山口壯 (自由民主党)

2025年5月8日・第217回国会 衆議院 憲法審査会 第6号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 39 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 57 発言)

自由民主党の山口壯です。

衆議院の解散について、内閣と国会の関係、権力の抑制と均衡の観点から意見を述べさせていただきます。

解散権の所在と根拠について、通説は七条説、すなわち、衆議院の解散に関する実質的決定も、憲法七条に言う内閣の助言と承認により行われるとするわけですが、これに対して、解散をすることができるのは六十九条所定の場合のみであるとする考え方も、もちろん一部にあるところです。

議院内閣制及び三権分立の観点からするならば、権力の抑制と均衡の観点から、衆議院に不信任の権限があるのであれば、それに対応して内閣に衆議院の解散権が与えられているとする、いわゆる制度説の考え方には説得力があると思います。そして、この制度説も、解散の条文上の根拠は七条に求めるものです。

その意味で、解散権の根拠としては七条に求めつつ、内閣と国会の関係について、権力の抑制と均衡の観点から、衆議院の解散について考えていく立場が妥当であると思います。解散を不信任の場合に限定する六十九条説は、権力の抑制と均衡としての解散権の行使場面としては狭きに失するように思います。

次に、解散権に限界があるか、あるいは、解散権についての制限を制度化できるかについての論点について。

内閣に全く自由な解散権を認めることは内閣に権力のバランスが傾くとして、そこに何らかの実体的制限を加えるというアプローチは、一つの考え方としてはあり得るかもしれません。

しかし、配付資料八ページには、制限説として、解散が妥当とされる場面の類型化が試みられていますが、実体的制限をどのように文言化しても解釈の余地は残るのであって、解散権の実体的な制限の合理的な制度設計は難しいのではないかとの感を強くします。

ちなみに、先ほどから言及のある解散制限の例としての英国での二〇一一年の議会任期固定法の制定、これは、十年余りで、解散制限の推進派であった労働党も賛成に回り、廃止されたという経緯があります。このことは、解散権の実体的制限を議院内閣制に組み込むことがいかに難しいかを示しているように思います。

最後に、選挙困難事態における国会機能維持の議論において、選挙困難時は解散を禁止する一方で、緊急事態時にどうしてもの場合には内閣不信任案の議決を認めるべき旨の主張がありますが、衆議院による内閣不信任決議は認めるが内閣による衆議院解散は認められないというのでは、抑制と均衡のバランスを崩すことになり、この点については慎重に考える必要があると思います。

以上です。

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