生貝直人一橋大学大学院法学研究科教授

2025年4月16日・第217回国会 衆議院 内閣委員会 第14号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 102 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 237 発言)

ありがとうございます。

大きく二点に分けて、特に制度の観点からのお答えになるのですけれども、一つが、中国型の技術、そして中国型の制度というふうにいったようなものが、アメリカともヨーロッパとも異なる形でやはり発展しつつある。

この三極を捉えて、アニュ・ブラッドフォードというコロンビア大学の教授の近著が「デジタルエンパイアーズ」というふうにいうのですけれども、それぞれがその帝国を広げていくための競争というものを繰り広げている。それは、当然それぞれの市場の食い合いというのもありながらも、やはりグローバルサウスを始めとしたような関係諸国の巻き込み合いでもあるといったようなことがございます。

そうした中で、我が国は、諸外国というと、これまでアメリカ、米国、中国を見てきたのですけれども、少なくとも、デジタルやAI政策の中で、まだやはりグローバルサウスというものへの認識や、そして焦点の当て方というものが少ないところというものがございます。

これは、やはり我が国の経済的な発展及び国家安全保障の両方に関わるところでございますので、今回、この法案というものが、世界の範となるAI法制というものを作るということをやはり非常に強く強調していらっしゃる。その世界の範というのは、決してアメリカ、ヨーロッパ、中国だけではなくて、まさにグローバルサウス、アジアも含めた、そういった南半分を含めた世界の範になるために何をすればよいのかということ、そういうことを是非念頭に置いていただきたいなというふうに思います。

それから、もう一つは、制裁を受け、例えば、別の分野ですと、グーグルのアンドロイドが中国の中で輸出規制で使えなくなると、独自のOSを開発することに本気で注力して、そして、十億人のユーザーがいるので、やはりマーケットイン、マーケットバリューのサイズも含めて、作れてしまうのですよね。

アメリカのIT輸出の管理というところに関して、むしろ、アメリカのIT企業が、IT産業界がそれを警戒していて、実際にやったら、現実にそうなったというふうにいったようなところも含めまして、やはり制度にしてもビジネスにしても、多分、少なくとも三つの帝国の中で多様化をしていくのが今後しばらくの傾向であるのかなというふうに思います。

そうしたときに、主権でありますとか様々な要素はございますけれども、やはり我々として、最も優れたサービスというものを恐らくその三極の中から選び、そして安全、安心な形で活用していける環境をどのようにつくっていくかというのが一つ極めて重要なんだというふうに思います。

先ほど来、海外企業に対するイコールフッティングの観点からの法適用ということの論点が度々出ておりますけれども、やはりこういった法の在り方を海外企業に対して適用をしていくというのは、それがどこの国で作られたサービスであっても、我が国国民が自由に、そして安心して使えるための法的前提を作るための手段である、そうした観点からも、この法律の外国事業者への適用ということも、まさに彼らにとっての価値というところも含めて、是非積極的な推進をしていきたいなと考えるところでございます。

以上でございます。

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