木下先生に伺います。
この法案については既に衆参の質疑がございまして、今日もありましたけど、罪刑法定主義、明確性の原則に反するとか、立法事実がないとか、あるいは表現の自由、内心の自由、制約、侵害するおそれがある、つまり憲法三十一条、二十一条、十九条に抵触するということが指摘されて、野党からも指摘されて、ところが提案者の方の答弁がずっと曖昧の繰り返しで、何か全然深まらないんですけれども、今日、木下先生のレジュメの最後に御紹介していただきました、この法案が合憲となれば従来の憲法法理がほぼ解体するというのが大変ぴたっと分かった気がしたんですけれども。
といいますのは、私、法律論は素人なんですけれども、ただ、こういう議員立法も長く審議してきて、ただ、思うのは、この法案がなぜ議員立法なのかと。通常、刑法に関わる改正ですから、重要な改正となりますよね、刑法ですからね、刑罰ですからね。法制審など専門家の議論を経て、憲法上、あるいは法体系上というんですかね、そういういろんな審査を経て法案化するというのが通常だと思うんですよね。
ところが、この法案は、そういう議論とか審査、そもそも堪えられる内容じゃないというのもあると思うんですけど、そういう、だからこれ、法制審に掛けたら潰れたんじゃないかと、こんなずさんなものはですね、と思うんですけれども、そういう刑法の積み重ねとか、法的観点とか、専門的な知見とか、全部吹っ飛ばして、政治的な思惑で立法しようと思うと議員立法しかなかったというふうなずさんなものが来ているんで、みんな議論にならないといいますか、だと思うんですね。
したがって、申し上げたいことは、木下先生がおっしゃった、これが合憲ならば従来の憲法法理ほぼ解体するというのは、たとえ立場が違っても、やっぱり刑法、法制上の検討を経てこういうものは出されてきて議論すべきだと思うんですけど、ですから、刑法学界全体が非常に疑義を抱いているというのが今回だと思うんですよね。
言い換えれば、何といいますか、刑法も蓄積も何も分からない一部の政党、一部の議員が、政治家が憲法の法理を壊そうとしているというふうに言えるんじゃないかと思います。
そういう受け止めでいいでしょうか。
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大門実紀史(共産)
もう一つその歴史的なことで、私も専門家じゃないんですけど、ちょっと読んだ範囲なんですけど、ドイツ、イタリア、フランスと日本を比べると、そもそも歴史が違うのかなと思うんですけれども。
戦後のドイツですね、今の国旗ですね、これは先ほどありましたとおり、やっぱりナチス政権の国旗を否定して、新たな憲法、新たな国旗という位置付けですので、今のドイツの憲法と国旗というのは非常に結び付いている関係で、国旗を、国旗に対していろいろやることは、憲法に対してといいますか、に対してという強い意識があるわけですね。イタリアも同じように、ムッソリーニの後、戦後ですね、国王の戦争…
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83木木下昌彦神戸大学大学院法学研究科教授
ありがとうございます。
私もそのとおりだと思いまして、特に表現の自由とか国旗を、それとの関係どうするのかというのは、まさに古い言葉ですけど、国体の問題であると思うんですよね、国の形がどうあるべきかという。ドイツとかフランスとかイタリアというのは、国旗というのを民主主義とか共和制との関係で結び付けてきて、その憲法秩序の中で国旗損壊罪が存在する。
日本の場合は、御指摘されましたようにそのような伝統はございませんので、特に国旗については、国旗・国歌法ありますけれども、何を象徴しているのかということが定かではなくて、かつてこれが国旗だということで定められたと…
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84橋橋本基弘中央大学法学部教授
先ほどの繰り返しになりますけれども、例えばドイツの場合、ドイツ国旗の損壊行為、これはまさにナチズムへの復活を招く表現というふうな意味を持つわけですね。したがって、ドイツにおける国旗損壊罪、これはまさに反ナチズムというような思想を体現しているわけです。せっかく独裁体制やファシズムを倒してつくり上げた共和国を保っていこう、そこの切実な法益というのがあるわけですね。そういう歴史、文脈、そういったものがあって初めて国旗損壊罪といったものが犯罪になっているわけですね。
