舩後靖彦 (れいわ新選組)

2024年12月19日・第216回国会 参議院 文教科学委員会 第2号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 209 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 227 発言)

ありがとうございます。

私も常々、日本は教育予算が少な過ぎる、教職員定数の基準を大幅に改善し、少人数学級で教師の負担を減らし、教員が子供一人一人にきちんと向き合える時間を確保すべきと主張してまいりました。財務省には、教育に必要な予算はけちけちせずに積極財政で出すべきと申し上げたいです。

その一方で、残業代の代わりに調整額を引き上げる給特法のやり方では、現場の教員たちが定額働かせ放題と批判するように、長時間労働の抑制にはなりません。財務省案について、教員の中には、残業削減の実効性が期待できる、労働基準法への将来的な切替えを示唆しているとして評価する声もあります。しかし、調整額の割合を増やすにせよ、労働時間に合わせて残業代を支給するにせよ、教員の多忙化、長時間労働の根本原因にメスを入れないで残業代を払えばいいというものではないはずです。

私は、昨年の通常国会で、たとえ予算が付いて教員の定数改善がされても、ブラック職場と言われる学校に教員のなり手が即座に増える見込みはない、教員の負担を減らし子供たちが安心して学べる環境を維持するには、教員の本来業務である教える内容を精選し、授業のこま数を減らすしかない、次期学習指導要領の改訂に向けて早速取りかかっていただきたいとお願いしました。それに対して当時の盛山大臣は、学習指導要領の内容については、教師の業務改善のみを理由として削減するというものではなく、子供の学びの観点から考えていくべきものと答弁されました。

私は、外国語や道徳が教科化され、教科書がどんどん分厚くなって、教える内容や時間数が増えている現在の状況は、教員の業務負担だけではなく、子供たちにとっても容量オーバー状態だと見ています。カリキュラムにおいて学校や教師、生徒に過大な負担が掛かっている状態、いわゆるカリキュラムオーバーロード、教育課程の過積載については、教育課程、学習指導及び学習評価等の在り方に関する有識者検討会においても言及されています。

資料を御覧ください。東京学芸大学大森直樹研究室が、一九八九年学習指導要領改訂の実施時期より二〇一七年改訂時期までの間勤務した教員を対象に、その時期の標準時数が子供たちの生活に合っていたかどうか調査した結果です。

それによりますと、第一次ゆとり教育の一九八九年の場合、週六日制で一日の平均授業時数は五時間、そのときは、子供の生活に合っていた、やや合っていたが七七%であったのに対し、第二次ゆとり教育が始まり週五日制となった一九九八年では五割弱まで減っています。さらに、外国語科の時間が年七十時間増えた二〇一七年改訂では一日六時間制となり、やや合っていない、合っていないが九割を占めています。

調査に応じた教員は、六時限目になると子供も自分も集中力が続かない、子供がいらいらしてトラブルが起きる、放課後の習い事や塾がある子供は休む暇がないと、子供たちの負担感を指摘しています。

子供たちは、情報化、グローバル化した複雑な時代に合わせて、主体的、対話的に学び、未来を創造する力を求められ、あれも必要、これも大事と、授業時間数と教科数、学ぶ内容がどんどん増やされます。教員にとっては、教える内容だけでなく、アクティブラーニングだ、ICT活用だと授業方法に変化を求められ、現場への要求は高まるばかりです。

しかし、学習指導要領で教育現場を縛るのであれば、それを実現するための人手の確保などの条件整備が先ではないでしょうか。学習指導要領の詰め込み過ぎを解消することが、子供たちの過重負担を減らすとともに、教員が本来の業務である授業準備や子供に向き合う時間を確保し、教員の働き方改革、教員不足解消を進めることになると考えます。

大臣、学習指導要領の改訂に向けて、学習内容の精選と週五日制の下での授業時数削減について、中教審に諮問していただけませんか。

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