これは単なる研究機構の設立の話でもなくて、また従来の研究機関と同列の話でもなくて、やはりちょっと随分踏み込んだ、これからの日本の科学技術の方向性をこのGSC構想は示しているんじゃないかと。その点からすると二つの問題点があるんではないかというふうに、内閣委員会でも議論したことあるんですが、思います。
一つは、政府の成長戦略に従って、当面の目先の経済界の利益を優先する研究と、いかに早く実用化するかというような視点ですよね。これは、以前から問題になっているように、基礎研究が軽視されて日本の研究力、国力が落ちているということの指摘がされているにもかかわらず、相変わらずといいますか、更にまたこういうところにお金を使っていくと。基礎研究に対する支援はなおざりにしたまま更にこういうところに体制もお金も使っていくという点で、そういう根本的な日本の科学技術の方向性、政策の方向性について問題があるというふうに一つは思うわけですね。
二つ目は、この研究の重点分野に、スタートアップ支援に軍事分野、デュアルユースが含まれているということなんですね。これは決して日本経済の発展につながるものじゃなくて、日本の技術発展の足かせにもなりかねないということで、これも大臣と内閣委員会で議論したんですけれども、その二つの点が非常に感じられるというか、踏み込んでいる構想ではないかと思うんですね。
まず、基礎研究がおろそかにされてきた問題なんですけれども、言うまでもなく、いろんなイノベーションというのは源はみんな基礎研究でございます。ところが、一九九五年の科学技術基本法制定以降、日本の科学技術政策というのは、どんどん、何といいますか、将来、中長期的よりも近視眼的になって、早く成果を出せ、早く実用化しろというような流れになってきて、研究者は、とにかく自由に自分の研究をやっていってもらえばもらうほどいろんなものが後々イノベーションにつながってくる、自由な研究というのは大事なわけなんですね。そういう基礎研究は大変大事なわけでございます。
ところが、すぐ役に立つのか立たないのかという議論が、本当に、小泉構造改革以来かなりされてきたのを見てまいりましたけど、とにかく、全てのイノベーションというのは基礎研究がベースになっているわけですね。
例えば、私たちは今スマホを使っていますよね。あのスマホで、地図アプリで位置が正確に出ますよね。あれはGPSなんですけれども、あれ、実は正確な位置を確定するときに相対性理論が使われているんですよね。相対性理論というのは、アインシュタインが発明したときは何の役に立つかと誰も関心を持たなかったのが、もちろん核エネルギーを発見するとかなっているんですが、そういう、申し上げたいことは、基礎研究、基礎理論が全て今私たちの生活に関わっているという点で大変重要なわけなんですけれども、依然ずっとおろそかになってきております。
ほかの国との比較、時間の関係で全部申し上げませんが、かつて日本は基礎研究も含めて科学技術を先導する立場だったんですけど、今では中国、インド、韓国などに追い越されておりまして、特に基礎研究の成果では韓国に抜かれているような状況でありますよね、論文の数からいって。日本は、研究論文の数は日本は世界で五位らしいんですが、基礎研究の論文は韓国に抜かれておりますし、中国は基礎研究も応用研究も論文で世界一というようなことになっているわけでございます。
これ、政治の課題として、長年、長いこと基礎研究の問題は言われてまいりましたけれど、これは大臣にお聞きしたいと思いますけれども、なぜ、常に基礎研究大事だと言われながら、こうやってどんどん基礎研究の研究力、国力が落ちていっているのかと。その辺は、これはもう党派を超えたみんなの課題だと思うんですが、大臣はいかが認識されておりますか。
173木木村直人内閣府科学技術・イノベーション推進事務局審議官
お答えを申し上げます。
このGSCが対象といたしますディープテックでございます。繰り返しになりますけれども、経済社会課題の解決、経済安全保障の確保といった社会に大きなインパクトをもたらし得る科学的発見に基づく技術全般を指すものであります。
そして、今御指摘がございました、高市内閣における日本成長戦略の十七の戦略分野にも、おっしゃるとおり、AI、バイオなどのディープテック分野が含まれてございます。この十七の戦略分野について、国内投資を通じて日本が目指す成長のパスというものが二つあると考えておりますが、その一つが、我が国が強みを有する先端技術等への成長投…
この発言のページ
174
大門実紀史(共産)
この分野なんですけど、ただ、今も経産省の産業技術総合研究所、産総研ですね、などが中心となってディープテックのスタートアップ支援もやっていると思うんですよね。また、新エネルギー・産業技術総合開発機構ですか、NEDOですね、なんかも資金援助プログラムをやっていると思うんですが、それとは別に、更になぜこの機構が必要なんでしょうか。
この発言のページ
175木木村直人内閣府科学技術・イノベーション推進事務局審議官
ただいま産総研のお話もございました。国立研究開発法人産業技術総合研究所では、経済及び産業の発展等に資することを目的として、主として研究開発を行っている、研究開発そのものを行っているということであります。
一方で、今回のGSC構想における新法人でございますけれども、この法人の目的は、新たな事業創出及びその成長発展を促進するための環境を整備し、イノベーション創出の活性化に寄与することでございます。つまり、国内外問わずスタートアップ、企業、投資家等を招聘して、研究開発から事業化支援、海外展開までを一気通貫で一体的な支援を提供するものとされております。
この…
この発言のページ
- (上の発言)
176
大門実紀史(共産)
