非常に重要な問題提起だというふうに思います。
まず、大前提、これは絶対に私としては間違ってはいけないと思っていることは、今回のAI特例は、個人の権利利益を侵害しても、それでもAI開発をしてもよいというものにはなっていません。個人の権利利益を害するおそれがない開発に限られるということなので、まず、てんびんの議論ではないというのが大前提です。ここがそもそもずれてしまうと、てんびんなんだ、だから駄目だということになるとちょっと議論がずれてしまうので、そこはまず大前提かなというふうに思います。
その上で、じゃ、本当にその個人の権利利益を害するおそれがないということがどのように担保されるんだということでいいますと、私、先ほど黒田先生がおっしゃった、安全管理措置とミニマイゼーションが担保されるんだったらあり得るんじゃないかというコメントがあったと思いますけれど、安全管理措置についてはハードローで規定があります。ハードローというのは、現在の現行の個人情報保護法上、このAI開発をする事業者は安全管理措置義務が掛かります。その安全管理措置義務をより具体化した方がよいということであれば、それはガイドラインなりなんなりに書き込んでいくべきだと思いますし、日本のガイドラインは、なければならないと書かれている規定については法律違反として行政処分の対象になるという、そういう形になっておりますので、ハードローに準じた形でかなり厳しくなっていると。他方で、ミニマイゼーションの議論に関しては少し弱い面があるというのは御指摘のとおりかなというふうに思います。
ただ、私の考えとしては、セクター別の法令と一般法令はやっぱり分けて議論をすべきだと思っていまして、セクター別はセクターごとの御事情があります。それは、データの持ち方であったり、先ほどハッシュ化の議論がありましたけれども、ハッシュ化してそれを突合できるかどうなのかは、データの持ち方によってこれは異なります。ですから、セクター別の議論は、もちろんセクター別、非常に重要で、医療関係のデータについてはもちろんそれは重要だと思うんですけれども、だから一般法のところをいじっていくということになりますと、それは非常に波及効果が大きいですので、そこはちょっと分けて考えるべきかなというふうに思っております。
以上です。
100
伊波洋一政府参考人など
今日の議論でもありましたけれども、石川参考人もお話をしておりましたが、そういう統計という手法を通して本人同意を取らない仕組みをつくっていく、つまり、そういう道を広げていくということを今、日本がやろうとしていることに対して、それは一つの方向だと。
でも、それが、いわゆるEUとかあるいはアメリカとか、その世界に、そこはもう法律はできていますので、すぐ直せば施行される。そうすると、そういう世界が日本で始まっていく。そうすると、その日本に始まっているビジネスがそういうところではまだ認められていないという状況が結局起こってしまうという可能性はありませんか。
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101石石川智也西村あさひ法律事務所・外国法共同事業パートナー弁護士
理論的には起こり得るというふうに思いますけれども、何かAIをモデル開発することがEUで禁じられているということではないんですね。これはそういうことではありませんので、何か統計特例によって作ったモデルを作ることがEUの規制に直ちに違反するといったようなことは当たらないのかなというふうに私は思います。
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102
伊波洋一政府参考人など
一般の全国民、市民、国民の個人情報保護というのとAI開発が何かてんびんに掛けられているような委員会になってしまっておりまして、今議論はですね。でも、それは掛けていいものかどうかと。そもそも個人情報保護を万全にしたままAI開発をしていくという手法、これは当然、先ほどの黒田参考人からもあったように、そういう道は当然あり得る。今EUはそれをやっているというふうに理解しているんですけれども、そういう道はあると思いませんか。
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- (上の発言)
103石石川智也西村あさひ法律事務所・外国法共同事業パートナー弁護士
非常に重要な問題提起だというふうに思います。
まず、大前提、これは絶対に私としては間違ってはいけないと思っていることは、今回のAI特例は、個人の権利利益を侵害しても、それでもAI開発をしてもよいというものにはなっていません。個人の権利利益を害するおそれがない開発に限られるということなので、まず、てんびんの議論ではないというのが大前提です。ここがそもそもずれてしまうと、てんびんなんだ、だから駄目だということになるとちょっと議論がずれてしまうので、そこはまず大前提かなというふうに思います。
その上で、じゃ、本当にその個人の権利利益を害するおそれがないということがどのように担保されるんだということでいいますと、私、先ほど黒田先生がおっしゃった、安全管理措置とミニマイゼーションが担保されるんだったらあり得るんじゃないかというコメントがあったと思いますけれど、安全管理措置についてはハードローで規定があります。ハードローというのは、現在の現行の個人情報保護法上、このAI開発をする事業者は安全管理措置義務が掛かります。その安全管理措置義務をより具体化した方がよいということであれば、それはガイドラインなりなんなりに書き込んでいくべきだと思いますし、日本のガイドラインは、なければならないと書かれている規定については法律違反として行政処分の対象になるという、そういう形になっておりますので、ハードローに準じた形でかなり厳しくなっていると。他方で、ミニマイゼーションの議論に関しては少し弱い面があるというのは御指摘のとおりかなというふうに思います。
ただ、私の考えとしては、セクター別の法令と一般法令はやっぱり分けて議論をすべきだと思っていまして、セクター別はセクターごとの御事情があります。それは、データの持ち方であったり、先ほどハッシュ化の議論がありましたけれども、ハッシュ化してそれを突合できるかどうなのかは、データの持ち方によってこれは異なります。ですから、セクター別の議論は、もちろんセクター別、非常に重要で、医療関係のデータについてはもちろんそれは重要だと思うんですけれども、だから一般法のところをいじっていくということになりますと、それは非常に波及効果が大きいですので、そこはちょっと分けて考えるべきかなというふうに思っております。
以上です。
104
伊波洋一政府参考人など
今回の法令は、一般法が本来ならば要配慮情報を個人を特定させるものとは一緒にしてはならないというものだったのが、それはいいと、統計等を目的としていいという。それで、統計等目的は一体どういうものかということについての概念も必ずしもない。そういう中で、まさにそういうところに大きな不安と不信が生まれていると思うんですよね。だから、そのことも含めて、私たちはもうこの間、先ほどからの議論であるんですけれども、もうAI開発のために必要であるということでは必ずしもないのではないかと。
最後に黒田先生にお伺いしますが、もっと、今のその医療の立場からも、やはりそういう今の…
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105黒黒田知宏京都大学医学部附属病院医療情報企画部教授
ありがとうございます。
みだりに不安をあおるものではないと思うのですけれど、ないと言ったらうそになるというのが正直なところだろうなというふうには思います。
結局、そもそも、これまで、要配慮個人情報は突合できないから特別な法律を作り、突合するのであれば特別な認可を受けさせ、それによって全てを守るということをやってきたわけです、国家として。今回、それの大転換になっちゃっていると、少なくとも要配慮個人情報という領域についてはということは間違いなくて、それをどう受け止めるかという議論だと思うのですね。
それを受け止めるときに不安だと思う人がもしもおられるの…
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106
伊波洋一政府参考人など
もう時間になりましたから終わりますけれども、やはりいろいろ問題があるということが今回明らかになったのではないかと思います。
以上です。ありがとうございました。
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