木下昌彦神戸大学大学院法学研究科教授

2026年7月14日・第221回国会 参議院 内閣委員会 第19号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 86 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 95 発言)

ありがとうございます。

本法案、今の憲法のこれまで積み重ねられてきた判例等を基に考えますと、やはり多くの憲法学者、私が知る限り現役で大学で教えている憲法学者の多くはもう、多くはというか、私が知る限りはほぼ全員、私が知っている人は全員ですけれども、違憲だというふうに考えておりまして、逆にこれが合憲ということになりますと、それでは我々が考えてきた、我々が授業で教えているような憲法とは全く異なる憲法を教えなければいけないわけですね。こんなに立法事実が曖昧で、構成要件も曖昧で、立法保護法益も曖昧なものでも表現の自由を規制してもいいんですよということで授業で教えなきゃいけないわけです、仮にこの法案が合憲だというふうに判断されたら。そういう意味では、まさに憲法の教える内容が一〇〇%変わってしまいますので、その意味で憲法改正と同じ意味があったということがあります。

確かに、この国旗というのは、みんな大切に思っている人が多いものです。ですので、この法案だけを見れば何で反対するんだということはあるのかもしれないんですけれども、まさにこの誰も反対ができなさそうなものが作られて、それがまず初めの出発点、アリの一穴となって、次から次へと、じゃ、これは尊重しなければならないんじゃないか、これも、これはどうなんだということで、どんどんどんどん広がっていく、その最初の契機になる。それらを次に規制をしようというのを歯止めを掛けようとしましても、まさにこれ、これだけの立法事実で、これだけの保護法益で、これだけの曖昧な法律でも立法ができているんだから、この新しい法律も当然合憲でしょうという議論になっていくわけです。

そういう意味で、これまでの憲法法理が解体されるということで申し上げさせていただきました。

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