岩渕友 (日本共産党)

2026年7月16日・第221回国会 参議院 農林水産委員会 第16号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 188 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 204 発言)

日本共産党を代表し、両法案に反対の討論を行います。

両法案は、主要農作物種子法の廃止と、それに続く種苗法の改正に連続するものです。

政府は二〇一八年、各県の農業試験場などの公設試験研究機関を、民間の品種開発を阻害しているとして、その根拠法である種子法を突然廃止し、同時に、公的機関が持つ知見を民間に提供させる農業競争力強化支援法を成立させました。二〇二〇年には、知的財産権の強化を通じて品種開発企業の利益を確保するため、自由だった農家による登録品種の自家増殖を一律禁止とする種苗法の改正を行いました。

しかし、そもそも農作物の遺伝資源は、人類が数千年にわたり保存、改良してきた共有財産とも言えるものです。その観点から、国連、農民の権利宣言においても、農家は自家採種の種苗を保存、利用、交換、販売できる権利を有すると記載されており、食料・農業植物遺伝資源条約においても同様の規定が設けられています。

これまでの一連の改正は、こうした農民の権利への配慮を全く顧みず、種苗企業の参入促進、利益確保に著しく傾くものでした。今回の改正も、更に知的財産権を強化、保護しようとするものであり、農民の種に対する権利を一層制約するものです。

現在、国内の育成者権の存続期間は、既にUPOVで求められている二十年を超え、二十五年となっています。今回の種苗法の改正は、これを加盟国で最長の三十五年とし、知的財産権の大幅な強化を図るものです。

また、育成者権取得前、登録申請中の差止め請求制度の新設、育成者権侵害に対する損害賠償額の拡大など、育成者権の効力の範囲を拡大する改正も、農民の権利を無視し、農家の自由な育種、採種活動を実質的に制限し、萎縮させるものです。

現在、世界的に種子事業の民営化と知的所有権を強化、植物遺伝資源の囲い込みを通じて、独占バイオ産業が、公共種子、農民種子を多国籍企業が開発した特許種子に置き換えようとする状況が進んでおり、農家がこうした独占企業の開発した高い価格の品種を使わざるを得なくなる状況が進展しています。

重要品種法案は、こうした流れに同調し、公的試験研究機関の知見、データ、施設を民間企業に提供させるだけでなく、育種から生産に至るまで全面的に協力させることで、種子、種苗開発に対する公的役割を放棄し、内外の独占企業に移行する足掛かりをつくろうとするものです。

我が国の公的事業による種子、種苗供給は、量的にも質的にも不足が生じているわけではなく、本法案は農家の願いでもありません。優良な品種の開発を促進するのであれば、これまで重要な役割を果たしてきた公的試験研究機関に対する予算、人員増こそ必要だと述べ、反対討論とします。

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