参政党の安達悠司です。
会派を代表して、刑事訴訟法改正案に賛成の立場から討論を行います。
今回の刑事訴訟法改正案は、刑事裁判の再審に関する手続を整備するものです。再審は、三審制に基づく我が国の刑事裁判によって有罪が確定した者に対し、例外的に裁判のやり直しを行う手続です。
今までの刑事訴訟法では、再審の具体的な証拠開示のルールが明白でなく、審理の期限が見えず、長期化する例が見受けられました。そこで、裁判所による証拠提出命令の創設や検察官抗告の原則禁止規定など、再審に関する新しいルールが盛り込まれるとともに、即時抗告期限の延長、決定日の通知など、再審手続規定が整備され、無罪確定時の弁護人報酬も含めた費用補償の規定も盛り込まれました。
また、法務省の作成した政府案は、与党内の議論による修正を経て衆議院に提出されました。そしてさらに、参政党の要望した修正案により、任意の証拠開示の在り方と五年後の見直し対象が明文化されました。
具体的には、附則四条二項により、検察官による任意の証拠開示を、従来の運用を後退させないことはもとより、これまで以上に事案に応じて適切に行うものであることが、本会議での総理答弁や委員会での法務大臣答弁によっても確保されています。また、証拠一覧表と目的外使用禁止規定についても、五年後の見直し対象として明記されることとなりました。
刑事訴訟法の教授である成瀬参考人は、附則の修正も含めて、この法案は、裁判官や検察官に明確な行動指針を示し、再審開始決定や無罪判断の確実性を高めるもので支持できると評価され、また、令和八年六月十七日の日本弁護士連合会の会長談話では、更なる修正が必要としつつも、前進した内容であると評価できる面もあるとされています。
このように修正が積み重ねられたことで、完全とは言えませんが、参政党としては本法案に賛成することにいたしました。
参政党として、次の三つの観点から、賛成した理由を説明します。
一つ目は、誤判による冤罪からの救済にとって前進した内容であること、二つ目は、被害者のプライバシーや捜査協力などにも配慮した内容にすべきであること、三つ目は、我が国のグローバル化が進む中で、我が国の刑事司法に対する信頼を高め、国家の適正な刑罰権を確保する内容にすべきであることです。
第一に、冤罪からの救済の観点から説明します。
誤った裁判により罪のない人が処罰されることは、決して許されません。
今回の証拠提出命令は、裁判官が検察官に対し、再審請求理由に関連する証拠の提出を求めるものです。この関連性は、相当の広がりを持つもの、持つ概念とされ、再審請求理由の判断に資するという意味であり、後から再審請求理由を追加、変更することも可能とされています。
他方、関連性の要件をなくしてしまうと、再審請求理由の有無を審理するという行動指針を見失い、多数の証拠提出命令が繰り返されることも予想され、これに対応する裁判所の審理に遅延が生じて、かえって誤判からの迅速な救済を妨げてしまうおそれもあると指摘されています。
また、検察官抗告を原則禁止としていますが、完全禁止にすべきとの議論もあります。しかし、再審開始とは、一度は確定して、それらを前提に社会が動いているところの有罪判決を見直すということを意味し、重大な効果を持つため、その判断の正しさに疑いの余地を残すものであってはなりません。再審開始事由に疑問の余地を生じたまま再審公判に移行すると、かえって事実認定をめぐり争いが長期化してしまうことがあり、再審開始決定の判断の正しさにつき、多層的な検証を必要とする事案もあると指摘されています。
以上の点に大きな意見の対立がありましたが、少なくとも、証拠提出命令という新しい制度が創設されたことや検察官の抗告が原則禁止とされたことは、真相の解明、冤罪からの救済にとって大きな前進であると評価できるものです。
第二に、被害者のプライバシーや捜査協力等の観点から説明します。
我が国で人が被害者となった刑法犯の認知件数は、令和六年で五十六万件を超えています。平成十四年のピーク時の二百四十八万件超から大きく減少しましたが、それでも、いつ誰が被害者になるとも限りません。
犯罪被害に遭った場合、犯人を処罰するために、捜査機関である警察や検察官に被害を申告し、実況見分、写真撮影、調書の作成など、多くの時間と労力を掛けて捜査に協力し、自分や家族の情報を話すことにもなります。こうした情報や提供した写真や動画などが適正に利用され、万が一にも外部に流出して二次被害に遭わないことも重要です。
