木下昌彦神戸大学大学院法学研究科教授

2026年7月14日・第221回国会 参議院 内閣委員会 第19号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 23 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 95 発言)

ありがとうございます。

まず、訴訟についてお話をさせていただきたいと思います。

まず、一番典型的なのは、これ実際に本法案ができた後、国旗を燃やすなどして逮捕され起訴されるというケースです。必然的に弁護人としては、依頼者の利益を最大化するのが仕事ですので、当該法令自体が違憲であるという主張をすると思います。それがまず第一のルートです。

第二のルートとしては、これは全く未開拓なんですけれども、最近、下級裁判所、下級審で事例があるんですけれども、本法案によって刑事罰を受けない、仮に国旗を燃やす、あるいは不快を催すような表現活動をしたとしても、本法律によって刑罰を受けないことの確認ですね、地位確認の訴訟というのがあり得ると思います。まだこれは下級審で例があるだけで、またこの本法案に適用されるかどうかというのはまだ不明確なんですけれども、これ、この訴訟を基に、こういう訴訟類型を基にチャレンジするということはあるんだろうと思います。

次に、そういう訴訟が実際に係属したとして、何が重要なポイントかということなんですけれども、これ私の御報告でもお話をさせていただきましたけれども、まずは、方法の規制なのか、方法の規制というか、内容中立規制なのか内容規制なのかという観点は重要な点になろうかと思います。

ただ、これ実質的に見て、やはり思想の自由市場に対する影響が大きいので、最高裁は従前の厳格な基準を使うか、使わないとしても、ある程度厳格な判断をするんだろうと思います。

その上で、もう一つの重要な点は、やはり国民感情というものが保護法益となっているということです。私の御報告でも引用させていただきましたけれども、自衛官合祀事件という事件があって、信教の自由が保障されている以上、他人の信仰について仮に不快だと思っても、それは法的保護に値するものではないというふうに述べましたけれども、それと基本的な考え方を取り入れますと、やはり国民感情というもので表現活動を規制するということは、やはりできないのではないかというふうに思います。

前後のやりとり

19の発言を見る

27の発言を見る