阿部圭史 (日本維新の会)

2024年12月19日・第216回国会 衆議院 憲法審査会 第1号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 37 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 56 発言)

日本維新の会の阿部圭史でございます。

私、今回の選挙で初当選をいたしましたが、これまで、厚生労働省の職員として、また国連職員として、危機管理政策を専門といたしまして、テロ対策、感染症の危機対応、紛争地帯での事態対処など、実際の事態対処の実務を担ってまいりました。

危機管理の実務家としては、常に最悪のシナリオを想定して、国民の命を守るための政策を考えます。そのためにも、先ほど我が党の馬場議員が述べた緊急事態条項の創設は、机上の空論ではなく、一度でも事態対処の実務に携わり、国民の命に責任ある立場に就いたことのある方であれば、当然のように必要性を認識しているものと思います。

危機管理の実務家として、これまで、そして本日も憲法審査会の議論を見てまいりましたけれども、やはり、概念や文言について、定義に曖昧な点が、すれ違っている点が見受けられるというふうに思っております。

そのため、本日はお手元に、資料にまとめさせていただきましたのでお配りいたしました。緊急事態に類する概念、文言の整理についてです。これは、最近の憲法学における整理を反映したものです。

憲法学上の整理は、緊急事態と非常事態、これは全く異なる概念でございます。また、それらに相当する緊急事態条項と国家緊急権も全く異なる概念であると言えます。

緊急事態とは、平時の法制度、法運用とは異なる対応を必要とする事態を広く含む概念でございまして、平時の統治機構の下でその対応が行われ、立憲的統制が十分に機能する事態であります。

非常事態とは、平時の統治機構をもってしては対処できない程度の緊急事態でありまして、憲法が定める機関が正常に機能し得ないときにどのように対処すべきかという、国の存立に関わる難問に応えるものといたしまして、まさに戦争で国の中枢が爆撃されて閣僚や議員がほとんど死んでしまうとか、散り散りになって連絡も取れないというような、より深刻な事態です。

緊急事態条項とは緊急事態に際して用いられるものでございまして、国家緊急権とは非常事態に対して用いられるものというふうに解されます。緊急事態条項は、まさに立憲的統制として、憲法秩序の維持を目的として行われるものである一方、非常事態は憲法秩序の停止という効果がございます。

先ほど自民党の船田元議員がおっしゃっていらっしゃいましたように、我々が議論している緊急事態条項とはまさに憲法秩序の維持を目的として行われるものであることを強調して、今後の議論を更に前に進めるべく、日本維新の会、国民民主党、有志の会の三会派の条文案を踏まえて、是非とも、起草委員会の設置に向けて、委員の皆様のお力添えを賜りたいと思っております。

終わります。

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