また、真相の解明や冤罪の、冤罪からの救済が重要であることは言うをまちませんが、調査手続の要件緩和や証拠提出命令の運用により、今後、被害者のプライバシーや裁判所、捜査機関にどのような影響が出るのかは慎重に見極める必要があると思います。
なお、法案には被害者の名誉やプライバシー、手続負担への配慮も盛り込まれており、被害者支援を担う弁護士である宇田参考人からは、かなりバランスを考慮して、失礼、かなりバランスを熟慮して構築された法案と評価されています。
第三に、グローバル化が進む中で、我が国の適正な刑罰権を確保する観点から説明します。
そもそも我が国は、世界各国の中でも犯罪発生率が低く抑えられており、大変治安の良い国の一つであると言えます。これは、我が国の歴史や文化や風土など様々な要因も考えられますが、捜査機関による高い検挙率や確実な有罪判決、そして、刑事司法に対する国民の信頼と協力が我が国の治安の良さに大きく影響していると思います。これは、我が国の刑事司法制度の成果であると言うこともできます。
他方で、多くの再審無罪事件を通じて、捜査や公判の在り方等の重大な課題が明らかになることがあります。先日公表された福井女子中学生殺人事件に関する名古屋高等検察庁の調査報告書もその一つです。これを読むと、四十年近く前の補充捜査や取調べの在り方、供述評価の考え方などに大変問題を感じます。
こうした課題への反省や教訓を人材育成や組織風土の改革に生かし、我が国の捜査や裁判の強みは生かしつつ、より良い在り方へ変えていく必要があります。そのためには、刑事司法を担う人材育成、司法戦略の策定や予算の確保など、積極財政が必要です。捜査機関が国民に信頼され、犯罪発生率が低く、治安の良い日本は、国民皆が望む大切な公共インフラではないでしょうか。
また、二十一世紀に入り、国境を越えた犯罪の処罰、犯罪の増加、外国人に対する刑事裁判、外国との捜査協力などの動きがますます進んでいます。
近年、不法滞在者ゼロプランの中で指摘される国内六万八千人余りの不法残留者や不法就労など入管法違反の犯罪、さらには、インターネットを通じた詐欺被害や、SNSにより犯罪に巻き込まれるケースが増えています。
こうした犯罪の捜査や処罰は、我が国の警察や検察の捜査能力を向上させるとともに、国境を越えた捜査、外国との捜査協力、そして海外の組織や団体に対しても適正な捜査権や刑罰権を行使し得る仕組みを築いていく必要があります。そのためにも、自立した公正な刑罰の実現を確保し、かつ我が国の刑事司法が対外的にも信頼される必要があります。
国会で時間を掛けて専門家の意見を聴取し、再審を通じて刑事司法の再審無罪事件の評価等を審議できたことは大変貴重な機会でありました。
今回の修正案は、再審請求審の手続を明確にし、検察官の証拠提出義務、抗告時の理由の公表などの制度も導入されています。今回の法案によって、我が国の治安をますます維持向上させ、刑事司法に対する国民の信頼を高めるとともに、高めることを期待し、あとは今後の運用を慎重に見極める必要があると考えます。
以上、冤罪からの救済によって前進した内容であるとともに、被害者のプライバシー等への配慮、国家の適正な刑罰権の確保などの観点を考慮し、今回の刑事訴訟法改正案に賛成いたします。
以上で参政党の討論を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
32
関口昌一議長
本案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。泉房穂君。
〔泉房穂君登壇、拍手〕
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33
泉房穂(立憲)
立憲民主・無所属の泉房穂です。
会派を代表し、ただいま議題となりました刑事訴訟法の一部を改正する法律案について、反対の立場から討論いたします。
なぜ反対なのか。それは、政府案が冤罪の被害者を確実に救済できる内容になっていないからです。迅速な救済ができる内容にもなっていません。私たち立法府が責任を果たしたと言えるような内容にもなっていないからです。どういうことですか。
まずは、確実な救済に関してです。
今回の立法趣旨は冤罪の被害者らの確実な救済とされていますが、冤罪の被害者の多くが、今の政府案では冤罪の被害者が救われないと言っているんです。
袴田…
この発言のページ
34
関口昌一議長
安達悠司君。
〔安達悠司君登壇、拍手〕
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- (上の発言)
35安安達悠司(参政)
参政党の安達悠司です。