これは、外国にあるからだということで日本にもという議論に欠けていることでありますけれども、でも…
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- (上の発言)
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大門実紀史(共産)
木下先生に伺います。
この法案については既に衆参の質疑がございまして、今日もありましたけど、罪刑法定主義、明確性の原則に反するとか、立法事実がないとか、あるいは表現の自由、内心の自由、制約、侵害するおそれがある、つまり憲法三十一条、二十一条、十九条に抵触するということが指摘されて、野党からも指摘されて、ところが提案者の方の答弁がずっと曖昧の繰り返しで、何か全然深まらないんですけれども、今日、木下先生のレジュメの最後に御紹介していただきました、この法案が合憲となれば従来の憲法法理がほぼ解体するというのが大変ぴたっと分かった気がしたんですけれども。
といいますのは、私、法律論は素人なんですけれども、ただ、こういう議員立法も長く審議してきて、ただ、思うのは、この法案がなぜ議員立法なのかと。通常、刑法に関わる改正ですから、重要な改正となりますよね、刑法ですからね、刑罰ですからね。法制審など専門家の議論を経て、憲法上、あるいは法体系上というんですかね、そういういろんな審査を経て法案化するというのが通常だと思うんですよね。
ところが、この法案は、そういう議論とか審査、そもそも堪えられる内容じゃないというのもあると思うんですけど、そういう、だからこれ、法制審に掛けたら潰れたんじゃないかと、こんなずさんなものはですね、と思うんですけれども、そういう刑法の積み重ねとか、法的観点とか、専門的な知見とか、全部吹っ飛ばして、政治的な思惑で立法しようと思うと議員立法しかなかったというふうなずさんなものが来ているんで、みんな議論にならないといいますか、だと思うんですね。
したがって、申し上げたいことは、木下先生がおっしゃった、これが合憲ならば従来の憲法法理ほぼ解体するというのは、たとえ立場が違っても、やっぱり刑法、法制上の検討を経てこういうものは出されてきて議論すべきだと思うんですけど、ですから、刑法学界全体が非常に疑義を抱いているというのが今回だと思うんですよね。
言い換えれば、何といいますか、刑法も蓄積も何も分からない一部の政党、一部の議員が、政治家が憲法の法理を壊そうとしているというふうに言えるんじゃないかと思います。
そういう受け止めでいいでしょうか。
86木木下昌彦神戸大学大学院法学研究科教授
ありがとうございます。
本法案、今の憲法のこれまで積み重ねられてきた判例等を基に考えますと、やはり多くの憲法学者、私が知る限り現役で大学で教えている憲法学者の多くはもう、多くはというか、私が知る限りはほぼ全員、私が知っている人は全員ですけれども、違憲だというふうに考えておりまして、逆にこれが合憲ということになりますと、それでは我々が考えてきた、我々が授業で教えているような憲法とは全く異なる憲法を教えなければいけないわけですね。こんなに立法事実が曖昧で、構成要件も曖昧で、立法保護法益も曖昧なものでも表現の自由を規制してもいいんですよということで授業で教え…
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87
大門実紀史(共産)
終わります。ありがとうございました。
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88
伊勢崎賢治(れいわ)
どうも。
今日は、皆さん、子供、子供の観点から議論をしたいと思います。
まずは、法学が御専門のお二人、木下参考人と橋本参考人にお願いいたします。
我が国は子どもの権利条約を批准しております。これ、一九九四年でして、これ世界全体で見ると百五十八番目、大変遅れたんですが、僕もこの批准の運動に関わったんですけど、当時ですね。当時、幾つかの条項に解釈宣言をしたものの、この条約の第十三条に重要なこと書いてあるんですね。表現の自由及び、その次の十四条に思想と良心、コンシエンスですね、それ及び宗教の自由については、いかなる留保も解釈宣言も行うことなく全面的に日本…
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