委員御指摘の部分、これらはいずれも岡部喜代子裁判官の意見が記載されている部分でございますが、このうち、まず、裁判所ホームページ掲載判決文十八ページ七行目「次に、」から二十二行目末尾までを読み上げます。
次に、氏は名との複合によって個人識別の記号とされているのであるが、単なる記号にとどまるものではない。氏は身分関係の変動によって変動することから身分関係に内在する血縁ないし家族、民族、出身地等当該個人の背景や属性等を含むものであり、氏を変更した一方はいわゆるアイデンティティを失ったような喪失感を持つに至ることもあり得るといえる。そして、現実に九六%を超える夫婦が夫の氏を称する婚姻をしているところからすると、近時大きなものとなってきた上記の個人識別機能に対する支障、自己喪失感などの負担は、ほぼ妻について生じているといえる。夫の氏を称することは夫婦となろうとする者双方の協議によるものであるが、九六%もの多数が夫の氏を称することは、女性の社会的経済的な立場の弱さ、家庭生活における立場の弱さ、種々の事実上の圧力など様々な要因のもたらすところであるといえるのであって、夫の氏を称することが妻の意思に基づくものであるとしても、その意思決定の過程に現実の不平等と力関係が作用しているのである。そうすると、その点の配慮をしないまま夫婦同氏に例外を設けないことは、多くの場合妻となった者のみが個人の尊厳の基礎である個人識別機能を損ねられ、また、自己喪失感といった負担を負うこととなり、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚した制度とはいえない。
このように記載しております。
また、委員御指摘の部分のうち、判決文十九ページ一行目「そして、」から十行目末尾までを読み上げます。
そして、氏を改めることにより生ずる上記のような個人識別機能への支障、自己喪失感などの負担が大きくなってきているため、現在では、夫婦となろうとする者のいずれかがこれらの不利益を受けることを避けるためにあえて法律上の婚姻をしないという選択をする者を生んでいる。
本件規定は、婚姻の効力の一つとして夫婦が夫又は妻の氏を称することを定めたものである。しかし、婚姻は、戸籍法の定めるところにより、これを届け出ることによってその効力を生ずるとされ(民法七百三十九条一項)、夫婦が称する氏は婚姻届の必要的記載事項である(戸籍法七十四条一号)。したがって、現時点においては、夫婦が称する氏を選択しなければならないことは、婚姻成立に不合理な要件を課したものとして婚姻の自由を制約するものである。
このように記載されております。
最後に、判決文二十ページ八行目「以上の」から十二行目末尾までを読み上げます。
以上のとおりであるから、本件規定は、昭和二十二年の民法改正後、社会の変化とともにその合理性は徐々に揺らぎ、少なくとも現時点においては、夫婦が別の氏を称することを認めないものである点において、個人の尊厳と両性の本質的平等の要請に照らして合理性を欠き、国会の立法裁量の範囲を超える状態に至っており、憲法二十四条に違反するものといわざるを得ない。
以上でございます。
78
大森江里子(公明)
ありがとうございました。
時間となりましたので、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
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79
西村智奈美(立憲)
次に、本村伸子さん。
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80本本村伸子(共産)
日本共産党の本村伸子でございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。
まず、選択的夫婦別姓に関する最高裁の二〇一五年の判決の中で、多数派意見に対して反対の意見、憲法に反するとの意見が書かれています。岡部喜代子裁判官の意見のうち、判決十八ページから二十ページのイとウとオを御紹介をいただきたいと思います。最高裁、お願いします。
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- (上の発言)
81馬馬渡直史最高裁判所事務総局家庭局長
委員御指摘の部分、これらはいずれも岡部喜代子裁判官の意見が記載されている部分でございますが、このうち、まず、裁判所ホームページ掲載判決文十八ページ七行目「次に、」から二十二行目末尾までを読み上げます。
