川村雄大 (公明党)

2026年5月13日・第221回国会 参議院 本会議 第12号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 16 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 37 発言)

公明党の川村雄大です。

私は、会派を代表し、ただいま議題となりました健康保険法等の一部を改正する法律案について、内閣総理大臣並びに厚生労働大臣に質問をいたします。

本法律案は、持続可能な医療保険制度の実現に向け、世代間及び世代内の負担の公平を図りながら、給付と負担の在り方を見直すものです。

その中には、出産に伴う妊婦の経済的負担を軽減するための給付体系の見直し、国民健康保険における子供に係る均等割保険料軽減の拡充、医療機関の勤務環境改善など、公明党がこれまでも一貫して取り組んできた政策課題を前に進める内容も含まれております。

しかし、その改革は何のために行うのか。それは、言うまでもなく、国民の命を守るためであります。とりわけ高額療養費制度は、病に直面した方が経済的な理由によって治療を断念することのないよう支える、医療保険制度の根幹であります。

私は、消化器外科専門医として、多くの患者さん、そしてその御家族に、がんと診断をし、告知を行い、手術、薬物治療、終わりの見えない再発治療、緩和ケア、そして、おみとりの現場に向き合ってまいりました。その経験からあえて申し上げれば、高額療養費制度は、単なる医療費助成の仕組みにとどまらず、患者さんや御家族にとって、人生の最も厳しい局面でなお病に立ち向かう勇気を奮い立たせ、安心をもたらす、まさに命のセーフティーネットであります。だからこそ、その見直しに当たっては、何よりも患者さんと御家族の置かれた現実をどこまでも丁寧に見詰め、慎重に慎重を期すべきです。

そうした観点から、さきの予算審議においては、修正予算案が否決されたことは残念です。良識の府である参議院においては、制度の持続可能性と命のセーフティーネット機能の確保を両立させるための抜本的な改革の必要性などから、閣法に対して足らざる部分を補う修正案の提出も視野に入れ、以下、質問をいたします。

まず、高額療養費制度は、国民の生命、生活、生存を守る我が国の医療保険制度の中核的制度であると考えますが、この点について、改めて総理の基本認識を伺います。

衆議院の附帯決議においては、高額療養費制度が国民の生命及び生活を守る医療保険制度の中核的制度であることを明確にし、闘病に伴う収入変動、教育費を含む生活実態、家計への影響等について調査を行うこと、また、社会保障審議会の下の専門委員会における意見聴取を求めること等を定めています。衆議院でのこの附帯決議について、どう受け止めておられるか、総理の御見解を伺います。

療養に必要な費用の負担が、生活費や教育費、住宅ローンなどの経常的な支出を除いた家計の負担能力に応じたものとなるよう、精緻な制度設計が必要ですが、総理の御見解を伺います。

今般の見直し議論に当たり、社会保障審議会の下、専門委員会に患者団体が参加したことは評価いたしますが、具体的な自己負担引上げ額が提示されたのは最終回であり、丁寧さを欠いたとの指摘は免れません。今後、高額療養費制度の支給要件や支給額を定める際には、患者団体、医療従事者、学識経験者等の意見を制度設計に反映させることを法律上も明確にすべきではないでしょうか。総理の御見解を伺います。

政府は、今回の見直しに伴い、必要な受診は抑制されないとする答弁を重ねていますが、それでは、一千七十億円の医療費削減の積算の根拠は何なのでしょうか。分かりやすく御答弁いただきたいと思います。

実際には、現行制度下でも多くのがん患者さんが経済的負担を感じ、一部の患者さんには治療方針の変更を余儀なくされているとの研究結果も報告をされています。月額の自己負担上限額を引き上げるに際しては、十分に抑制された上限設定と、所得区分の更なる細分化を早急に進める必要があると考えますが、総理の御見解を伺います。

年間上限額の新設は、長期療養者等への配慮として一定の評価をいたしますが、当面償還払いである点は早急に現物給付とすべきですが、総理の御見解を伺います。

保険者変更時に多数回該当がリセットされることは、退職や転職を余儀なくされる現役世代の患者の生活を直撃する重大な課題です。早急に改善を図るべきと考えますが、総理の御見解を伺います。

CTやMRI等の画像検査等で診療が複数の医療機関にまたがる場合、七十歳未満の患者では二万一千円未満の費用は高額療養費として合算されない、いわゆる二万一千円の壁がいまだに運用されています。既に平成二十二年第百七十四回通常国会の予算委員会で、野党時代の我が党議員が重ねて指摘をしてきた課題です。世代間の負担の不公平そのものであるこの壁は速やかに取り払われるべきと考えますが、総理の御見解を伺います。

OTC類似薬の一部保険外療養については、昨年六月の自由民主党、日本維新の会、公明党の三党合意を踏まえ、適切な医療へのアクセスを守ることが重要です。四月二十二日の衆議院厚生労働委員会では、フェキソフェナジンを例示し、OTC医薬品に認められていない効能、効果のために医療用医薬品が処方される場合は、特別の料金の対象外とする旨の答弁がありました。その他の薬剤においても同様の措置が当然必要でありますから、医療用医薬品とOTC医薬品において効能、効果が異なる場合には、保険外療養の対象としないという点を条文にも明記すべきと考えますが、総理の御見解を伺います。

一部保険外療養で対応し得る疾患であっても、症状の再発時など受診の要否について迷うケースも想定されることから、必要かつ適切な受診が妨げられないよう、十分かつ合理的な配慮を行うべきと考えますが、総理の御見解を伺います。

出産に係る給付体系の見直しについて、標準単価は全国一律を目指すと承知をしておりますが、一口に正常分娩といっても経過は様々であります。加算の設定において、産科医療機関の経営実態、地域の周産期医療提供体制、医療機関の機能等を踏まえた柔軟な評価基準を設定し、合理的に配慮すべきと考えますが、総理の御見解を伺います。

二〇二六年度診療報酬改定では、地域医療体制確保加算二や、我が党の要望により、外科医療確保特別加算等が新設され、長時間高度手術を担う、高難度手術を担う外科医等の勤務環境、処遇改善を評価する方向が示されたことは歓迎いたします。今回、地域医療介護総合確保基金に新たに設けられる業務効率化、勤務環境改善の支援についても、こうした診療報酬上の評価と整合的に運用し、外科医療の維持確保に直結させるべきであると考えますが、この点について厚生労働大臣の御見解を伺います。

業務効率化、勤務環境改善に積極的、計画的に取り組む病院を厚生労働大臣が認定する際には、その基準をどのように定め、実効性をどのように評価するのでしょうか。また、基金により支援する医療DXについて、国が進める標準型電子カルテ、電子カルテ情報共有サービス等との互換性をどのように担保するのでしょうか。

基金によるDX支援が国の医療DX基盤と接続しなければ、病院ごとの個別最適やベンダーロックインを再生産することになりかねないと考えますが、総理の御見解を伺い、私の質問を終わります。

御清聴、誠にありがとうございました。(拍手)

〔内閣総理大臣高市早苗君登壇、拍手〕

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