竹内努法務省民事局長

2025年5月21日・第217回国会 衆議院 法務委員会 第16号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 62 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 203 発言)

お答えいたします。

集合動産譲渡担保権等は、一定の範囲に属する設定者の財産を一括して担保の目的とするものでありまして、その範囲の定め方によっては設定者の倒産時において一般債権者のための引き当て財産が著しく減少するおそれがあること、集合動産及び集合債権の価値を維持するためには労働債権者や仕入れ先などの一般債権者の寄与が必要でありまして、さらには、これらの一般債権者の寄与によってその価値が増大することもあることから、集合動産譲渡担保権等には特定物を目的とする譲渡担保権その他の担保権とは異なる特殊性があり、その価値の全てが担保権者の債権の満足に充てられるのは相当とは言えないと考えております。

そのため、集合動産譲渡担保権等については組入れ義務を設けることとしておるものでございますが、他方で、既に質権や抵当権などの個別の財産を目的とする担保権においては同様の制度は存在しません。そのため、個別の動産等を目的とする譲渡担保権についても組入れ義務を設ける場合には、質権や抵当権などの他の担保権との整合性に関しても問題になるところでございますので、組入れ義務は集合動産譲渡担保権等のみを適用対象として設けることとしているものでございます。

法的倒産手続のみを対象にした理由でございますが、設定者が法的倒産手続の開始に至らず事業を継続しているという場合には、設定者の財産から一般債権の回収を図ることもなお期待することができる一方で、法的倒産手続が開始した場合には、一般債権者の弁済原資の確保の必要性が高いと言えることなどを考慮したものでございます。

さらに、目的価額の九割を超える利息、損害金等を、相当部分のみを組入れ部分とした理由でございますが、譲渡担保権の目的である財産の価値の維持形成に一般債権者が寄与したことを考慮して、一般債権者への弁済原資を確保するという制度趣旨を踏まえますと、組入れ価額の算出に当たりましては、集合動産又は集合債権の価額の一定割合に相当する額を基準とすることが相当であると考えられます。

その上で、譲渡担保法案では、その一定割合について、実務上、破産手続における担保目的物の任意売却の際に目的物の価額の三%から一〇%程度が破産財団に組み入れられることがあることを参考にいたしまして、集合動産又は集合債権の価額の一〇%を基準とすることとしておるものでございます。

前後のやりとり

58の発言を見る

66の発言を見る