お答え申し上げます。
現行法では、成年後見制度に関する登記の制度が設けられており、補助開始の審判等がされた場合には、補助開始の審判がされたこと、補助人の同意を得ることを要する行為、補助人に付与された代理権の範囲などについて登記がされ、また、補助が終了した場合や代理権の範囲が変更された場合などにもその旨の登記がされます。
これによって、取引の相手方は、本人に対して登記事項証明書の提示を求め、それを確認することによって、本人の行為が本人又は補助人によって取り消される可能性があるかどうかや、補助人が代理権を有しているかどうかなどを把握することができます。
また、本人が補助人の同意を要する旨の審判を受けているのにその旨の審判を受けていないなどの虚偽を述べて法律行為をした場合には、民法第二十一条においてその行為を取り消すことができないこととされており、取引の安全も図られております。
民法等改正法案でもこれらの規律を維持しており、改正後においても現行法と同様に取引の安全を図ることができると考えております。
9
古庄玄知(自民)
ところで、今回の改正法案の中には、本人の同意という文言が数か所出てきております。本人の意思を尊重していることがうかがい知れます。しかしながら、本人の同意というのは、個人の内心に係る問題でありまして、その把握が極めて困難な場面が多々あるというふうに思料されます。
そこで質問ですが、本人の意思を把握するこの困難性についてはどのように考えているのでしょうか。
この発言のページ
10馬馬渡直史最高裁判所事務総局家庭局長
まず、御指摘のとおり、本人の意思の把握というのは困難な場合もあろうかと考えております。
その上でどうやっていこうかということもお尋ねという趣旨でよろしいでしょうか。改正法案が成立し、施行された後の裁判所の運用について現時点で確たることをお答えすることは困難でございますが、一般論として申し上げれば、御本人の心身の状況や本人を日常的に支える支援者の有無なども踏まえながら、御本人作成の同意書、支援者において御本人の過去の選好等も踏まえて御本人の意向を把握した結果の報告、福祉専門職らによる報告等その事案に応じた適切な資料による真意の把握の在り方が検討されていく…
この発言のページ
11
古庄玄知(自民)
そうすると、本人の同意があったかなかったかという点に関して争いが生じてくる場面も多々出てくるのではないかなというふうに思います。
それで、取引の相手方からしてみると、後日、その同意があった、なかったかという、そういう争いに巻き込まれたり、それがひっくり返されたりしたらたまらないと、そういう思いから、高齢者相手の取引を控える者も出てくるのではないかなというふうに考えられます。
そこで質問ですが、そういうふうな、取引を控えたり、あるいは後日争いに巻き込まれたりということに関して、取引の安全性に対して配慮しなければならないと思うのですが、今回の法案において…
この発言のページ
- (上の発言)
12松松井信憲法務省民事局長
お答え申し上げます。
現行法では、成年後見制度に関する登記の制度が設けられており、補助開始の審判等がされた場合には、補助開始の審判がされたこと、補助人の同意を得ることを要する行為、補助人に付与された代理権の範囲などについて登記がされ、また、補助が終了した場合や代理権の範囲が変更された場合などにもその旨の登記がされます。
これによって、取引の相手方は、本人に対して登記事項証明書の提示を求め、それを確認することによって、本人の行為が本人又は補助人によって取り消される可能性があるかどうかや、補助人が代理権を有しているかどうかなどを把握することができます。
また、本人が補助人の同意を要する旨の審判を受けているのにその旨の審判を受けていないなどの虚偽を述べて法律行為をした場合には、民法第二十一条においてその行為を取り消すことができないこととされており、取引の安全も図られております。
民法等改正法案でもこれらの規律を維持しており、改正後においても現行法と同様に取引の安全を図ることができると考えております。
13
古庄玄知(自民)
改正民法十条では、補助開始の審判を受けた者が精神上の理由により事理を弁識する能力を欠く常況にある者で、必要があると認めるときは、特定補助人を付する旨の審判をすることができるというふうに規定されております。
この特定補助人というのが、改正前の後見人に匹敵すると思われます。ここで、できるというふうに規定されているということは、必ずという意味ではありません。事理弁識能力がない常況にある者であっても、普通の補助人しか付かない場面も多く存在するというふうに思われます。
そこで、この点に関して質問いたしますが、補助開始の場合は事理弁識能力が不十分であったけれども…
この発言のページ
14松松井信憲法務省民事局長
お答え申し上げます。
補助開始の審判と同時に、制度を利用する動機となった法的課題に対応するため、補助人に代理権を付与する旨の審判や補助人の同意を要する旨の審判がされたが、その後、本人の事理弁識能力の低下が進行し、新たに対応することが必要となる法的課題が生ずる場合も、御指摘のように、あり得ると考えております。
このような場合には、新たな法的課題に対応するため、必要な範囲で新たに補助人に代理権を付与する旨の審判や補助人の同意を要する旨の審判を利用することが考えられますし、御指摘のように、必要な場合には特定補助人を付する旨の審判を利用することも考えられます…
この発言のページ
15
古庄玄知(自民)
参考資料の一を御覧ください。そこを見ると、どういう人が後見人になるかということを書かれておりまして、親族の場合が一六・四%、親族以外の場合が八三・六%ということになっております。
圧倒的に親族以外の方がこの後見人になることが多いわけですけれども、こういうふうに親族以外の方が後見人になるのが多い理由についてお答えください。それと、現状においては、そういう人たちに対して、そういう人たちを後見人にすることに対して不満だという声も上がっているように聞いておりますけれども、その点についても併せてお答えください。
この発言のページ