橘幸信衆議院法制局長

2024年12月19日・第216回国会 衆議院 憲法審査会 第1号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 49 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 56 発言)

米山先生、御質問、どうもありがとうございます。

一般的な問題ではなく個別具体的な問題ではありますが、枝野会長からの御指示でございますので、お答えできる範囲内で御答弁させていただきます。

あらかじめ申し上げなくてはいけないのは、私ども衆議院法制局は、与党、野党を問わずに、先生方から頂戴した御依頼に基づいて、徹頭徹尾、その会派の先生方のお立場に立って条文案を立案させていただくという国会の補佐機関でございます。法制専門職として、当然にその前提として、憲法問題を始めとする法解釈に関しては先生方に御助言申し上げることはございますけれども、それも、あくまでも各会派のお立場に立った上での問題であると。私どもに有権解釈権はございません。それをよろしく御理解いただきます。

その上で、企業・団体献金の禁止の憲法適合性ですが、私どもは野党の先生方の御依頼で度々企業・団体献金の禁止法案をお手伝いさせていただいております。ということは、その立法政策を条文化する前提として、そのようなことは当然に憲法の許容する範囲内のものである、そのような解釈は成り立ち得る、そのようなものと考えています。

さて、その上で、政治団体による寄附についてでございますけれども、現に、これまで提出された法案ですと、一定の政治団体を除く企業、団体からの献金についての禁止でございます。一定の政治団体を含めて禁止するということについてまで踏み込むということは大変に難しい問題であると思います。それは、先生が今御指摘されたとおりでございます。

一般に、営利企業として定款所定目的の範囲内で政治活動を行う株式会社等とは異なり、政治団体の場合には、財産の移動それ自体もその政治的信条を実現する行為そのものである、政治活動そのものである、それと密接に関連するものとなりますので、より慎重な検討が必要となってくると思いますが、例えば、それに踏み込もうとした場合でも、政党や政治資金団体とその他の一般的な政治団体とを区別するのかどうか、政党本部と支部の間の資金移動まで対象とするのかどうか、全面的に禁止するのか、それとも上限設定などのように一部制限とするのかどうか、さらに、そのような政策を判断するときに立法事実はあるのか、弊害は現にデータとしてあるいは見込みとして立証できるのか、そのような必要性と合理性について、より慎重な検討をすることになるかと存じます。

ただ、先生方には釈迦に説法ですけれども、いずれの問題についても、憲法論で結論が一義的に出るものではございません。あくまでも、立法政策としての適否の問題、それこそが先生方が御議論される最も本戦、主戦場というか、そういうことだと思いますので、憲法解釈だけで結論が出てくる問題ではないこと、これを前提として、生意気ながら御答弁させていただきました。

以上です。

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