会派を代表して、刑事訴訟法改正案に賛成の立場から討論を行います。
今回の刑事訴訟法改正案は、刑事裁判の再審に関する手続を整備するものです。再審は、三審制に基づく我が国の刑事裁判によって有罪が確定した者に対し、例外的に裁判のやり直しを行う手続です。
今までの刑事訴訟法では、再審の具体的な証拠開示のルールが明白でなく、審理の期限が見えず、長期化する例が見受けられました。そこで、裁判所による証拠提出命令の創設や検察官抗告の原則禁止規定など、再審に関する新しいルールが盛り込まれるとともに、即時抗告期限の延長、決定日の通知など、再審手続規定が整備され、無罪確定時の弁護人報酬も含めた費用補償の規定も盛り込まれました。
また、法務省の作成した政府案は、与党内の議論による修正を経て衆議院に提出されました。そしてさらに、参政党の要望した修正案により、任意の証拠開示の在り方と五年後の見直し対象が明文化されました。
具体的には、附則四条二項により、検察官による任意の証拠開示を、従来の運用を後退させないことはもとより、これまで以上に事案に応じて適切に行うものであることが、本会議での総理答弁や委員会での法務大臣答弁によっても確保されています。また、証拠一覧表と目的外使用禁止規定についても、五年後の見直し対象として明記されることとなりました。
刑事訴訟法の教授である成瀬参考人は、附則の修正も含めて、この法案は、裁判官や検察官に明確な行動指針を示し、再審開始決定や無罪判断の確実性を高めるもので支持できると評価され、また、令和八年六月十七日の日本弁護士連合会の会長談話では、更なる修正が必要としつつも、前進した内容であると評価できる面もあるとされています。
このように修正が積み重ねられたことで、完全とは言えませんが、参政党としては本法案に賛成することにいたしました。
参政党として、次の三つの観点から、賛成した理由を説明します。
一つ目は、誤判による冤罪からの救済にとって前進した内容であること、二つ目は、被害者のプライバシーや捜査協力などにも配慮した内容にすべきであること、三つ目は、我が国のグローバル化が進む中で、我が国の刑事司法に対する信頼を高め、国家の適正な刑罰権を確保する内容にすべきであることです。
第一に、冤罪からの救済の観点から説明します。
誤った裁判により罪のない人が処罰されることは、決して許されません。
今回の証拠提出命令は、裁判官が検察官に対し、再審請求理由に関連する証拠の提出を求めるものです。この関連性は、相当の広がりを持つもの、持つ概念とされ、再審請求理由の判断に資するという意味であり、後から再審請求理由を追加、変更することも可能とされています。
他方、関連性の要件をなくしてしまうと、再審請求理由の有無を審理するという行動指針を見失い、多数の証拠提出命令が繰り返されることも予想され、これに対応する裁判所の審理に遅延が生じて、かえって誤判からの迅速な救済を妨げてしまうおそれもあると指摘されています。
また、検察官抗告を原則禁止としていますが、完全禁止にすべきとの議論もあります。しかし、再審開始とは、一度は確定して、それらを前提に社会が動いているところの有罪判決を見直すということを意味し、重大な効果を持つため、その判断の正しさに疑いの余地を残すものであってはなりません。再審開始事由に疑問の余地を生じたまま再審公判に移行すると、かえって事実認定をめぐり争いが長期化してしまうことがあり、再審開始決定の判断の正しさにつき、多層的な検証を必要とする事案もあると指摘されています。
以上の点に大きな意見の対立がありましたが、少なくとも、証拠提出命令という新しい制度が創設されたことや検察官の抗告が原則禁止とされたことは、真相の解明、冤罪からの救済にとって大きな前進であると評価できるものです。
第二に、被害者のプライバシーや捜査協力等の観点から説明します。
我が国で人が被害者となった刑法犯の認知件数は、令和六年で五十六万件を超えています。平成十四年のピーク時の二百四十八万件超から大きく減少しましたが、それでも、いつ誰が被害者になるとも限りません。
犯罪被害に遭った場合、犯人を処罰するために、捜査機関である警察や検察官に被害を申告し、実況見分、写真撮影、調書の作成など、多くの時間と労力を掛けて捜査に協力し、自分や家族の情報を話すことにもなります。こうした情報や提供した写真や動画などが適正に利用され、万が一にも外部に流出して二次被害に遭わないことも重要です。
また、真相の解明や冤罪の、冤罪からの救済が重要であることは言うをまちませんが、調査手続の要件緩和や証拠提出命令の運用により、今後、被害者のプライバシーや裁判所、捜査機関にどのような影響が出るのかは慎重に見極める必要があると思います。
