは、二月に行われるとされる日米首脳会談についてです。
トランプ米大統領は、就任直後から、米国第一を最優先とし、パナマ運河を取り戻すと発言したり、気候危機打開のパリ協定からの離脱など、国連憲章、国際法に基づく平和の秩序にも、国際協調にも背を向ける言動を繰り返しています。総理、日米首脳会談で、このようなトランプ大統領の言動に対してきっぱりと批判し、国際秩序、国際協調を尊重するよう求めるべきではありませんか。
二つ目は、核兵器についてです。
被爆八十年、唯一の戦争被爆国として日本が何をなすのかが問われる下で、政府は核兵器禁止条約第三回締約国会議に参加しないと報道され、被爆者の皆さんから落胆と怒りの声が起きています。総理、オブザーバー参加すべきではないですか。参加できない理由があるならば示していただきたい。
核兵器禁止条約は、被爆者が核兵器の非人道性を訴え抜いたことが力となって誕生しました。総理も、核兵器の非人道性を批判しておられる。ならばお聞きしたい。総理は、いかなる状況の下でも核兵器の使用は許されない、この立場に立ちますか。核抑止は、いざというときには核兵器を使用することを前提としたものであり、核兵器の非人道性への批判と根本的に矛盾するのではありませんか。明確な答弁を求めます。
三つ目は、いつまで沖縄を米軍基地の島にしておくのかということです。
占領軍によって奪われた土地に米軍基地が造られ、米兵による性暴力にどれだけの女性、少女そして子供が犠牲になってきたか。重大事故、騒音被害など、沖縄は八十年間、平穏な暮らしが奪われています。その上、県民の民意を踏みにじる米軍辺野古新基地建設を強行することは、断じて許されません。やるべきは、危険な普天間基地の即時閉鎖、撤去、日米地位協定の抜本的見直し、沖縄を平和で豊かな島にする政治への転換ではありませんか。総理の答弁を求めます。
最後に、選択的夫婦別姓について端的にお聞きします。
総理は、党内の議論を丁寧にと言いますが、自民党は、三十年にわたって党内協議がまとまらない、それを理由に選択的夫婦別姓の法案審議を妨げてきたのではありませんか。もう妨害をやめるべきです。私たちを踏みつけているその足をどけてほしい、運動を続けてきた皆さんの思いに応えて、今国会で、民法改正の法案審議に踏み出し、選択的夫婦別姓を実現することを強く求めるものです。
日本共産党は、国民の皆さんの要求の側に立ち、国民の皆さんの声で国会を動かし、自民党政治を終わらせるために全力を尽くす、その決意を表明し、質問を終わります。(拍手)
〔内閣総理大臣石破茂君登壇〕
21
大石あきこ(れいわ)
終わります。(拍手)
〔内閣総理大臣石破茂君登壇〕
この発言のページ
22
石破茂(自民)内閣総理大臣
大石議員にお答えいたします。
楽しい日本についてでございますが、我が国は、これまで、明治維新の中央集権国家体制におきまして強い日本を目指し、戦後の復興や高度経済成長の下で豊かな日本を目指してまいりました。
一方で、我が国は急速な人口減少に直面し、かつての活力を維持できなくなっております。今こそ、こうした状況を反転させ、活力を取り戻す必要があるものと考えておりますが、そのためには、全ての人が安心と安全を感じ、自分の夢に挑戦し、今日より明日はよくなると実感できることが不可欠でございます。その結果、多様な価値観を持つ一人一人が、互いに尊重し合い、自己実現を…
この発言のページ
23
玄葉光一郎副議長
田村智子君。
〔田村智子君登壇〕
この発言のページ
- (上の発言)
24
田村智子(共産)
私は、日本共産党を代表し、石破首相の施政方針演説に対して質問いたします。(拍手)
まず、昨年の臨時国会からの宿題、政治改革です。
総理、自民党の裏金は終わったことなのでしょうか。与党過半数割れの最大の要因は、裏金への国民の審判です。ところが、総理の施政方針演説に一言もなかったのはなぜですか。
この間、政治倫理審査会が相次いで行われましたが、自民党議員の弁明は、事務局や秘書がやったことという開き直りに終始し、安倍派会計責任者の裁判での証言とも矛盾したままです。世論調査を見ても、事実は明らかになっていない、真相究明すべきというのが多くの国民の思いです。
総理、裏金づくりがいつから誰の指示で始まったのか、何も明らかにならないまま幕引きすることは許されないと考えますが、いかがですか。関係者の証人喚問による真相解明を強く求めます。
