東野秀樹 (自由民主党)

2026年7月7日・第221回国会 参議院 農林水産委員会 第13号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 7 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 183 発言)

ありがとうございます。

このように、大臣自らが広く需要開拓に乗り出していただけることは、生産現場にとっても大変心強いメッセージになると思います。今後、米のみならず、牛乳・乳製品、畜産物、果物、お茶など、更なる需要開拓に向けても、大臣を始め国を挙げた出口対策、需要拡大の取組に引き続きよろしくお願いしたいというふうに思います。

このように、需要開拓に向けた輸出の拡大は大変重要なことでありますが、気掛かりな側面もございます。以前の質疑でも大臣が触れられたビジネスの鉄則でございます。余った分を輸出することではないと。安定して契約を履行、継続することの重要性であります。

一昨年、店頭で米不足の最中に、ネット上で事実誤認のデマが流されました。それは、国内でお米が不足しているのに国産米が海外へどんどん輸出されている、それを見た方々から多くの問合せや誹謗中傷が寄せられたとのことでありました。結局、これは三年前の米需給緩和時に産地が積極的に輸出開拓に取り組んだとき、このニュースを利用して、あたかもそのときに行われたかのような事実をねじ曲げた情報でありました。

このように、誤った情報を意図的にさらす行動は、残念ながら現在様々散見されることでありますが、それよりも、我が国で生産された食料は余ったものを輸出に回せばよいという概念が多くの国民の理解だということの一面があらわになった局面でもありました。

国民が食料を調達できなくなることは当然あってはならないことでありますが、それと同時に、輸出に対する国民理解を得るためには、今回の改正に向けて、いかに精緻な米の流通実態を把握し、サプライチェーン全体に共有できるか。そして、その実効性を高める水田政策と機動的な備蓄の運用をもって国内の需要と供給のバランスを保つこと。そして、沖縄から北海道、中山間地域から都市農地に至るまでの国内農地のフル活用をもって国民の食料を最大限自国で生産し続ける。これこそがまさに我が国の食料安全保障だと考えております。

次に、農業所得確保の在り方についてお伺いをいたします。

さて、昨年閣議決定をした食料・農業・農村基本計画において、食料安全保障の観点からも、米のみならず、輸入依存作物である麦、大豆についても増産していくことが示されてございます。我が国において、米、麦、大豆は欠かすことのできない重要品目でございます。しかしながら、昨年の米価格の高騰を背景に、水田で麦、大豆の作付けが主食用米にシフトし、国内麦、大豆は供給量の減少、主食用米は過剰となり、主食以外の多用途なニーズのお米については不足するといった状況が既に生じてございます。

他方、海外に目を向ければ、肥料調達不足、コスト増や干ばつ等を背景に、オーストラリアの今年産小麦が二、三割減少するため、価格上昇や世界的な穀物不足も懸念するとの報道もございます。やはり、我が国の食料安全保障を確立する観点からも、様々なニーズの米、麦、大豆を始めとした作物等がバランスよく安定的に生産、供給されていく、まさに需要に応じた生産が必要不可欠だと感じております。

生産者が持続可能な農業を確立、継続するためには、やはりまず再生産、再投資可能な農業所得を確保することができるのかという点になります。幾ら需要があるからといっても、安定した農業所得を確保できない作物は生産者も作り続けることはできません。単に米、麦、大豆といっても、作物によって販売価格の決まり方や、流通の慣習やシステム、さらには作付けする地目によって受けられる政策支援が異なるのが現状であります。

一方で、主食用米については、資料の二枚目にも示したように、広い立場の専門家で構成される専門部会においてコスト指標が示され、今後の実効性に不安はあるものの、適正な価格形成と再生産、再投資が可能な農業所得をイメージすることができるようになりました。しかしながら、麦、大豆を始めとした畑作物については、生産費統計と現場の生産費の実態について乖離があるとの声も聞きます。

そこで、麦、大豆を始めとした畑作物について、国は、現場実態を的確に捉えた生産費等を把握した上で畑作物の直接支払交付金の算定を行う必要があると考えますが、農林水産省の見解をお伺いいたします。

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