なお、法案には被害者の名誉やプライバシー、手続負担への配慮も盛り込まれており、被害者支援を担う弁護士である宇田参考人からは、かなりバランスを考慮して、失礼、かなりバランスを熟慮して構築された法案と評価されています。
第三に、グローバル化が進む中で、我が国の適正な刑罰権を確保する観点から説明します。
そもそも我が国は、世界各国の中でも犯罪発生率が低く抑えられており、大変治安の良い国の一つであると言えます。これは、我が国の歴史や文化や風土など様々な要因も考えられますが、捜査機関による高い検挙率や確実な有罪判決、そして、刑事司法に対する国民の信頼と協力が我が国の治安の良さに大きく影響していると思います。これは、我が国の刑事司法制度の成果であると言うこともできます。
他方で、多くの再審無罪事件を通じて、捜査や公判の在り方等の重大な課題が明らかになることがあります。先日公表された福井女子中学生殺人事件に関する名古屋高等検察庁の調査報告書もその一つです。これを読むと、四十年近く前の補充捜査や取調べの在り方、供述評価の考え方などに大変問題を感じます。
こうした課題への反省や教訓を人材育成や組織風土の改革に生かし、我が国の捜査や裁判の強みは生かしつつ、より良い在り方へ変えていく必要があります。そのためには、刑事司法を担う人材育成、司法戦略の策定や予算の確保など、積極財政が必要です。捜査機関が国民に信頼され、犯罪発生率が低く、治安の良い日本は、国民皆が望む大切な公共インフラではないでしょうか。
また、二十一世紀に入り、国境を越えた犯罪の処罰、犯罪の増加、外国人に対する刑事裁判、外国との捜査協力などの動きがますます進んでいます。
近年、不法滞在者ゼロプランの中で指摘される国内六万八千人余りの不法残留者や不法就労など入管法違反の犯罪、さらには、インターネットを通じた詐欺被害や、SNSにより犯罪に巻き込まれるケースが増えています。
こうした犯罪の捜査や処罰は、我が国の警察や検察の捜査能力を向上させるとともに、国境を越えた捜査、外国との捜査協力、そして海外の組織や団体に対しても適正な捜査権や刑罰権を行使し得る仕組みを築いていく必要があります。そのためにも、自立した公正な刑罰の実現を確保し、かつ我が国の刑事司法が対外的にも信頼される必要があります。
国会で時間を掛けて専門家の意見を聴取し、再審を通じて刑事司法の再審無罪事件の評価等を審議できたことは大変貴重な機会でありました。
今回の修正案は、再審請求審の手続を明確にし、検察官の証拠提出義務、抗告時の理由の公表などの制度も導入されています。今回の法案によって、我が国の治安をますます維持向上させ、刑事司法に対する国民の信頼を高めるとともに、高めることを期待し、あとは今後の運用を慎重に見極める必要があると考えます。
以上、冤罪からの救済によって前進した内容であるとともに、被害者のプライバシー等への配慮、国家の適正な刑罰権の確保などの観点を考慮し、今回の刑事訴訟法改正案に賛成いたします。
以上で参政党の討論を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
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関口昌一議長
小林さやか君。
〔小林さやか君登壇、拍手〕
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小林さやか(国民)
国民民主党・新緑風会の小林さやかです。
私は、会派を代表して、ただいま議題となりました刑事訴訟法の一部を改正する法律案に反対の立場から討論を行います。
今回の再審法改正の目的、それは、無辜の人を罰することはあってはならず、誤判からの速やかな救済のために必要な手続を確実に制度として保障するということです。その点において、与野党の立場を超えて一致し、本日まで議論を重ねてまいりました。
近時相次いだ再審無罪事件において共通している最も重要な課題は、誤判を是正するために必要な証拠にたどり着けるかどうかが運用に任されていたということです。すなわち、たまたま当…
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38
関口昌一議長
佐々木雅文君。
〔佐々木雅文君登壇、拍手〕
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