これは単なる研究機構の設立の話でもなくて、また従来の研究機関と同列の話でもなくて、やはりちょっと随分踏み込んだ、これからの日本の科学技術の方向性をこのGSC構想は示しているんじゃないかと。その点からすると二つの問題点があるんではないかというふうに、内閣委員会でも議論したことあるんですが、思います。
一つは、政府の成長戦略に従って、当面の目先の経済界の利益を優先する研究と、いかに早く実用化するかというような視点ですよね。これは、以前から問題になっているように、基礎研究が軽視されて日本の研究力、国力が落ちているということの指摘がされているにもかかわらず、相変わらずといいますか、更にまたこういうところにお金を使っていくと。基礎研究に対する支援はなおざりにしたまま更にこういうところに体制もお金も使っていくという点で、そういう根本的な日本の科学技術の方向性、政策の方向性について問題があるというふうに一つは思うわけですね。
二つ目は、この研究の重点分野に、スタートアップ支援に軍事分野、デュアルユースが含まれているということなんですね。これは決して日本経済の発展につながるものじゃなくて、日本の技術発展の足かせにもなりかねないということで、これも大臣と内閣委員会で議論したんですけれども、その二つの点が非常に感じられるというか、踏み込んでいる構想ではないかと思うんですね。
まず、基礎研究がおろそかにされてきた問題なんですけれども、言うまでもなく、いろんなイノベーションというのは源はみんな基礎研究でございます。ところが、一九九五年の科学技術基本法制定以降、日本の科学技術政策というのは、どんどん、何といいますか、将来、中長期的よりも近視眼的になって、早く成果を出せ、早く実用化しろというような流れになってきて、研究者は、とにかく自由に自分の研究をやっていってもらえばもらうほどいろんなものが後々イノベーションにつながってくる、自由な研究というのは大事なわけなんですね。そういう基礎研究は大変大事なわけでございます。
ところが、すぐ役に立つのか立たないのかという議論が、本当に、小泉構造改革以来かなりされてきたのを見てまいりましたけど、とにかく、全てのイノベーションというのは基礎研究がベースになっているわけですね。
例えば、私たちは今スマホを使っていますよね。あのスマホで、地図アプリで位置が正確に出ますよね。あれはGPSなんですけれども、あれ、実は正確な位置を確定するときに相対性理論が使われているんですよね。相対性理論というのは、アインシュタインが発明したときは何の役に立つかと誰も関心を持たなかったのが、もちろん核エネルギーを発見するとかなっているんですが、そういう、申し上げたいことは、基礎研究、基礎理論が全て今私たちの生活に関わっているという点で大変重要なわけなんですけれども、依然ずっとおろそかになってきております。
ほかの国との比較、時間の関係で全部申し上げませんが、かつて日本は基礎研究も含めて科学技術を先導する立場だったんですけど、今では中国、インド、韓国などに追い越されておりまして、特に基礎研究の成果では韓国に抜かれているような状況でありますよね、論文の数からいって。日本は、研究論文の数は日本は世界で五位らしいんですが、基礎研究の論文は韓国に抜かれておりますし、中国は基礎研究も応用研究も論文で世界一というようなことになっているわけでございます。
これ、政治の課題として、長年、長いこと基礎研究の問題は言われてまいりましたけれど、これは大臣にお聞きしたいと思いますけれども、なぜ、常に基礎研究大事だと言われながら、こうやってどんどん基礎研究の研究力、国力が落ちていっているのかと。その辺は、これはもう党派を超えたみんなの課題だと思うんですが、大臣はいかが認識されておりますか。
177
小野田紀美(自民)内閣府特命担当大臣(クールジャパン戦略・知的財産戦略・科学技術政策・宇宙政策・人工知能戦略・経済安全保障)
なぜと言われたら、非常に、これですと言うのは難しいところではあるんですけれども、ただ、先生の問題意識、まさに党派を超えて同じでございまして、まさに近年、トップクラス論文などの指標において我が国の研究力の低下傾向も示されておることにも大きな危機感を持っていますし、また国力の源泉とも言える科学技術イノベーションの推進に向けては、科学技術人材を継続的に輩出し、新たな知を生み出すための基礎研究力を強化することによる科学の再興が重要だというふうに我々も考えております。
このため、四月から開始した第七期科学技術・イノベーション基本計画においては、国立大学法人運営費…
この発言のページ
178
大門実紀史(共産)
科学技術・学術政策研究所というのがございまして、科学技術指標二〇二五というのがあるんですけど、これを見ますと、主要国、日本、アメリカ、ドイツ、フランス、イギリス、中国、韓国の七か国で、日本の研究開発費は全体として、アメリカ、中国、日本と三番目なんですよね、二十・四兆円で。ただ、内訳を見ると、企業が十六・一兆円、大学は二・三兆円、ほかの公的機関が一・八兆円となって、企業の研究開発が非常に増えているんですよね。
アメリカは、別の資料でアメリカのことを調べてみたら、アメリカも研究開発に占める公的比率というのは実はずっと下がってきておりまして、今はIT大企業、…
この発言のページ
179木木村直人内閣府科学技術・イノベーション推進事務局審議官
お答え申し上げます。
GSC構想におきましては、ディープテック分野の研究開発、そして事業化を支援するということが目的でございます。このディープテック分野、ですので特定の分野ということに限定をしたものではございません。
研究成果の性質によっては、いわゆるデュアルユース、それは防衛分野にも応用可能なものが含まれる場合も当然出てこようかと思います。こういったデュアルユースを扱う場合も、対象とする場合もありますし、それが基になったスタートアップ、こういったものが創設されるということにもつながる、そういった可能性は当然あると考えております。
この発言のページ