窪田哲也 (公明党)

2026年5月8日・第221回国会 参議院 本会議 第11号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 14 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 25 発言)

公明党の窪田哲也です。

会派を代表して、政府提出の国家情報会議設置法案について、高市総理と木原官房長官に質疑を行います。

現下の国際情勢から、政策決定に資するインテリジェンス機能の強化は必要です。しかし、戦前の教訓や情報機関による過去の人権侵害事案などから、プライバシーの保護や政治的中立性を担保すべきとの声があるのも事実です。高市総理自らが強調されるように、国論を二分する政策だけに、議論の深化と国民への丁寧な説明が求められます。

初めに、情報戦の重要性について伺います。

諸外国に比べて、我が国のインテリジェンス機能は脆弱だと言われますが、その背景や要因についてどのように認識されていますか。仮に脆弱とするなら、どのような不都合が生じていると考えますか。総理の認識を伺います。

元米国家安全保障会議東アジア担当部長クリストファー・ジョンストン氏は、先月二十九日の日経新聞インタビューで、我が国のインテリジェンス機能強化について、米国は日本の情報機関の機能強化を歓迎するとしています。我が国は米国に対し、安全保障面で過度に依存してきましたが、同様にインテリジェンス面でも過度に依存してきたのではないかとの指摘があります。政府の認識はいかがでしょうか。また、そのことによって、例えばイラクの大量破壊兵器の問題など、我が国の政策判断に影響はなかったと考えますか。総理に伺います。

情報機能の強化に対し国民が懸念を抱くのは、活動の内容が明らかにされないため理解されにくいのに加え、公的記録が少なく、かつ歴史的にプライバシー権や思想、良心の自由の問題と結び付きやすいことにあると思われます。

木原官房長官に伺います。

外務省が発行する外交百年史のように、我が国になぜインテリジェンス通史が存在しないのでしょうか。政府が設置を目指す国家情報会議については、その議事録を作成し、配付文書、資料とともに公文書として適正な期間保存すべきと考えますが、政府の認識はいかがでしょうか。

我が国インテリジェンス機関の活動によって、過去、プライバシー権や思想、良心の自由、表現の自由、知る権利など、人権が侵害された事案があります。日弁連の意見書によると、公安調査庁による元公安調査庁職員へのプライバシー侵害、平成十六年二月二十五日東京高裁判決、岐阜県警によるプライバシー侵害、令和六年九月十三日名古屋高裁判決などです。

政府はそれらに対し、どのような認識を持っていますか。反省と対策はどうなっているのでしょうか。高市総理の見解をお尋ねします。

活動の範囲と政治的中立性、国民の権利保護について、四点、高市総理に伺います。

国家情報会議が調査審議の対象とする重要情報活動については、過度に広範になることなく、政策部門における対応のために必要と認められる範囲の情報に限ることが必要です。その旨、衆院内閣委員会の附帯決議にも盛り込まれています。

国家情報会議が調査審議の対象とする重要情報活動の範囲を教えてください。また、運用がその趣旨に沿ったものであることを誰がどのように判断、評価するのでしょうか。

衆院内閣委員会の附帯決議には、個人情報やプライバシーの保護への十分な配慮、目的外利用を厳に慎むことが盛り込まれました。趣旨に沿った運用であることを誰がどのように判断、評価するのでしょうか。

重要情報活動及び外国情報活動への対処に当たって、政治的中立性を損なう情報収集を行わないことも衆院内閣委員会の附帯決議に盛り込まれました。どう政治的中立性を確保するのでしょうか。例えば、日弁連は意見書で、独立した第三者機関による監督を制度化すべきと求めています。これに対する総理の見解はいかがでしょうか。

プライバシー保護や政治的中立性について、本法案が適正に運用されていることを示し、国民の懸念を払拭するため、活動内容を適時適切に国会に報告し、説明すべきと考えます。さらに、国家情報基本戦略には、プライバシー保護や政治的中立性の確保について、その具体的方策を盛り込むべきと考えますが、総理のお考えを伺います。

与党の連立政権合意書に盛り込まれた内容について尋ねます。

与党の連立政権合意書には、スパイ防止関連法の速やかな法案策定と、令和九年度までの対外情報庁創設が盛り込まれています。それぞれの法制化に向けた議論の現状、法案提出の見通しについて、総理、教えてください。

同合意書には、情報要員を組織的に養成するための機関として、令和九年度までに省庁横断的な情報要員養成機関の創設が盛り込まれています。どのような組織を想定しているのでしょうか。木原官房長官に伺います。

インテリジェンス機能の強化に当たっては、我が国同様に議院内閣制を取り、国家規模も似通っている英国をモデルとするのがふさわしいとの指摘があります。しかし、英国のインテリジェンスが強いのは、UKUSAの一員として、膨大な全UKUSAインテリジェンスシステムからデータと情報を引き出すことができるからだともされます。だからといって、米国のような資金、人員規模を簡単にまねすることもできません。我が国はいずれのインテリジェンス先進国をモデルに機能強化を図るのがふさわしいと考えますか。木原官房長官に伺います。

ジオイント分野において、独自衛星を持つ我が国は、一定の能力を保持しているものと理解しています。しかし、内閣衛星情報センターは、人的規模が限られていることや二十四時間体制でないことなど課題があります。政治的、地理的制約にとらわれない人工衛星による情報収集がますます重要となる中、同センターの体制強化に向けた考えについて、木原官房長官に伺います。

情報戦や認知戦が安全保障上の重要な領域となる中、偽・誤情報に対する国民の耐性を強化する必要があると考えます。近年、教育現場で情報リテラシー教育が進む一方、中高年がアルゴリズムなどの影響被害を受けやすいという問題や、災害時に偽・誤情報が拡散され、混乱を起こす問題も指摘されます。

情報リテラシーの向上が急がれる中、例えばフィンランドでは、隣国ロシアによる情報工作への対抗策として、メディアリテラシー教育が一定の成果を上げているそうです。そうした取組を参考にするなど、我が国も全ての世代を対象とした情報リテラシー教育に一層力を入れるべきと考えますが、総理の御所見を伺います。

世界秩序が大きく揺れ動き、我が国もまた、他国の影響力工作等によって平和と安全を脅かされかねません。そうした中で、公明党はあくまでも、国民合意を第一とする謙虚な姿勢で、漸進的に、国民の、国の根幹に関わる政策を進めることを誓い、質疑といたします。

御清聴ありがとうございました。(拍手)

〔内閣総理大臣高市早苗君登壇、拍手〕

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