お答えいたします。
集合動産譲渡担保権等は、一定の範囲に属する設定者の財産を一括して担保の目的とするものでありまして、その範囲の定め方によっては設定者の倒産時において一般債権者のための引き当て財産が著しく減少するおそれがあること、集合動産及び集合債権の価値を維持するためには労働債権者や仕入れ先などの一般債権者の寄与が必要でありまして、さらには、これらの一般債権者の寄与によってその価値が増大することもあることから、集合動産譲渡担保権等には特定物を目的とする譲渡担保権その他の担保権とは異なる特殊性があり、その価値の全てが担保権者の債権の満足に充てられるのは相当とは言えないと考えております。
そのため、集合動産譲渡担保権等については組入れ義務を設けることとしておるものでございますが、他方で、既に質権や抵当権などの個別の財産を目的とする担保権においては同様の制度は存在しません。そのため、個別の動産等を目的とする譲渡担保権についても組入れ義務を設ける場合には、質権や抵当権などの他の担保権との整合性に関しても問題になるところでございますので、組入れ義務は集合動産譲渡担保権等のみを適用対象として設けることとしているものでございます。
法的倒産手続のみを対象にした理由でございますが、設定者が法的倒産手続の開始に至らず事業を継続しているという場合には、設定者の財産から一般債権の回収を図ることもなお期待することができる一方で、法的倒産手続が開始した場合には、一般債権者の弁済原資の確保の必要性が高いと言えることなどを考慮したものでございます。
さらに、目的価額の九割を超える利息、損害金等を、相当部分のみを組入れ部分とした理由でございますが、譲渡担保権の目的である財産の価値の維持形成に一般債権者が寄与したことを考慮して、一般債権者への弁済原資を確保するという制度趣旨を踏まえますと、組入れ価額の算出に当たりましては、集合動産又は集合債権の価額の一定割合に相当する額を基準とすることが相当であると考えられます。
その上で、譲渡担保法案では、その一定割合について、実務上、破産手続における担保目的物の任意売却の際に目的物の価額の三%から一〇%程度が破産財団に組み入れられることがあることを参考にいたしまして、集合動産又は集合債権の価額の一〇%を基準とすることとしておるものでございます。
59柴柴田勝之(立憲)
逆に、譲渡担保権者を害する意図で所在場所の倉庫から動産を運び出して空っぽにしてしまうというようなことも考えられますが、そのような場合に取り得る方策について、本法案四十二条一項の担保権者を害することを知っていたときの意義も含めて御説明をお願いいたします。
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60竹竹内努法務省民事局長
お答えいたします。
譲渡担保法案では、集合動産譲渡担保契約については、設定者は集合動産の範囲に属する動産を処分することができることとしております。この処分権限は、譲渡担保権の負担のないものとして動産を処分する権限を意味しております。
もっとも、このような動産の処分を無制限に認めますと、譲渡担保権の目的である財産が不当に流出して担保価値が減少し、譲渡担保権者の優先弁済権を害するおそれがあります。そこで、譲渡担保法案では、設定者は譲渡担保権者を害する行為を、そのことを知ってすることはできないこととし、処分権限に制限を加えております。
譲渡担保権者を害す…
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61柴柴田勝之(立憲)
労働債権保護の方策全般について幾つか伺います。
そもそも、本法律案で、超過分の金銭の組入れ義務の対象を集合動産、集合債権の担保のみにした理由、また法的倒産手続の場合のみに限定した理由、さらに、七十一条一項に定める組入れ部分、これを、目的動産の価額の九割を超え、しかも元本を超える部分のみに限定した理由、これらについて御説明をお願いいたします。
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- (上の発言)
62竹竹内努法務省民事局長
お答えいたします。
集合動産譲渡担保権等は、一定の範囲に属する設定者の財産を一括して担保の目的とするものでありまして、その範囲の定め方によっては設定者の倒産時において一般債権者のための引き当て財産が著しく減少するおそれがあること、集合動産及び集合債権の価値を維持するためには労働債権者や仕入れ先などの一般債権者の寄与が必要でありまして、さらには、これらの一般債権者の寄与によってその価値が増大することもあることから、集合動産譲渡担保権等には特定物を目的とする譲渡担保権その他の担保権とは異なる特殊性があり、その価値の全てが担保権者の債権の満足に充てられるのは相当とは言えないと考えております。
そのため、集合動産譲渡担保権等については組入れ義務を設けることとしておるものでございますが、他方で、既に質権や抵当権などの個別の財産を目的とする担保権においては同様の制度は存在しません。そのため、個別の動産等を目的とする譲渡担保権についても組入れ義務を設ける場合には、質権や抵当権などの他の担保権との整合性に関しても問題になるところでございますので、組入れ義務は集合動産譲渡担保権等のみを適用対象として設けることとしているものでございます。
法的倒産手続のみを対象にした理由でございますが、設定者が法的倒産手続の開始に至らず事業を継続しているという場合には、設定者の財産から一般債権の回収を図ることもなお期待することができる一方で、法的倒産手続が開始した場合には、一般債権者の弁済原資の確保の必要性が高いと言えることなどを考慮したものでございます。
さらに、目的価額の九割を超える利息、損害金等を、相当部分のみを組入れ部分とした理由でございますが、譲渡担保権の目的である財産の価値の維持形成に一般債権者が寄与したことを考慮して、一般債権者への弁済原資を確保するという制度趣旨を踏まえますと、組入れ価額の算出に当たりましては、集合動産又は集合債権の価額の一定割合に相当する額を基準とすることが相当であると考えられます。
その上で、譲渡担保法案では、その一定割合について、実務上、破産手続における担保目的物の任意売却の際に目的物の価額の三%から一〇%程度が破産財団に組み入れられることがあることを参考にいたしまして、集合動産又は集合債権の価額の一〇%を基準とすることとしておるものでございます。
63柴柴田勝之(立憲)
本法案によって動産とか債権担保の活用を拡大することが予想されますが、それによって労働債権の原資がますます減少する結果になるのではないか、さっき篠田委員からも指摘がありましたが、そういう懸念については当局はどのようにお考えになっておりますでしょうか。
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64竹竹内努法務省民事局長
お答えいたします。
一般論といたしまして、動産や債権を目的とする担保が中小企業等の資金調達の手段として活用されることについては、これによって調達された資金が中小企業等の債務者の財産の一部となり、事業の拡大にもつながることからいたしますと、労働債権者の利益にも資するものと考えておるところでございまして、そのため、動産や債権を目的とする担保の活用それ自体が労働債権者の不利益となるとは認識をしていないところでございます。
譲渡担保法案では、担保権の及ぶ範囲が広範なものとなりがちな集合動産譲渡担保権又は集合債権譲渡担保権については、一般債権者への弁済原資を確…
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65柴柴田勝之(立憲)
先ほど篠田委員からも指摘がありましたけれども、労働債権の履行を確保するために、倒産法制全体の整合性というお話もありましたが、倒産法制全体において労働債権の保護の拡大の検討を今後お願いしたいと思います。
最後に、法務大臣にその点の御見解をお願いいたします。
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