上山泰新潟大学法学部教授

2026年6月11日・第221回国会 参議院 法務委員会 第14号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 42 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 110 発言)

御質問どうもありがとうございます。

まず大前提として、現在の日本の人口構成というものを考えていきますと、なかなか御本人の御親族の中に適切な候補者それ自体を見出すことが難しいという環境があるのが一つ大きな構造的な原因ではないかというふうに思っております。

実際、少なくとも近年の家庭裁判所の運用を客観的に見ておりますと、意図的に親族後見人を排除しようとしているわけではないように見受けられます。というのも、実際に申立ての時点において御親族の方が候補者として挙げられている場合には、そのおよそ八割がそのまま親族後見人として選任されているという事実があるからということになります。

私、ちょっと角度を変えたお答えになるかもしれませんけれども、今回、仮に新補助ということになりますと、補助人は本当に重要な部分だけ法律的な権限を持って関わるにすぎないという立て付けになります。そうであるとすれば、現在の成年後見人の負担というのは、年に一回、家庭裁判所に報告をするなど、かなり広範な権限とそれに伴う義務を持ってございますので、非常に重い責任を負うことになります。

そうなりますと、御家族の方がそうした重い負担を負いつつ、かつ法律的な権限を持った上で御本人と関わるということが本当に御家族にとってよろしいことなのかというのは少し意見が分かれるかもしれません。当然、御家族、御本人を取り囲む御家族の中で、温かい支援環境、親密圏の中で御本人が適切な生活を送られるということは最も望ましいことですけれども、その負担の重い法的な権限の役割についてはむしろ外に出してしまった方が親密圏としての家族の役割をより適切に機能させることができるのではないか、そんな観点もあるのかなというふうに感じております。

以上でございます。

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