堂込麻紀子 (国民民主党)

2026年5月8日・第221回国会 参議院 本会議 第11号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 11 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 25 発言)

国民民主党・新緑風会の堂込麻紀子です。

ただいま議題となりました国家情報会議設置法案について、会派を代表し、質問いたします。

国民民主党は、昨年十一月、そして本年三月に、外国による不当な影響力の行使の脅威に備える議員立法、インテリジェンスに係る態勢の整備の推進に関する法律案を衆議院に提出をいたしました。

同法案は、四月二十二日の衆議院内閣委員会で趣旨説明の聴取が行われ、政府案と並行して審議されるに至りました。残念ながら賛成少数で否決をされましたが、従前から国民民主党がインテリジェンス政策を国力を左右する重要政策の一つと位置付けてきたことを明確に示すことができ、国会論議の場において大きな足跡を残すことができたと考えます。

本日は、インテリジェンス政策に関する諸課題などについて、総理の率直なお考えをお聞きしていきたいというふうに考えます。

まず第一に、透明性や政治的中立、民主的統制と本法案の関係についてお伺いをしていきます。

国民民主党の議員立法では、インテリジェンスに係る態勢の整備の推進は、一つに、透明性を図ることが重要、二つに、政治的中立及び民主的統制が確保されるようにする、三つに、国家の存立に関わる重要な課題であるとの認識の下に行わなければならない、四つに、日本国憲法の保障する国民の自由と権利が尊重されなければならないと、それぞれ基本理念が規定をされております。

本法案で政治的中立の確保などが条文に盛り込まれていない理由として、衆議院内閣委員会において木原内閣官房長官は、国家情報会議設置法案は会議体を設置するいわゆる組織法であり、ほかの組織法では規定されていないようなことを本法案のみで規定するということは、法体系全体の中で特別な意味合いを付与してしまうおそれがある旨の答弁を行っております。

インテリジェンス政策の推進においては、本法案の条文にはなくとも、こうした点を重視していくべきだと考えます。透明性、政治的中立及び民主的統制の確保などを始めとした先述の四つの点の重要性について、それぞれどのように考えておられるのか、総理の率直な見解を伺います。

第二に、少し時間軸を先に進め、一点目と同様の点について伺います。

今回の国家情報会議設置法が第一段の位置付けだとすると、第二段とされる対外情報庁の設置、インテリジェンス・スパイ防止関連法制、こちらは、自由民主党と日本維新の会の連立政権合意書によりますと、基本法や外国代理人登録法、そしてロビー活動公開法などを指すようですが、第二段の法案には、政治的中立及び民主的統制の確保、国民の自由と権利の尊重などの基本理念のようなものが規定される見通しがあるのでしょうか。この点について、総理に伺います。

第三に、国民の理解の増進及び信頼の向上について伺います。

衆議院内閣委員会で総理は、名称を国家情報戦略とするかどうかは未定であるけれども、新設される国家情報会議において、政府の中長期的な情報活動の推進方策を取りまとめた文書を作成し、公表できる範囲内でこれを公表するということを検討してまいりますとお答えをしております。また、この取りまとめ文書は、数年単位でしか見直しをしないと硬直的に考えているわけではないという答弁もされております。

これに関連し、衆議院内閣委員会に参考人として出席した小林良樹教授は、国民からの理解の不足は、中長期的には、インテリジェンス組織あるいは活動の正当性、いわゆるレジティマシーにネガティブな影響を与え、その機能の低下につながる可能性も否定できませんと述べられております。

インテリジェンスに対する国民の理解の増進及び信頼の向上の重要性についてどのように考え、具体的にどのようなことを実施していくのか。国家情報戦略的なものを国会に報告し、公表するのみならず、更に一歩進めて、インテリジェンス白書のような年次レポートを出すことはできないのでしょうか。総理の見解を伺います。

第四に、インテリジェンスに係る人材の確保、適切な処遇について伺います。

衆議院内閣委員会で総理は、中途採用も含めて優れた人材を獲得する、能力主義で採用する、インテリジェンス関係機関にもAIなどに関する専門的な知見を備えた人材を確保するということが必要であるといった答弁をなされています。

昨今の厳しいだけではなく展開が大変早い国際情勢を的確に把握し、速やかな意思決定につなげていくことを実現させていくためにも、インテリジェンスに係る総合調整機能を持つことになる国家情報局には、AIやサイバーセキュリティー、そして経済安全保障などに関する専門的知見を有する人材を確保していくことが極めて重要であると考えます。こうした有用な人材の確保に向けて、処遇面も含めて、どのようなことをお考えなのか、総理の展望を伺います。

第五に、情報業務に従事する者及びその家族の安全の確保について伺います。

衆議院本会議で総理は、対外情報機能の充実を図るに当たっては、その最前線で情報業務に従事する職員やその御家族の安全を確保することや、必要な支援を行うことについても多角的な検討を進めてまいりますとも答弁をされております。この点について、具体的に踏み込むとすれば、例えば、任務の性質上、本来の身分を明かせないインテリジェンス担当者などが、本人にひも付かない身分、つまり仮装身分を使用することを法的に可能とし、それに基づいたパスポートなどの公的書類の発行を行うこと、さらには、情報業務に従事する者やその家族の身の安全を守るために、国内外にセーフハウスを整備することなども将来的には検討の射程に入ってくるのでしょうか。総理の見解を伺います。

第六に、内閣情報分析官に期待する役割について伺います。

特定の地域又は分野に関する特に高度な分析を担当している内閣情報分析官は、現在八名いると承知をしております。現在の内閣情報調査室の体制と比べ、質、量共に充実した情報が国家情報局に集まってくることが期待される中で、内閣情報分析官の役割はますます重要になるというふうに考えます。国家情報局創設後の内閣情報分析官にどのような役割を期待されているのでしょうか。その増員などは検討されているのでしょうか。総理の見解を伺います。

第七に、国際的な情報連携の重要性について伺います。

国家情報会議、国家情報局が創設された後は、今般の中東情勢のような危機的な事態に直面する際、質、量共に充実した情報収集が行われ、政策に活用することが本当にできるのでしょうか。そのためには、同盟国、同志国との情報連携を深めることが不可欠だと考えます。総理の決意を伺います。

第八に、情報保全の強化の必要性について伺います。

本法案で、現状よりもインテリジェンス能力が強化をされ、重要な情報が国家情報局や国家情報会議に集約されることが想定される中で、それらに関与する議員や職員などの人的側面のほか、施設や設備も含めた情報保全の強化を図る必要性が高まると考えます。こうした点について、制度面や予算面も含め、どのように考えていくのでしょうか。総理の見解を伺います。

最後、第九に、インテリジェンス・スパイ防止関連法制の策定スケジュールについて伺います。

国家情報会議、国家情報局を創設する本法案だけでは、言わば器をつくったにすぎず、外国からの情報の窃取を防ぐことにはなりません。課題を安易に先送りすることなく、速やかに有識者会議を立ち上げ、まとまった法案から秋の臨時会にも提出すべきだと考えますが、総理の意気込みを伺います。

今回の法案は、インテリジェンスの司令塔機能を強化することにより、政策部門の的確な意思決定を支え、危機を未然に防ぎ、国民の安全や国益を戦略的に守る取組を強化しようとするものと理解しております。ただし、個人情報やプライバシーが無用に侵害されることのないように十分な配慮を行うこと、政治的中立を損なう情報収集は行わないことが、その運用においてしっかりと担保されることが極めて重要であることを指摘し、私の質問を終わります。

御清聴ありがとうございました。(拍手)

〔内閣総理大臣高市早苗君登壇、拍手〕

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