松川るい (自由民主党)

2026年5月8日・第221回国会 参議院 本会議 第11号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 4 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 25 発言)

自由民主党の松川るいです。

会派を代表し、国家情報会議設置法案について質問させていただきます。

敵を知り己を知らば百戦危うからず。孫子の格言は、まさにインテリジェンスの真髄をついています。敵を知るとは、外部からの情報により相手の能力と意図を把握すること、己を知るとは、自己の脆弱性分析とカウンターインテリジェンスに該当します。百戦危うからずとは、勝つというより戦略的奇襲を避けることにあります。平和国家である日本こそ、危機を未然に防ぐためにインテリジェンスの充実が不可欠であります。

しかるに、我が国には、諸外国では当然存在する対外情報庁がいまだ存在しません。さらに、関係省庁の一部門としての情報部門はありますが、その活動は組織ごとの縦割りとなりがちであり、活動全体を俯瞰して分析し、政府として意思決定を行い、指揮する司令塔機能も存在しません。

今回の法案では、国家としての情報分析能力を高め、インテリジェンスの司令塔の強化のために、総理をトップとする国家情報会議を設置するとともに、現在の内閣情報調査室を発展的に解消して国家情報局を設けることとしています。ただ、これらが機能するためには、器の中に魂を入れ、トップの指示が横串となって貫かれるような法的な担保が大切だと考えます。

本法案により、具体的にはどのような改善が期待できるでしょうか。例えば、情報関係省庁から官邸への情報集約が義務的になり、その結果、オール・ソース・アナリシスがより十全にできるようになると理解すればよいのでしょうか。

また、器の中の人材の情報収集・分析能力を強化していくことも欠かせませんが、そのための人材育成は極めて重要です。

これらについて、高市総理の御所見をお聞かせください。

実は、私自身、国会議員になる前、外務省の国際情報統括官組織というインテリジェンス部門で働いておりました。その際にも、米国のCIA、英国のSIS、通称MI6、豪州のASISのような対外情報庁が日本に存在しないことにはじくじたる思いをしてまいりました。もしも日本に対外情報庁があったなら、きっと拉致問題はずっと前に解決していたのではないかと思うからです。

当時、あるCIAの方から、日本はいつになったら対外情報庁をつくるつもりなのかと聞かれ、十年後を見ていてほしいと答えたことを思い出します。そのときから十年以上がたっています。私にとって、対外情報庁設置は長らくの悲願です。今回の国家情報局設置は、日本が対外情報庁を設立する上での重要な第一歩だと考えています。総理の御所見をお伺いします。

また、情報分析業務については、分析結果への信頼確保等のために政策部門から一定の中立性、独立性が求められますが、この点をどのように確保していくお考えでしょうか。

さらに、情報活動の特性上、秘密裏に推進することが求められますが、一方で、国民の理解を深め、国民によるその在り方に対する意見について検討することも不可欠です。これらをどのようにバランスを取りながら、国家情報戦略の対外公表を進めていくお考えでしょうか。

いずれも木原長官にお伺いします。

最後に、近年、海外発信と思われる偽情報により、世論形成や政策決定をゆがめ、我が国を不利に、あるいは海外の特定国を有利にする動きが見られます。米英豪などの諸外国も法的対策を行っていますが、いわゆるカウンターインテリジェンスの強化として、日本国内で影響工作を行う個人、法人の登録義務化を含め、どのように対処していくお考えでしょうか。

この点を木原長官にお伺いして、私の質問を終わります。

御清聴ありがとうございました。(拍手)

〔内閣総理大臣高市早苗君登壇、拍手〕

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