しんぶん赤旗日曜版のスクープが契機となり、都議会自民党の裏金に捜査が入り、会計担当職員が立件されました。日本共産党都議団が入手した自民党の内部文書には、二〇一九年の政治資金パーティーについて、都議会議員一人当たり百枚のパーティー券を配付、納入は五十枚分、百万円と書いてあります。あらかじめキックバックがシステム化されていたのではありませんか。また、都連所属衆参議員四十六名、一人三十枚配付とあり、東京選出の自民党国会議員がどう対応したのか、都議会自民党の違法行為を知らなかったのかなど、新たな疑惑も浮上しています。
都議会自民党の裏金についても徹底的に調査し、裏金の全容を明らかにすることなしに国民の信頼回復はあり得ません。総理、お答えください。
政治改革の根幹は、企業・団体献金の全面禁止です。そもそも、企業献金は本質的に賄賂性を持つと我が党は繰り返し示してきました。
日本経団連は、二〇〇四年度から、自民党の野党時代を除いて今日まで、政策要望と一体に自民党の政策評価を事細かに行い、企業献金のあっせん、呼びかけを行ってきました。例えば、法人税の実効税率引下げ、租税負担と社会保障負担を合わせた企業の公的負担を抑制する、これと併せて消費税の引上げを検証すること。この要望は二〇〇四年度から繰り返し行われ、自民党がどこまで応えているか、毎年評価し、自民党への企業献金が行われてきたのです。
法人実効税率は、四〇・八七%から、今や二九・七四%にまで引き下げられました。消費税は五%から一〇%へと引き上げられ、社会保障予算は必要額が削減され、医療、介護の国民負担が大幅に増えました。まさに消費税増税と一体で、租税負担と社会保障負担を合わせた企業の公的負担を抑制する政策が、国民の反対の声を聞かず、日本経団連の要望のとおりに進められた、これが事実ではありませんか。
今や、国民多数が企業献金禁止を求めています。それでもまだ自民党だけが企業献金にしがみつくのですか。それは、国民の声よりも財界、大企業の声を聞くと宣言するに等しいではありませんか。答弁を求めます。
総選挙での民意に応え、今国会で企業・団体献金全面禁止を必ず実現しようではありませんか。全ての政党会派の皆さんに呼びかけるものです。
お米も白菜やキャベツも驚くほどの値上げで、毎日の買物に行くのが怖い、こうした声が町の中にあふれています。今の暮らしの苦しさの根底には、失われた三十年が続いているという大問題があります。三十年間賃金が上がらず、年金は目減りし、消費税と医療、介護の負担が繰り返し増やされ、大学や専門学校の学費負担が重くのしかかり、そこに物価高騰が襲ってきた。全ては自民党政治が引き起こした人災です。この暮らしの困難を打開するには、シングルイシューの部分的改良ではとても足りず、暮らしに関わる政策全体の転換が求められていると考えますが、総理、いかがですか。
日本共産党は、暮らしの困難を打開し、安心とゆとりのために五つの改革を提案します。
第一は、大幅賃上げと労働時間の短縮を一体に進める改革です。
総理は、大幅賃上げが実現したと繰り返しますが、長期にわたり実質賃金が大きく落ち込んだ上、足下でも実質賃金がマイナス傾向から脱していないという事実を直視すべきではありませんか。まずはアベノミクス以降のマイナス分を取り戻す、年三十三万円以上の賃上げを最低限の目標として、正真正銘の大幅賃上げを政府の方針とすべきと考えますが、いかがですか。
大企業の史上最高の利益が賃上げにも取引企業の単価引上げにも回らずに、ただただ内部留保が膨張を続ける。総理、このゆがみを正すことが大幅賃上げに不可欠ではありませんか。内部留保の一部に時限的に課税して、中小企業の賃上げへの直接支援に充てるなど、たまり過ぎた内部留保を賃上げに回すなどの仕組みを政治の責任でつくることこそ必要ではありませんか。
大幅賃上げと一体で労働時間を短縮する、つまり、収入も自分の時間も増える働き方へ改革してこそ、本当に豊かな暮らしと言えます。総理、現在の長時間労働が働く人の健康を壊し、子育てにも大きな困難をもたらしているという認識はありますか。残業規制の強化で長時間労働をなくすとともに、労働時間短縮へと進んでこそ、ジェンダー平等が実現すると考えますが、総理の認識をお聞きします。
第二は、不公正な税制を抜本的に正す改革です。
毎日の生活のための最低限の費用には課税しない、この生計費非課税の原則に立つことが、暮らしの応援にも、公正な税制のためにも必要ではありませんか。明確にお答えください。
課税最低限の引上げは当然ですが、百三万円に届かない三千万人には何の恩恵もありません。最も困っている人に届く政策として、消費税こそ廃止を目指し直ちに減税し、インボイスを廃止すべきです。大企業の法人税をアベノミクス以前の税率に戻し、大企業、富裕層への税優遇を正せば十四・六兆円の税収が見込まれ、消費税五%への引下げは十分に可能です。これこそ、公正な税制により暮らしを応援する確かな改革ではありませんか。答弁を求めます。
