八代尚宏昭和女子大学特命教授

2026年3月24日・第221回国会 参議院 予算委員会公聴会 第1号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 141 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 267 発言)

ありがとうございました。

先ほどの議員の方の質問と続きになるわけなんですが、これまでは、もうちょっと長い目で見ますと、日本というのはやはり人口がずっと増えてきたわけですよね。ですから、その増えてきた人口をどう養うかということでどんどん分散してきたわけですね、山林を切り開いて畑を作って、そこで食料を増産して。それが今逆転しているわけで、人口が減ってきている中で、これまでの人口がどんどん広がってきたというのを逆方向にしないとやっぱりもたないんじゃないか、それがある意味で正しい地域の均衡ある発展だと思うんですよね。

ところが、田中角栄総理が考えたことは、人々は自分が生まれた土地でずっと生活できるのがいいことだと、移動するのは望ましくないという考え方で、今いるところに居続けながら何とか所得を公平にしようということで、高米価政策とか地方に重点を置いた公共投資をやってきたわけですが、もうそれはできないということをまず前提で考えないといけない。だから、そのときに、人々に勝手に移動しろというんじゃなくて、人々が移動するのを支援するということが大事だと思います。

ですから、これは増田さんが昔言われた、岩手県知事のときに言われた、造らない公共事業というコンセプトなんですよね。これは、ダムで水没した村から人々が移動するときに、公共事業費を使って移転先に住宅を造ったりいろんなことをすることで、こういうことが私はこれからの広い意味の政治として必要なんじゃないか。

それぞれ、今高齢者も含めて住んでいる小さな町とか村をそのまま維持しようというんじゃなくて、何とか移動することに支援することで、できるだけお互いの人々がコストを少なくして集中して、それぞれの地域の主要な都市に集中して住めるようにしていく、いわゆるコンパクトシティーについての考え方ですよね。青森県は、昔から豪雪地帯なので青森市が雪かきをしなきゃいけない。そのときに、際限なく雪かきはできないから、限られた地域の雪かきをするという概念を打ち出したわけですが、この概念はこれからの過疎地域の対策にとって不可避なものじゃないかと思っております。

以上です。

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