次に、氏は名との複合によって個人識別の記号とされているのであるが、単なる記号にとどまるものではない。氏は身分関係の変動によって変動することから身分関係に内在する血縁ないし家族、民族、出身地等当該個人の背景や属性等を含むものであり、氏を変更した一方はいわゆるアイデンティティを失ったような喪失感を持つに至ることもあり得るといえる。そして、現実に九六%を超える夫婦が夫の氏を称する婚姻をしているところからすると、近時大きなものとなってきた上記の個人識別機能に対する支障、自己喪失感などの負担は、ほぼ妻について生じているといえる。夫の氏を称することは夫婦となろうとする者双方の協議によるものであるが、九六%もの多数が夫の氏を称することは、女性の社会的経済的な立場の弱さ、家庭生活における立場の弱さ、種々の事実上の圧力など様々な要因のもたらすところであるといえるのであって、夫の氏を称することが妻の意思に基づくものであるとしても、その意思決定の過程に現実の不平等と力関係が作用しているのである。そうすると、その点の配慮をしないまま夫婦同氏に例外を設けないことは、多くの場合妻となった者のみが個人の尊厳の基礎である個人識別機能を損ねられ、また、自己喪失感といった負担を負うこととなり、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚した制度とはいえない。
このように記載しております。
また、委員御指摘の部分のうち、判決文十九ページ一行目「そして、」から十行目末尾までを読み上げます。
そして、氏を改めることにより生ずる上記のような個人識別機能への支障、自己喪失感などの負担が大きくなってきているため、現在では、夫婦となろうとする者のいずれかがこれらの不利益を受けることを避けるためにあえて法律上の婚姻をしないという選択をする者を生んでいる。
本件規定は、婚姻の効力の一つとして夫婦が夫又は妻の氏を称することを定めたものである。しかし、婚姻は、戸籍法の定めるところにより、これを届け出ることによってその効力を生ずるとされ(民法七百三十九条一項)、夫婦が称する氏は婚姻届の必要的記載事項である(戸籍法七十四条一号)。したがって、現時点においては、夫婦が称する氏を選択しなければならないことは、婚姻成立に不合理な要件を課したものとして婚姻の自由を制約するものである。
このように記載されております。
最後に、判決文二十ページ八行目「以上の」から十二行目末尾までを読み上げます。
以上のとおりであるから、本件規定は、昭和二十二年の民法改正後、社会の変化とともにその合理性は徐々に揺らぎ、少なくとも現時点においては、夫婦が別の氏を称することを認めないものである点において、個人の尊厳と両性の本質的平等の要請に照らして合理性を欠き、国会の立法裁量の範囲を超える状態に至っており、憲法二十四条に違反するものといわざるを得ない。
以上でございます。
82本本村伸子(共産)
ありがとうございます。
この最高裁の判決、多数派意見に対する岡部喜代子裁判官の反対意見に、桜井竜子裁判官、鬼丸かおる裁判官、女性の裁判官が同調するということが書かれております。十五人の最高裁の裁判官のうち五人が違憲との意見を示し、三人の女性裁判官は全員が違憲といたしました。もしも二〇一五年の最高裁の裁判官の男女の割合が、女性が十二人、男性が三人、こういう状況であったら、あるいはもっと多様性がある状況であったら、現行の今の法制度は違憲という判決が多数だったかもしれません。
まず、最高裁のこの構成が平等ではない。そして、国会の構成も平等ではない。閣僚の構…
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米山隆一(立憲)
おっしゃるとおり、我が党が出しております選択的夫婦別姓制度は、選択でございますので、全く他人の人権を侵害するものではございません。
ですので、議員御指摘のとおり、他人の人権は侵害しませんし、また、それを求めている人にとっては人権の保障を厚くするものですので、是非、今国会で成立させていただきたいと考えております。
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藤田文武(維新)
お答え申し上げます。
維新案の実現によっても、婚姻の前後で同じ氏を社会生活上は使い続けることができるようになるわけですから、選択的夫婦別氏制の導入を求める方々の中にも一定数の方の理解を得られると考えて、今回の法案を提出しております。
また、先日お答えしたことと重なりますが、たとえすぐさま他者の人権を侵害しないとしても、選択的夫婦別氏制を導入することについては国民の間にも様々な慎重意見があることもまた事実でありますので、人権を侵害しない制度なら何でもすぐに社会全体の制度として導入してよいということではないだろうと思います。
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