小谷哲男明海大学教授

2025年5月30日・第217回国会 衆議院 安全保障委員会 第10号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 31 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 67 発言)

御質問ありがとうございます。

まず、日米関係、日米同盟の今後ですけれども、先ほども触れましたが、やはり、日本が主体性を持って同盟に取り組んでいくということがますます求められていくということになろうかと思います。

アメリカとしましては、先ほど冒頭にも申し上げました抑制主義という考え方が広まっていく中で、アメリカにとって死活的な利益となる問題についてのみ関与していく、これは恐らくトランプ政権が終わっても全体的な流れは変わっていかないと思いますので、まず、日本として、アジアの安全保障がアメリカにとってどういう利益があるのか、これを常に語り続けることが必要なんだと思います。

その上で、第一列島線はどう考えてもアメリカの戦略的な観点から見たときの利益であるはずですので、第一列島線を日米で、そしてフィリピン、オーストラリアなどと守っていくこと、これが何よりも大事だということを強調していくことが必要ではないかと思います。

これまで日米の共同声明の中で第一列島線の重要性に触れたことはないかと思いますけれども、今後、日米で協議をする際には、第一列島線の重要性を両国で確認することが一つ必要ではないかと考えております。

それから、防衛費につきましても、先ほどもこれも触れましたが、まずは日本の為替を考えたときの購買力が落ちていることを前提に、調達計画をまず自ら見直す努力というのは必要になってくるかと思います。

それから、黒江参考人からもありましたとおり、やはり人的基盤がなければ幾ら防衛費を増やしても駄目ですので、防衛費を増やす中で、人的基盤を確保する施策も必要になってくると思います。

現行の国家安保戦略、国家防衛戦略では、人を増やすことなく新たなミッションを自衛隊に与えるということでしたけれども、これは現実的に非常に難しいことだと思うんですね。やはり少子化の中でも人的基盤をいかに増やしていくかをしっかりと考えつつ、防衛費をそのためにいかに使うかということも必要だと思います。

アメリカでは、例えばコルビー国防次官が、承認の公聴会の中で、日本の防衛費はやはり足りない、少なくともGDPの三%が必要であるというような発言もありました。今後、アメリカから具体的な数字を挙げて要求が出てくるかもしれませんけれども、アメリカから要求が来る前に、まず日本として必要なものを積み上げて、これぐらいが必要だということを考えておく必要があると思います。

日米同盟に取って代わる枠組みは存在しません。それは、とりわけ核の拡大抑止を提供してくれる国がアメリカ以外にないからです。一方、通常戦力の面におきましては、まだ日本として取り組むべき課題は残っていると思いますので、そこに取り組む中で防衛費がGDPの二%を超えることがあってもおかしくないと思いますから、そういう観点で考えていく必要があろうかと思います。

ありがとうございました。

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