第三は、全ての世代を支える社会保障への改革です。
物価が上がれば増える年金への改革、医療、介護の基盤崩壊を止める、ケア労働者の抜本的な処遇改善を求めます。現役世代の負担軽減といって、年金、医療、介護の制度改悪を繰り返せば、現役世代にも負担と不安を広げることになります。事実、来年度予算案では、高額療養費の負担上限を引き上げて保険料負担の抑制につなげるとしていますが、がん患者など重症患者に負担増をもたらすことが、どうして社会保障への負担の解消につながるのでしょうか。直ちに撤回することを求めます。
今対立しているのは、高齢者と現役世代では決してありません。企業献金をてこに、企業の税と社会保障の負担軽減を求めてきた財界、大企業、それに唯々諾々と従ってきた自民党政治と国民こそが対立しているのではありませんか。税と社会保障の応分の負担を大企業に求め、医療、介護、年金への公的支出を増やしてこそ、全ての世代にとって安心の社会保障を実現できると考えますが、総理、いかがですか。
特に、訪問介護を始め介護の基盤崩壊は、人口の少ない地域ほど深刻です。総理、地方創生というのなら、直ちに訪問介護の基本報酬を引き上げるとともに、介護保険に対する国の負担割合を増やすべきではありませんか。
第四は、学費、教育費負担ゼロへの改革です。
国公私立大学の四割が来年度の授業料値上げを実施あるいは検討中、日経新聞の報道に衝撃が走っています。総理、今でも大学の学費は、学生と保護者にとって重い負担であり、子育て世代の強い不安となっている、このことを認めますか。
驚いたのは、来年度予算案で国立大学運営費交付金を据え置いていることです。国立、私立共に、経常経費への交付金、補助金は長期にわたって削減され、そこに物価高騰が襲いかかっているのです。これでは学費値上げを促進するに等しいではありませんか。
来年度の大学授業料値上げを止めるために一千億円の緊急助成、そして、OECDで最低水準の教育予算を抜本的に増額し、値下げ、学費ゼロへと向かうべきではありませんか。学校給食の無償化、高校の学費ゼロを含め教育費負担ゼロへ、また、教員の長時間労働を解決する大幅増員へ、教育予算の思い切った拡充を求めるものです。
第五に、食料の安定供給、持続可能な農業への転換です。
総理、三八%にまで落ち込んだ食料自給率の目標をどうするのですか。まず、五〇%への引上げを目標として、その達成へ責任ある政策を示すべきではありませんか。
これまでの大規模化一本やりでは、農家、農地の急速な減少も酪農家の廃業も止めることはできません。家族的経営を含め、全ての農業、酪農、畜産の従事者の所得を増やす政策に転換する、これは地方創生にとっても、国民への食料安定供給にとっても喫緊の課題だと考えますが、いかがですか。
日本共産党は、以上述べた暮らしの全体を応援する政策を財源とともに提案しています。大企業、富裕層への応分の負担によって税収を確保し、大軍拡の中止、大企業の利益最優先の事業の見直しにより、消費税減税、社会保障、教育など恒常的な予算を確保する。災害、物価高騰対策など、一時的に国民のために必要な場合には国債発行を行う。これらで四十兆円規模の財源を暮らしに充てることが可能です。
政策は財源の裏づけと一体で議論する、これは国民に対する責任だと私たちは考えますが、総理の認識をお示しください。
この点で、来年度予算案はどうでしょうか。軍事費は八・七兆円、補正予算を含め、この三年間、毎年一兆円を超えて増え続ける。総理、一体、財源をどうするのですか。庶民増税、暮らしの予算の切捨て、国債の大量増発しかなくなるのではありませんか。
その中身も、米軍と一体に外国を攻撃するための長射程ミサイルの実戦配備など、戦争の準備そのものです。総理は、戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面していると繰り返し述べていますが、長射程ミサイルを大量に配備すれば戦争の心配はなくなるのでしょうか。むしろ、軍事対軍事の悪循環をエスカレートさせるのではありませんか。ASEANと協力して、東アジアの全ての国を包摂する対話、外交によって戦争の心配のない東アジアを構築する、日本共産党の東アジア平和提言について、総理の見解をお聞かせください。
