長崎敏志観光庁観光地域振興部長

2026年5月19日・第221回国会 参議院 法務委員会 第9号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 189 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 243 発言)

お答え申し上げます。

訪日外国人旅行者数を二〇三〇年に六千万人とする政府目標は、総理を議長とする明日の日本を支える観光ビジョン構想会議において二〇一六年に設定されたものでございます。これは、当時、観光を地方創生の礎とするとともに、我が国の基幹産業とすること等を目的に、当時二千万人であった訪日外国人旅行者数を三倍に増やすというものでございました。その後、政府の観光立国推進基本計画におきましても、この目標を前提に各種施策を推進してまいりました。

その結果、訪日外国人旅行者の消費額は二〇二五年に九・五兆円となり、自動車産業に次ぐ第二の輸出産業となる等、地域の活性化、日本経済の発展にとっても非常に重要な役割を果たしてきているというふうに認識しております。

一方で、委員御指摘のとおり、最近では、都市部を中心とした地域への観光客の偏在、また一部の場所、時間帯における過度な混雑やマナー違反、こういった問題が生じておりまして、住民生活に支障が及んでいるということも承知しており、その対応が大変重要であると認識しております。

このため、本年三月の委員御指摘の閣議決定されました第五次の観光立国推進基本計画におきましては、人数だけを追い求めるのではなく、地方誘客や消費拡大など内容や質を重視するとともに、インバウンドの戦略的な誘客と住民の質の確保との両立を柱として掲げ、訪日外国人六千万人のみでなく、地方部における延べ宿泊者数一・三億人泊、消費額十五兆円、消費額単価二十五万円等々も目標として盛り込まれたところでございます。

最後に、委員御指摘の国民の声を聞いたのかということにつきましては、観光庁におきましては、この基本計画の策定に当たり、学識経験者、有識者等から成る審議会、分科会の意見を聴いたほか、基本計画をパブリックコメントにかけ、国民の意見も聞いたところでございます。

その中におきましては、委員御指摘のとおり、訪日外国人旅行者数の急増によって日常生活に悪影響が及んでおるという意見がある一方で、インバウンドの効果が東京、京都、大阪のいわゆるゴールデンルートに集中しており、地方部にも訪れてもらえるような施策を強化すべきであるとか、観光は重要な収益源であり、オーバーツーリズムを理由に観光を抑制するのではなく、訪日外国人旅行者の更なる受入れに向け、容量拡大のための積極的な投資を行うべき等々といった様々な意見がございました。

観光庁といたしましては、このような意見に真摯に受け止め、効果的な対策を講ぜずしてインバウンド観光に関する国民の理解は得られないということを認識した上で、インバウンド観光が地域の持続的な発展につながると、こういうふうな形で取り組んでまいりたいと考えております。

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