2026年7月10日・第221回国会 参議院 デジタル社会の形成及び人工知能の活用等に関する特別委員会 第9号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 203 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 234 発言)

文部科学省の科学技術・学術政策研究所の調査によれば、科学技術の指標となる論文数について、日本は世界第五位、注目度の高い論文を意味するトップ一〇%の補正論文数は世界第十三位で、主要国の中で大きく後れを取っており、イランにも抜かれています。超トップクラスの論文を意味するトップ一%補正論文数では世界第十二位にとどまっています。中国は総論文数、トップ一〇%あるいはトップ一%の全てで世界一位を独走しており、二位が米国、三位はインドとなっています。

日本の低迷の背景には、大学教員が学内事務や教育、資金獲得のための手続に追われ、本来の研究に没頭できる時間の割合が低下し続けている、若手研究者の基盤となる博士課程への進学者が停滞しており、研究を支える人材が不足している、国立大学への運営費交付金あるいは私立大学への私立大学経常費補助金などの基盤的経費が減額されている、大学における常勤教員数が伸び悩み、若手研究者の多くが任期付きの不安定な雇用形態にあるため、長期的な視点での挑戦的な研究が難しくなっている、などが指摘されています。

国立大学法人運営費交付金の予算額は、国立大学が法人化された二〇〇四年から一〇%以上減額されています。また、私立大学等経常費補助金も減少の一途をたどり、現在はピーク時の三分の一程度、経常経費の一〇%前後にまで低下しています。

いずれにしても、十年以上減額ないし据え置かれてきました。国立大学運営費交付金については、令和八年度予算で、前年度比百八十八億円増の一兆九百七十一億円とされ、過去最大規模の画期的な増額と言われましたが、増額はGSC構想と比べると微々たるものにすぎません。

さきの二〇二五年時点で、大学の無期雇用の三十代以下の若手研究者の数が二〇一七年に比べて二割も減少したこと、物価高騰で温室の修繕費がなくなって研究ができず、論文閲覧の環境悪化などを訴える意識調査の結果が報道されました。国立大学や研究開発法人での若い研究者の雇い止め、大学施設の老朽化改修費用の不足、経費削減のために開館時間を短縮する大学図書館なども話題に上っております。

仮に、科学技術予算が潤沢にあり、基礎研究分野の財政基盤が安定していれば、GSC構想などの野心的な大盤振る舞いも正当化されるかもしれません。しかし、現状、基礎研究の経常経費も十分に賄えていません。資源配分の優先順位を間違っていないでしょうか。大臣、いかがですか。

前後のやりとり

199の発言を見る

207の発言を見る