佐藤淳法務省刑事局長

2026年7月14日・第221回国会 参議院 法務委員会 第20号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 289 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 375 発言)

お答えいたします。

証拠の収集に税金が用いられることは事実でございますけれども、適正な裁判を実現するために証拠の使用をいかなる範囲で認めるかにつきましては、証拠の複製等の目的外使用により生じ得る関係者の名誉、プライバシーの侵害、その他もろもろありますけれども、こういった弊害を考慮することが必要であると考えているところでございます。

その上で、現行法上、通常審における検察官開示証拠につきましては証拠の複製等の目的外使用が一律に禁止されて、一定の違反行為につきましては罰則が設けられているところ、通常審と再審請求審とでは関係者の名誉、プライバシーの保護、その他もろもろの必要性に違いはないというふうに考えられるところでございます。

また、御指摘のように、裁判所が弁護人に証拠を謄写ないし閲覧させるに当たって個別に条件を付すなどの制度につきましては、そのような条件が遵守される担保が不十分であり、目的外使用により生じ得る弊害を防止する措置として実効性に欠ける上、提出される全ての証拠について提出に伴い生じ得るあらゆる弊害を確実に防止できるような適切な条件を設定することは現実的に極めて困難であるといった御指摘がありまして、課題が多いというふうに考えられるところでございます。

個別に閲覧、謄写を認めないとなりますと、要するに、弁護人が持っていない証拠が生じるということでございまして、これは逆に言いますと、弁護人等にとっての手続保障という観点からも問題があるところではないかというふうに思うところであります。

我々としては、いろいろ御指摘を受けましてごもっともだなと思うことも多々あるのでありますけれども、やはり目的外使用を一律禁止することによって、通常審でもそうでありましたけれども、これで広く証拠開示をするという、そういったことを見ずに広く証拠開示をすることが可能になっているということでありまして、その都度、今日の午前中も被害者の、犯罪被害者の弁護士の方もおられましたけど、その都度、被害者の様々な思いを全て受け止める個別の条件の付し方というのは本当に困難なところだというふうに考えておりまして、私どもとしては、いろいろ頭を悩ませた上で、こういった結論に至るのが正しいと、その上で、個別の事案に関しては調整規定などを置きまして個別に適切に対応していくのが重要だろうというふうに考えているということでございます。

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