来年度予算案は、個別の半導体企業に補正と合わせて一・三兆円もの公費を投入するなど、大企業への大盤振る舞いも目に余ります。能登の災害に対して被災者生活再建支援金の増額も対象拡大もやらない、中小企業への賃上げ直接支援もやらない、しかし、個別大企業には惜しみなく資金を投じる。余りにもゆがんだ予算案ではありませんか。
日本共産党は、大軍拡と大企業への放漫財政に切り込み、暮らしを積極的に応援する財政へと予算案の抜本的組替えを求めて奮闘することを表明するものです。
戦後八十年、日米同盟でよいのか。三点お聞きしたい。
一つは、二月に行われるとされる日米首脳会談についてです。
トランプ米大統領は、就任直後から、米国第一を最優先とし、パナマ運河を取り戻すと発言したり、気候危機打開のパリ協定からの離脱など、国連憲章、国際法に基づく平和の秩序にも、国際協調にも背を向ける言動を繰り返しています。総理、日米首脳会談で、このようなトランプ大統領の言動に対してきっぱりと批判し、国際秩序、国際協調を尊重するよう求めるべきではありませんか。
二つ目は、核兵器についてです。
被爆八十年、唯一の戦争被爆国として日本が何をなすのかが問われる下で、政府は核兵器禁止条約第三回締約国会議に参加しないと報道され、被爆者の皆さんから落胆と怒りの声が起きています。総理、オブザーバー参加すべきではないですか。参加できない理由があるならば示していただきたい。
核兵器禁止条約は、被爆者が核兵器の非人道性を訴え抜いたことが力となって誕生しました。総理も、核兵器の非人道性を批判しておられる。ならばお聞きしたい。総理は、いかなる状況の下でも核兵器の使用は許されない、この立場に立ちますか。核抑止は、いざというときには核兵器を使用することを前提としたものであり、核兵器の非人道性への批判と根本的に矛盾するのではありませんか。明確な答弁を求めます。
三つ目は、いつまで沖縄を米軍基地の島にしておくのかということです。
占領軍によって奪われた土地に米軍基地が造られ、米兵による性暴力にどれだけの女性、少女そして子供が犠牲になってきたか。重大事故、騒音被害など、沖縄は八十年間、平穏な暮らしが奪われています。その上、県民の民意を踏みにじる米軍辺野古新基地建設を強行することは、断じて許されません。やるべきは、危険な普天間基地の即時閉鎖、撤去、日米地位協定の抜本的見直し、沖縄を平和で豊かな島にする政治への転換ではありませんか。総理の答弁を求めます。
最後に、選択的夫婦別姓について端的にお聞きします。
総理は、党内の議論を丁寧にと言いますが、自民党は、三十年にわたって党内協議がまとまらない、それを理由に選択的夫婦別姓の法案審議を妨げてきたのではありませんか。もう妨害をやめるべきです。私たちを踏みつけているその足をどけてほしい、運動を続けてきた皆さんの思いに応えて、今国会で、民法改正の法案審議に踏み出し、選択的夫婦別姓を実現することを強く求めるものです。
日本共産党は、国民の皆さんの要求の側に立ち、国民の皆さんの声で国会を動かし、自民党政治を終わらせるために全力を尽くす、その決意を表明し、質問を終わります。(拍手)
〔内閣総理大臣石破茂君登壇〕
25
石破茂(自民)内閣総理大臣
日本共産党、田村智子議員の御質問にお答えを申し上げます。
自由民主党におきます旧派閥の政治資金収支報告書の不記載事案についてのお尋ねを頂戴をいたしました。
私の施政方針演説の中で不記載事案に触れていないとの御指摘がございましたが、施政方針演説では、これまでの事実確認の結果や昨年実現した政治改革の様々な施策などを前提として、今後取り組むべき政治改革の内容を述べているところでございます。
御指摘の事案をめぐりましては、第三者である検察により厳正な捜査が行われ、法と証拠に基づき、刑事事件として取り上げるべきものは立件されてきたものと認識をいたしております…
この発言のページ
26
玄葉光一郎副議長
これにて国務大臣の演説に対する質疑は終了いたしました。
――――◇―――――
この発言のページ
27
玄葉光一郎副議長
本日は、これにて散会いたします。
午後五時二十八分散会
――――◇―――――
出席国務大臣
内閣総理大臣 石破 茂君
総務大臣 村上誠一郎君
法務大臣 鈴木 馨祐君
外務大臣 岩屋 毅君
財務大臣 加藤 勝信君
文部科学大臣 あべ 俊子君
厚生労働大臣 福岡 資麿君
農林水産大臣 江藤 拓君
経済産業大臣 武藤 容治君
国土交通大臣 中野 洋昌君
環境大臣 浅尾慶一郎君
防衛大臣 中谷 元君
国務大臣 赤澤 亮正君
国務大臣 伊藤 忠彦君
国務大臣 …
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