秋野公造 (公明党)

2026年7月8日・第221回国会 参議院 本会議 第26号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 11 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 54 発言)

公明党の秋野公造です。

私は、ただいま議題となりました下水道法等の一部を改正する法律案につきまして、公明党を代表して質疑を行います。

法改正の背景には、下水管の破損に起因する痛ましい大規模な道路陥没事故が発生し、尊い命が失われたこと、全国的に施設が老朽化していることにあります。法律の目的に、下水道の基盤の強化が明示されることを高く評価をいたします。

その観点から、まずは国が取組を示すことが重要であり、重要物流道路と鉄軌道の地下に埋設される下水管の点検を行い、まずは必要な修繕を行うことを提案したいと考えますが、国交大臣の見解を求めます。

その上で、点検には非破壊検査が用いられることになると思います。非破壊検査の重要性についてどう評価をしているか、また、下水管の老朽化をどのように評価して、何をもって修繕を行うのかといった基準を定める必要があると考えますが、国交大臣の御見解をお伺いをいたします。

また、政府が作成した下水道法改正案を説明するポンチ絵には、ドローンを活用した点検、診断のイメージが示されています。狭い管路をGPSを用いないでドローンで点検できる仕組みを推進すべきと考えます。

一方で、点検にあっては、下水道のメンテナンス事業においては、ドローンの操作が得意ではなく、ドローン事業者は管路の危険性に十分対応できる能力を持ち合わせていません。硫化水素の発生など人命に関わる下水道の点検をドローン事業者に行わせるのは無理があるように思います。

下水道のメンテナンス事業者がドローンの操作に習熟して、安全性を知るプロとして実施をすることが現実的だと思いますが、国交大臣の御見解をお伺いをしたいと思います。

さらに、ドローンの供給に応じて利活用する立て付けでは点検の推進は困難だと思います。下水道メンテナンス事業者がドローンを保有し、操作できる人材を育成し、活用を推進するための支援を行ってはどうかと提案をいたしますが、国交大臣にお伺いをいたします。

次に、下水道の基盤の強化についてお伺いをします。これからどのように対応するか議論を深めることは重要であり、これまでの経緯を検証することも重要であります。過去の経緯とこれからの対策が相対するものになっているかという観点から質疑をいたします。

まずは、強靱で持続可能な下水道の実現に向けて、各地域で適時適切に維持管理、改築できるよう国が役割を果たしてきたのかについてお伺いをいたします。

今後も、下水道の維持管理・更新費用は増加していきます。下水道の管路やポンプ場に係るコストは、人口が維持されている限り経済合理性が高いことは広く共有されておりますが、その目安とされてきたのが、人口密度が一ヘクタール当たり四十人以上の地区が連なって五千人以上の集積がある人口集中地域です。

現時点で人口集中地域に住む人口の割合は約七〇%。一方で、生活排水のインフラのうち下水道が占める割合は九割を超え、下水道の整備は過剰の状態です。これまでの下水道整備の在り方はバランスが取れたものであったのか、国交大臣の見解を伺います。

政府は、二〇一五年に水循環基本計画を定めて、地域で下水道と浄化槽のどちらで整備するのがふさわしいのか、それぞれ要する経費を比較した上で方針を決定する都道府県構想に基づいて対応するとしました。水循環基本計画を定めた二〇一五年以降、地域における経済合理性に基づく選択は進んだのか、その進捗について国交大臣の見解を求めます。

今後、下水道の老朽化状況を把握して、戦略的な再構築を行うことは重要です。一方で、人口集中地域を含まない市町村で再び下水道による再構築を行っていくのなら、それは更新と借金の連鎖を繰り返すことになります。

今後、下水道区域の見直しに当たり、現時点で都市的地域を含まない市町村においてどう再構築していく方針なのか、どのように技術的助言を行うのか、国交大臣の見解を求めます。

あわせて、今後、人口が減少して人口集中地域を含まなくなる市町村に対する技術的助言の内容についてお伺いをします。

これまで下水道の整備に要した事業債は、維持管理料と合わせて、下水道使用料によって償還する立て付けです。しかしながら、市町村においては、市民の支払う下水道使用料が、下水道の維持管理に充てられた上で、建設のための事業債の償還に適切に充てられてきたとお考えでしょうか。国交大臣の見解を求めます。

あわせて、不足分を埋めるために、下水道を利用しない住民も含めて納めた税である一般会計から繰入れを行ってきたことに合理性はあるとお考えですか。国交大臣の見解をお伺いします。

今後、下水道区域の見直しを踏まえ、下水道事業の財政収支の在り方についてどのように市町村に対する技術的支援を行っていくおつもりか、国交大臣の見解をお伺いします。

総務省は、過去に、自治体の一般会計の繰入れに対して、下水道事業費の繰り出し基準を見直して、公費の繰入れの範囲を広げ、交付税措置を行ってきました。その結果、下水道財政は健全に見えるようになりました。

しかし、その後、市町村においては使用料の引上げを先送りする傾向となり、住民の立場では、下水道の使用料は安い、浄化槽の維持管理費用は高いという状況と認識を広めてしまったことは残念です。

これでは、下水道と浄化槽の選択に当たり、価格を通じた合理的選択は機能しなかったのではないかと思う部分があります。総務大臣に御見解をお伺いします。

さらに、下水道の使用料を上げにくくなった結果、下水道の維持管理費用が不足したのではないかとも考えますが、国交大臣の見解を求めます。

今後も、適地で適時適切なインフラ整備は重要です。法改正以降の交付税措置についてどのような方針としていくのか、総務大臣の見解を求めます。

雨水処理経費は、本来、汚水処理とは切り分けるべきものです。雨水管と汚水管を分けて、汚水のみ最終処理場に流す方式は、インフラを維持する観点からも、大雨の際に公共用水域の水質を保全する観点からも合理的でありますが、今後の汚水管と雨水管の整備の在り方について国交大臣の見解を伺います。

市町村においては、これまで雨水も含めて公費措置が行われ、人口密度が低く、汚水処理単価が高額になる市町村ほど公費繰入れがしやすく、総務省はその七割を交付税措置の対象としてきました。今後も、特に小規模な市町村が、下水道若しくは浄化槽を経済合理性に基づいて適切に選択できるよう支えていただきたいと要望いたしますが、総務大臣の見解を求めます。

能登地震の後、珠洲市においては、全国浄化槽団体連合会の支援を受けて、下水道から浄化槽に転換する取組を支援しました。人口集中地域を含まない市町村が、下水道ではなく浄化槽に転換するニーズは高いと考えます。

既に下水道の撤去及び浄化槽の設置に対する予算措置が準備をされておりますが、規模が小さい市町村が下水道区域を見直す場合は、下水道の撤去、浄化槽の転換に期間限定でも手厚く支援をしてはどうかと考えますが、御見解をお伺いいたします。

下水道の後年度負担を減少させる効果を見込んで、国交省も財政支援を検討すべきだと考えますが、国交大臣の見解を求めます。

最後に、下水道法の理念にも浄化槽法の理念にも、公共用水域の水質保全が示されています。だからこそ、下水道インフラの強靱化は今後とも重要であります。

そして、下水道を撤去して浄化槽が設置されないならば、公共用水域の水質保全は維持できません。国交大臣におかれては、公共用水域の水質保全のために、下水道区域の見直しに基づく浄化槽の転換は国交省も責任を負う、その決意を力強く答弁してくださいますようお願いを申し上げまして、私の質問といたします。

御清聴ありがとうございました。(拍手)

〔国務大臣金子恭之君登壇、拍手〕

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